「外国人が多い町」に見つけた共通点 新大久保でも西川口でもない“意外な地域”に注目すると
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過去15年間の外国人比率の変遷を見ると…
まず、過去4回の国勢調査の結果から、江東区の大島四丁目の人口推移をグラフ化した(次図)。
総人口が横ばいで推移している中、外国人比率は2005年の4.2%から2020年には20.1%と約5倍に急増している。 同様に江戸川区清新町一丁目の人口推移をグラフ化すると、次のようになる(次図)。
こちらは総人口が右肩下がりに推移するなか、外国人比率は2005年の4.9%から2020年の21.6%の約5倍に増加。川口市芝園町の人口推移に通ずる変遷を見せている。
2つのエリアに共通する特徴とは
実は、この2つのエリアには、先述した川口市芝園町と同様、「UR賃貸」がある。 江東区大島四丁目にはその名も「大島四丁目」という1〜7号棟・2514戸からなる大規模な団地がある。 また、江戸川区清新町一丁目は「葛西クリーンタウン 清新プラザ」「清新南ハイツ(賃貸)」(1543戸)のUR賃貸のほか、「清新北ハイツ」「清新中央ハイツ」「清新南ハイツ(分譲)」といったUR分譲(1978戸)や東京都住宅供給公社の「シティコープ清新」(分譲:399戸)、「コーシャハイム清新」(賃貸:322戸)など、合計4242戸の団地群で構成されている。 「大島四丁目」は1969年竣工(築56年)。高度経済成長期の住宅供給政策に基づき、工場跡地に開発された。現在江東区の「都市計画マスタープラン」や「浸水対応型まちづくり」政策の重要拠点の一つ。防災拠点、緑道公園、商店街との連携を進め、団地建て替え(2025年以降段階的に着手予定)を契機に全面的な再生まちづくりが推進されている。 「葛西クリーンタウン 清新プラザ」は1983〜1984年に供給された。江戸川区の埋立地を活用したニュータウン事業の一部。現在は地域住民の多文化共生や高齢化対応に注力し、コミュニティ・防災拠点として整備が進められている。 戸数ベースで町の9割近くをUR賃貸が占める芝園町の例とは異なり、大島四丁目(UR賃貸比率:約7割)、清新町一丁目(同:約4割)のUR賃貸に、どれだけ外国人の居住者がいるかを推測することはできない。ただ、建物の老朽化が進み、だんだんと日本人が流出する一方で、「礼金なし・手数料なし・更新料なし・保証人なし」を売りにするURの賃貸住宅が外国人のニーズに合致し、地域の国際化を一気に推し進める要因になった可能性はないだろうか。
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