ブちぎれたスティーブは機械化ソーブレードを手に取り、トリニティへと入って行った。
クソ思考な奴らを一掃するために。
無論無策でやる訳ではない、このチェーンソーで気絶させ、拘束して、ヴァルキューレ辺りに『暴行・傷害・公務執行妨害』で突き出す予定であるスティーブ。
調べたら余罪がたんまり出て来るだろうという感覚でやるつもりである。
<スティーブ>ああ、今日は今日とて御白い一日になりそうだ♪
片手にチェーンソーのような剣、全身鎧を着こみ、オフハンドには不死のトーテムを装備したスティーブは、どんどんトリニティの中へと入って行く。
無表情だが。
浦和ハナコは今の騒動を整理していた。
「トリニティ自治区内の各地にある遺跡、そしてその地下につながっているカタコンベを通って━━」
「探偵ごっこはお終いです、ハナコさん。‥‥‥捕らえてください。」
ここで予測不可能な変数が生じた。
パテル分派がほぼ独断で動いたのだ。
もしこのままパテル分派の想うように進めば両学園の土地は無くなる。
「私たちパテル分派はこの危険な事態に対し、迅速な行動を━━」
ギイイィィィィィン!!!
ザシュッ ザシュ
「なっ…ぁ‥‥‥!」バタンッ!
<スティーブ>政治ごっこは終わりだ、ゴミ共。
陰謀渦巻く所に暴の権化ことスティーブがやって来た。
「先生!」
ハナコは近づく。
が、すぐに気づく。
「先生、まさかその血は‥‥‥。」
<スティーブ>ここに来る前に俺の堪忍袋の緒を断ち切ってきた奴らが居てな、いやー爽快だったよ。骨折するレベルのホームランを打ったり、ソーブレードで薄く切ったら悲鳴を上げて、良い音だったよ^^
「‥‥‥。」
周りにいた者たちの血が引く。
<スティーブ>さてと、いきなりだけどさ━━
制裁といこうか!
そこからのスティーブの行動をハナコは忘れるはずがなかった。
バリバリバリバリ!!
ギュイイイィィィィン!!
バリバリバリバリ!!
ギュイイイィィィィン!!
バリバリバリバリ!!
ギュイイイィィィィン!!
ザシュ!!
ザシュ!!
ザシュ!!
ザシュ!!
ポタァ…
ポタ ポタァ‥‥‥
ポタァ…
ポタ ポタァ‥‥‥
目の前で次々とクーデターを起こそうとしたティーパーティーの生徒を片手にあるチェーンソーのような見た目の剣で切り刻んでいた。
無表情でなんの感情も抱いていないかのように。
「や、やめ…」
ザシュ!!
「来ないで‥‥‥」
ザシュ!!
「キャアアアァァ!!!」
ザシュ!!
一方的だった。
銃を持っている相手に臆することなく近づいては切り刻んで行った。
そのせいか、大半の生徒は銃を撃ってくるそぶりはなく、スティーブの事を怖がっていた。
その場にいたマリーの「悪魔のような審判者が天使の皮を被った悪魔を狩っているかのよう。」というのがその光景を表していた。
最後一人になったところでスティーブは機械化ソーブレードをティーパーティーの生徒に向ける。
<スティーブ>首謀者は誰だ?
「‥‥‥聖園、ミ━━」
パシュッ ピンッ!
予め矢を装填しているクロスボウに持ち替えて腹部に矢を刺す。
「うっ‥‥‥。」
<スティーブ>違うな、嘘をつくな。次はない。
<スティーブ>もう一度聞く、首謀者は?
「い、言います、言いますからこれ以上は‥‥‥。」
そうして生徒は首謀者についてご丁寧に喋ってくれた。
どうやらパテル分派の過激思想派の面々が首謀者。
複数いるようだ。
<スティーブ>情報提供ごくろうさん。じゃね。
ザシュッ
「な、何で‥‥‥。」バタンッ!
