誤字報告ありがとうございます。
名指しするのもアレなのでここでは控えますが、毎度誤字を指摘して頂いている方がおりまして...頭が上がりません。
(誤字報告に甘えず校正を念入りにしなければならないのは当然ですが)
廃モール2階の、とある空間。
かつてこの施設が賑わっていた頃、倉庫として機能していたであろうこの場所には、埃のコーティングが被せられた棚が陳列されている。
淑やかな爆弾魔...アカネはこの鉄の密林にて、来るべき作戦に備えていた。
(彼には入念な対策なしには勝てない。私は私の役割に専念しなくては...)
普段の任務では彼女の好む爆発物のように豪快な行動に走るアカネだが、この日はいつになく慎重な顔つきをしている。
それもそのはず。顔合わせにてマックスの放った威圧は、彼女に眠るブレーンとしての意地を呼び覚ました。
単純なパワーのみならず、策略においてもピカイチである
『さっきぶりだね、お客様!──』
(先輩が接敵した。そろそろ起動の時間か。)
悩みの種が脳裏に根を張ろうと、重要な瞬間は待つ暇もなくやってくる。
微かな足音、宙に漂う幻想的な煙。
空を切り、マックスはソナーの反応地点へと突撃していた。
幾つかの曲がり角を経て、
「さっきぶりだね、お客様!やっぱりこっちだったか。」
好奇心に満ちた空色の瞳を光らせて駆けてくる、アスナ一人の姿であった。
「“やっぱり”ってな...もしやアスナ、予知能力とか持ってねぇ?」
「私、勘はいい方なんだよね〜。未来予知みたいな魔法は、流石に使えないけどね!」
アスナは敵の前であろうと関係なく、ずけずけコミュニケーションをふっかける。
「それと、ちょっと上見た方がいいかも!」
早速発動したアスナの直感。
瓶の底を切り落としたかのように、天井がまるごと降りかかってきた。
「...逃げ場なしか。」
マックスが巨大な瓦礫を受け止めようと、腕に虹漿を集め始めた時...
アスナは既にマックスの方向へと走り出していた。
「心中でもするつもりか?君なら死にはしないにしろ...」
(違う、そういう魂胆か!)
何かを察知したマックスは姿勢を低く下げ、片腕を大きく頭上へ翳す。
もう片方の腕から光の束が放たれ、正面のアスナを迎え討つために構えられる。
コンクリートの蓋がマックスの腕へとのし掛かると同時に、光剣がアスナへと水平に振られた瞬間...
アスナがスライディングで光剣を躱し、マックスの足元へと潜り込んだ。
落下した天井はマックスの足元に多少の窪みを入れはしたが、マックス本人は潰されることなく姿勢を保っていた。
しかし、天井の方はその自重に耐えることができず...マックスの頭上の箇所だけがくり抜かれて、そのまま床へビタリと叩きつけられてしまった。
二者の横には、上の階から落下していた棚の数々が見える。
隙間からの射撃に適した障害物として、新しいフィールドへ溶け込んでいる様子が伺える。
(今なら...防ぎようもないよね!)
攻撃と防御により両腕の自由を奪われたマックスを、至近距離からの射撃が襲う。
リコイルと床の板挟みを並外れた頑丈さと膂力で耐える、キヴォトスを生きる者ならではの荒技。
床へと撒き散らされる薬莢の数々が、攻撃の熾烈さを物語る。
巨大な瓦礫が生んだ砂埃と硝煙が、両者の周囲へと逃げていった時...
「君らの攻撃...どうしてか防ぎきれねぇんだよな。
これより強い攻撃を喰らった時でも、フレームがへコむことなんてまずなかったってのに。」
(ほとんど全弾使ったのに、これでも駄目!?)
マックスには有効打が与えられたようだが、未だ余裕を削ぐには至らない。
(俺が瓦礫を防ぐと踏んで、敢えて真下に潜り込んだか。
よく考えたが...君も隙だらけなのは同じだろうに。)
失意も束の間...マックスが脚を振りかぶり、低い姿勢のまま回し蹴りを放つ。
足の甲に出現していた虹の突起が弧を描き、アスナの胴体と交差するように迫る。
(これ、マズいかも...!)
アスナは退避を試みるも、寝転がった体勢では地を蹴ることも叶わない。
被弾を覚悟し、せめて上半身を浮かせようとしたその時...
「私の存在をお忘れですか?」
頭上より聞こえたのは、注意を引く声。
その声と共に、火花の散る音を聞くや否や...マックスは瓦礫を放り投げて後方へ退却する。
顔色の戻ったアスナも続いて体勢を立て直し、床...もとい天井に開いた穴から抜け出す。
2階のアカネは宙に浮いた瓦礫目掛けて爆弾を投下する。
瓦礫は爆破で砕け散り...粉々の破片となってバラけた。
アカネのカバーもあり、何とか攻撃を逃れたように思えたアスナだったが...
(ありゃ〜、一発もらっちゃった...)
