今回は、素因数分解の問題にチャレンジしてみましょう。
「名前からして難しそう…」と感じるかもしれませんが、簡単な割り算さえできれば、素因数分解は難しくありません。
興味のある人はぜひ挑戦してください。
問題
次の数を素因数分解しなさい。
2352
ヒント:答えは掛け算の形で表します。
解答
正解は、「2×2×2×2×3×7×7(2^4×3×7^2)」です。
これは、「2×2×2×2×3×7×7を計算すると2352になる」ということです。
つまり、素因数分解とは、ある数を掛け算の形で表すことなのです。
ただし、この掛け算の中に含まれている数は「素数」である必要があります。
素数の正体と素因数分解の詳しいやり方は、次の「ポイント」で解説しますので、ぜひご覧ください。
ポイント
この問題のポイントは、「素数で順番に割っていくこと」です。
先に素因数分解について簡単に説明しました。これをより正確に言うと、素因数分解とは、「自然数を素数の掛け算の形で表すこと」です。
素数とは、1とその数以外では割り切れない(1とその数以外に約数を持たない)自然数のことです。ただし、1は素数に含みません。
例えば、2は1と2以外の数では割り切れませんので、2は素数です。一方で、6は1と6以外に、2や3でも割り切れるので素数ではありません。
よく使う素数2、3、5、7は覚えておくと、素因数分解がはかどりますよ。
では、今回の問題に戻りましょう。
2352を素因数分解するには、素数で2352を順番に割っていきます(取りこぼしがないよう、小さい素数から順に割っていきます)。答えが素数になったら計算をストップし、この答えと今まで割った数をすべて掛け算でつなげて解答とします。
では、早速やってみましょう。
2352÷2=1176→次は1176を素数で割る
1176÷2=588→次は588を素数で割る
588÷2=294→次は294を素数で割る
294÷2=147→次は147を素数で割る
147÷3=49→次は49を素数で割る
49÷7=7←答えが素数の7になったのでストップ
ここまで割った数と7を掛け合わせると、「2×2×2×2×3×7×7」となり、素因数分解が完了しました。
ただ、このように式をたくさん書くのはちょっと面倒ですね。
この割り算を素早くするには、次のような「割り算を縦に並べていく形」での計算が有効です。
この方法は、割り算を繰り返したいときに便利です。ぜひ、やり方をマスターしましょう。
素因数分解を楽にするための豆知識
ある数を割り切る素数が何か、すぐに判断できると素因数分解が楽になります。
そこで、次のことを覚えておくと便利です。
2で割り切れる数:一の位が(0を含む)偶数
3で割り切れる数:各桁の数字を足した答えが3で割り切れる
5で割り切れる数:一の位が0か5
この知識があると、2352という数字を見た段階ですぐに「一の位が偶数だから2で割れる」と判断できますよ。
まとめ
素因数分解では、与えられた数を素数で順番に割っていきます。素数とは、1とその数以外では割り切れない自然数のことです。10以下の素数2、3、5、7は覚えておくと便利です。
割り算の答えが素数になったら計算をストップして、その答えと今までに割った数を掛け合わせれば、素因数分解が終了します。
また2や3、5で割り切れる数の特徴を知っておくと、スピーディーに素因数分解ができるようになりますよ。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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