<スティーブ>お前らもこうして他人を理不尽にも虐めてるだろ。因果応報だよ。
スティーブは知っていた、トリニティの中でもパテル分派の連中は軒並み虐めの加害者率が高いことを。
こいつがやったかは知らないが、こんなクソな計画に乗ったお前が悪い。
「‥‥‥先生、この人たちは‥‥‥。」
<スティーブ>殺してはいない。殺す気だったら四肢を切断してから斬首して公開ショーをしてる。
「‥‥‥。」(絶句)
<スティーブ>ああそうだ。こいつら縄か何かで拘束しといて。後でヴァルキューレに突き出す。
「正義実現委員会ではないのですね?」
<スティーブ>茶会の、生徒会の奴らが起こしたことだ。茶会傘下の正実に任せたらだめだ。後から出て来るであろう自分たちの地位を利用して隠蔽した余罪も含めて第3者に裁いてもらう。
「そうですか…。先生はどちらに?」
<スティーブ>残りのクソトリの処理だ。
下江コハルは現在窮地に立たされていた。
トリニティで現在拘束されているミカの独房、そこで‥‥‥
「世間知らずのお嬢様がっ!わざわざ牢屋から出してあげようっていうのに、調子に乗って‥‥‥!」
「自分の立場を理解しろ!もうティーパーティーから解任直前の身で!」
「わざわざ来てあげたというのに、それを‥‥‥!」
「‥‥‥。」
いくらなんでもやりすぎと言えるぐらいミカを虐めていた。
ここの場面の時にスティーブが居たらこのトリカス共を問答無用で殺していただろう。
「な、何してんのっ!?」
勇気を振り絞ってコハルは声を出す。
「な、なんだお前は!」
「い、いじめはダメっ!どうして、こんなに大勢で寄ってたかって‥‥‥!こ、こんなの、私が許さないんだからっ!!」
「‥‥‥!」
「どきなさい、今の状況が分からないの!?」
「緊急の事態なのよ!?」
「で、でも、私は‥‥‥!」
「どけっ!!」
「‥‥‥い、嫌ッ!私、バカだから、何がどうなってるのか全然わからないけど‥‥‥でも、これは違う!こんなの絶対にダメッ!!」
ええ子や。
こういう子がいるからトリニティは成り立っていたのも知れない。
「言うことを聞かない奴だ、それなら‥‥‥」
トリカスの1人が銃を構える。
このタイミングで"スティーブ"は動き出した。
「ま、待って。この子、どこかで‥‥‥。」
「よく見ると、何だか見覚えが‥‥‥」
今更思い出そうとするトリカス共。
しかし、時すでに遅し。
ギュイイイィィィィン!!
「「「!?」」」
<スティーブ>おお、首謀者共がこんなにも固まってくれてたとは。探す手間が省けた。
「せ、先生っ!?」
「‥‥‥!」
ここでスティーブは登場した、所々血まみれの状態で。片手にソーブレードを持ちながら。
チェーンソーの轟く音を響かせながら。
「シャーレの‥‥‥!?」
「せ、先生が、どうしてここ━━」
ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!
ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!
ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!
ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!
ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!
ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!
ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!
ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!ザシュ!!
「な…ぁ‥‥‥!」バタンッ!
「痛‥‥い‥‥‥。」バタンッ!
「どうし‥‥‥。」バタンッ!
<スティーブ>眠ってろお嬢様気取りの性格ブサイク共。次に目が覚めたら牢屋だ。
スティーブは機械化ソーブレードの連続斬りをお見舞いした。
本来の武器の使い方でだ。
多少の手加減しいている、重傷だが死にはしないだろう。
「せ、先生‥‥‥先生‥‥‥。」
<スティーブ>時間稼ぎしてくれてありがとう、コハル。
「先生の体に血が‥‥‥」
<スティーブ>これは俺のじゃない。さっきのみたいなやつらを切り刻んだときに付着した。
「‥‥‥。」
またもや黙ってしまった。
今度から戦い終えたらスキン変えるべきだなとスティーブは考える。
<スティーブ>そっちは無事か?囚われ姫さん。
「えっと‥‥‥うん。何て言うか、久しぶり‥‥‥だね?」
<スティーブ>聞くのは野暮かも知れないが、どうしてあの誘いに乗らなかった?