その腕には、見覚えのある細長いエネルギー体が張り付いていた。
マックスは退避する直前、光剣を分離してそのままアスナへと飛ばしていたのだ。
パステルカラーのグラデーションが波のように表面を流れていく。
カラン
「...あれ?」
光剣がぴっちりと張り付いた右手は、掴んでいたライフルのグリップを離してしまう。
「コールサイン01!」
「何だろこれ、手がビリビリして力が入らない...!」
「
人体において、体温は血流へと作用する。
全身・あるいはいずれかの部位が冷えれば、放熱を抑えるため、血管は収縮し、血液の通りを抑える。
結果として正座や腕枕など、血管の圧迫によっても生じる痺れや...血液の恩恵が得られない細胞は、最悪凍傷へ至ることとなる。
そして...光剣の脅威はそれだけに留まらず。
「着実に破裂させるには...やっぱコレだな。」
退避の隙に、マックスは新たな装置を取り出していた。
鳥とも虫ともつかないその小型の機械に、マックスの掌から何かが注入されると...淡い玉虫色の意匠が宿り、目覚めたかのように翼を拡げる。
マックスが軽く装置を投擲すると、それはアスナへと一直線に飛んでいく。
(先輩が危険だ...ここはあれを撃ち落とす!)
不吉さを察知したカリンがすかさず照準を定め、吹き抜けとなった2階の窓を通すように装置を狙撃する。
装置は貫かれ、その部屋の様子を体現するように風穴が開けられた。
(馬鹿な...!羽ごと貫いたはずなのに、むしろ加速している!?)
しかし、飛ぶ装置は落ちることを知らない。
麻痺していない片腕にライフルを抱えながら回避の予備動作へとかかるアスナへ、勢いを増して突っ込んでいく。
装置の速度がピークへと達した辺りで...光剣が爆ぜた時と同じ、オーロラ色の爆風を撒き散らした。
アスナは自慢の直感と脚力で爆発の直撃を免れたが、その余波は急速に広がっていく。
爆風に共鳴するように、アスナの腕に張り付いた光剣は膨張し─
「わわッ!?」
銃弾を当てられた時のように、刺さった根本へ強烈な一撃を与えた。
「光剣はただ体温を奪うだけじゃねぇ。先端に綻びを加えれば、吸収したエネルギーを一気に放つことだってできる。」
(痛ッ...頭が、......クラクラして...)
「01、気を確かに!」
「うっ...アカネちゃん、ありがとう。」
いつの間にか下へと降りていたアカネが、倒れかかったアスナを支える。
アスナは意識を失いそうになったものの、何とか持ちこたえることに成功した。
(都市の連中なら、大抵は骨まで抉れてたんだが。
...本当に頑丈だよな、ここの学生。)
「それにしても...本当に妙な武装ばかり使いますね。
セオリーがことごとく破られるとは...」
「そのセオリー、意表も突いていい感じではあるんだが...
──すまねぇ、君らを煽る意図はないんだ。遠方からの援護を重きに置いた戦法を見るに、近接戦は君らの"リーダー"とやらが担当してるんだろ?」
「この短時間で部長の考察まで...流石本職の方ですね。」
「そのリーダーに並ぶ水準まで力押しを極めろとは言わねぇさ、できたらできたに越したことはねぇけどさ。自分の役割を極めた方が大体は能率的だからな。
それでもいざ要が欠けた時には、ある程度弱点を補完できなくちゃならねぇ。
さて...まさに今がそういう力の鍛え時じゃないか?
この防壁、どう突破する?」
(マックスさんの言った通り、我々には決定打が足りない。
しかしどうすれば...?通常の方法では、あの装甲を突破する事は出来なかった。一つでも抜け道があれば──)
アカネが思考を巡らせていると...思考に熱中しすぎたのか、爆弾の狙いがずれてしまう。
爆弾はマックスの背後まで大きく通り越し、明後日の方向へ棚を吹き飛ばす。
そしてその瞬間──マックスの片腕が、不自然に後方へと伸ばされていた。
(なぜその方向に腕を?その距離ではせいぜい瓦礫が稀に飛んでくる程度...
そういえば、私がフロアの床ごと落とした時にも...彼は前線を向いたまま背後の攻撃に対処していた。
まだ推測でしかないにしろ、もし考察が正しければ──)
彼の背中には、攻撃されたくない何かがある
灰と虹の混じった硝煙の中、アカネが耳の通信機を指で連打し始める。
(アカネからだ。ぜ、ん、ほ、う、い、か、ら...)
アカネが送ったのはモールス信号。アスナとカリンは攻撃を続けつつも、その内容を受け取り作戦内容を理解する。
それが暗号であることを察知したマックスは、機会を与えるためにその内容を解読しようとはしなかった。
尤も、都市とキヴォトスではモールス信号の規則が異なるために、事前の学習なしでは解読することもできなかっただろうが。
「コールサイン01、不調は解消されましたか?」
「うん!この通り、バッチリ動くよ!」
「了解、『これよりプランDを決行します。』
マックスさん。先程要を補う何かが必要だとおっしゃられましたね。
これが私共の答えです...お覚悟を!」
アカネは前方へと、ありったけの煙幕をばら撒く。
(また煙幕か。撤退か、それとも時間稼ぎか...)