「‥‥‥何でだろ。絶好のチャンスだったし、今立ち上がればって分かってはいるんだけど‥‥‥。今でも嫌い、なんだけど‥‥‥どうしてだろ‥‥‥。」
<スティーブ>所詮中身のない嫌悪だったってわけだな。
「‥‥‥そうかもね。でも、どうして、こうなったのかな‥‥‥。」
<スティーブ>政治的思考と配慮不足。
「えー励まし無し?というかグサッと刺しに来てるじゃん。シクシク」
<スティーブ>両極端すぎるんだよ。ナギサは和平、ミカは戦争。そして、セイアは勝手に引きこもる、政治したくなかったらやるなって話なんよ。格式とか伝統とかを捨ててでも。
スティーブはナギサとミカを観察していた。
2人共政治には不向き、謀略、策略が素人だった。
もしナギサのように裏切り者を探す立ち位置だったら補習授業部なんて言う面倒くさいものを作らず、尾行・監視・監禁・尋問でどうにかする。
もしミカのように戦争を起こしたい立ち位置だったらアリウスなんていう未知数の駒を使わず条約締結時に部下と共に襲撃するなり、相手が宣戦布告してくるように仕向けるぐらいはする。
大きなクラフターのコミュニティもそういうことぐらいする。
加えてセイアとか言う引きこもり狐についてもだ。何に絶望したのかは知らねーが、コミュニティのトップである者が勝手に抜けるなよ。
トリニティが滅びに行く理由を自分で作って、そんで友人を悲しませるか。
無責任な奴め…人のことは言えないが‥‥‥。
「先生は、これからどうするの?」
<スティーブ>首謀者を潰しに行く。
「へー、もしかしてサオリたちの事?」
<スティーブ>いや、そのもっと上に居るであろう何者か。あいつらはまるで傀儡だ。黒幕が明らかにいる。
「そっか‥‥‥気を付けてね先生。」
<スティーブ>あいよ。
<スティーブ>そっちも気を付けろよ。お姫様さんよ。
そうして、スティーブは部屋から退出した。
「(やっぱり、先生ってよく分からないね‥‥‥)」
そう、心の中で呟くミカなのであった。
なお、これは余談だが、この後気絶させ、拘束したトリカス共はスティーブがリードとネザーゲートを利用してヴァルキューレに突き出した。
人数がトリニティの4分の1ほどの人数*1、一斉に虐めや恐喝・クーデターなどの罪で大量逮捕が起こったこの件は『トリニティ三番崩れ』*2と呼称された。
トリニティの上品さとは裏腹の過激ないじめや暴力が明るみにされトリニティの信用度はがた落ち、一斉摘発によりトリニティ内の犯罪率が八割近く下がったとか。
<スティーブ>━━ってことがあった。
<へロブライン>ご愁傷さまとしか言いようがない、トリニティの生徒共には。
この話を聞いてへロブラインは平然とチャットを返す。
なお、周りのアリウスはスティーブのやったことのえげつなさに血の気が引いていたが。
<へロブライン>この会場の後始末はどうする?クロノスのマスゴミ連中はこっちの"力"でなんとかできるが、ゲヘトリはさすがに難しい。
<スティーブ>トリニティは生徒をかなりしょっ引いたから、信用度回復するのに奔走してこの事件に手を回せないし、信用度回復が終わっても補習授業部の件をバラすと脅しを掛ければどうとでもなる。
<へロブライン>確かに、特にナギサは命を助けた借りがあるから従うだろうな。
<スティーブ>ゲヘナはヒナを助けた借りがあるし、万魔殿とアリウスのつながりをチラつけせばどうとでもなる。アリウスって万魔殿と繋がってたか?
「相手側から誘いを受けただけだが、まぁそうだな。」
どちらにせよゲヘトリはこの件を有耶無耶にせざる終えないだろう。
さらに立場上、こっちは超法規的組織であるため、不運な事故とでも偽って、適当にアリウスを庇うルールでも制定すれば『法律バリア』でどうとでもなる。
シャーレの信用度が落ちるかもだが、そん時は「連邦生徒会に言われてやった。」とでも言って連邦生徒会の株を下げておけばいい。
連邦生徒会長捜索だかなんだかにリソースを割いて、それを蔑ろにして他の件を疎かにした罰だ。
<スティーブ>さぁ、これから首謀者叩きに行こうか。
<へロブライン>私も頼まれた身なんで同行しよう。スティーブ。
そうして、スティーブたちはカタコンベへと入っていった。
ここでいうスティーブの叩く発言は事実上の死刑宣告である。
<スティーブ>あ、スキン戻してくる。
しっかりと元のスキンに戻った状態で行くのであった。
血まみれのスティーブはどっかのスキンサイトにあったはずです。
次回短めで、敵saideの会話回を挟みます。
エデン4章で蓄音機から流す曲の投票
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