煙の広がる中...マックスは窓の横にある、部屋の角へと後ずさっていく。
その瞬間、マックスの背後で爆音が響く。
(爆発?さっきの煙幕の中に、爆薬を混ぜてやがったな!)
C&Cの目論見はこれで終わりではない。
離れのビルにて、煙の中に光る朱色の炎を狙撃手が確認する。
(アカネが繋げてくれたチャンス...無駄にはしない!)
ダァン
煙の奥は不明瞭...それでもカリンの熟練された狙撃は、寸分の違いもなくマックスの背へ向かっていく。
先の爆破によって壁という後ろ盾を失った彼へと、すかさず弾丸が迫る。
「...!」
ジュッ
マックスは振り向き、カリンの狙撃を間一髪で弾いた。
それも...この訓練において初めて、身体ではなく光剣を使って。
対人用の弾丸では威力不足と判断したカリンは、既に弾丸を対物用のものへと切り替えていた。
キヴォトス外の民間人であれば、衝撃で人間のミンチ肉が完成する威力。
致命的な一撃こそ防げたものの、振り向いたマックスの背中にはアスナ達の銃弾が浴びせられ...今までで最も深い弾痕が刻まれていた。
「先輩の狙撃は防がれてしまいましたか。ですが今の一撃で...」
「お客様の弱点、分かっちゃったね?」
「あなたが使用していたエネルギー吸収装備、やはり一度に全身へ展開することはできないようですね。
発動中でも全身を駆動させるため、どこかには吸収させたくない内部電力を蓄積させておく必要がある...違いますか?」
探偵にでもなったかのように、アカネが不敵に話す。
虹漿の弱みを暴かれた当人の顔は、相も変わらず金属板が張り付いて変化しない。
しかし、ほんの一瞬...虹のラインが彫られた十字の溝が、微かに輝きを強めたように見えた。
「いい観察眼。それに詰め方も良い。
ぶっちゃけ合格にして、勝負を降りてやってもいいとこだが...タネが割れたくらいで諦めはしねぇさ。
あるモン全部使ってかかるって宣言したんだ。二言は無用、だろ?」
「望むところですよ...C&Cの名にかけて、ここが限界だと引き下がる訳にはいきませんからね!」
「もっとも〜っと楽しもうよ!」
「さて、もう小細工は明かしきっちまったしな。ちと大人気ねぇが、使えるモンは使っとかねぇと。」
少しばかり低まった声色をスピーカーから発したマックス。
銃弾を受け止めて勢いを増していた光剣を振り払うと、宙でいくつかの長い針へとばらけ...床へと突き刺さる。
「これでは近寄れません...!」
同時に彼はその場でステップをしながら、放電が起こるほどの力を脚部に集中させた。
足元からは周囲まで押し潰してしまいそいな、重い圧が発せられる。
「宣言する。大技いくぞ?」
「...構えて!何かされる前に仕留めるよ!」
いち早く異変を察したアスナが叫び、光剣の剣山へ向かっていく。
迂闊に破壊することも叶わない、極光の迷路。
しかし、アスナはその直感を持って光剣をかき分けていく。
「アカネちゃん、あの辺り!
あそこから攻撃できそう!アカネはあっちから!」
アスナが導き示した、辛うじて見える細い針の穴。
アスナとの結束より、二人はその抜け道を補足し、攻撃の準備にかかる。
弱点集中射撃、連続爆破、精密狙撃。
まさに三位一体、C&Cの面々がマックスを取り囲む射線を構築し、全方位から集中砲火を浴びせていく。
マックスは準備の間、防御もせずその場を動かない...目まぐるしく虹漿が巡っているのか、マックスの上半身が負う傷の箇所は刻一刻と変わっていく。
左腕の光剣機構が破壊され、胴のフレームは内部が露出するほどに潰されていく。
「降参願います、これ以上は危険です...!」
C&Cでさえも躊躇し始める程に、マックスの損傷は大きくなっていた。
(そのダメージでは、もう立っているのもやっとなはず。なのに...)
それでもなお──
(なぜ...何事もないかのように立っている!!?)
マックスの足元から発せられる気迫は、止まることを知らない。
ダメージなど介していない様子に、メイド達が焦りを覚え始めたその時...
一瞬の静寂、そして姿を消した鋼の男。
アスナが視線を向けた壁で、残存していた光剣が爆発したかと思えば...
アスナを横切るように、極彩色の軌跡が引かれていた。
「アスナ先ぱ...!」
続いて、後方のアカネにも。
(何が起きた?二人が一瞬で...)
状況を把握する暇もなく...
マックスは刃で虹の弧を描きながら、モールからビルへと飛び移り...カリンの前方へと迫ってきた。
眼前には凍て付く殺気の塊。戦闘に慣れたカリンですらも、威圧感に足がすくむ。
「...ッ!」
狙撃手には絶体絶命の状況。しかしカリンは照準をマックスの右肩へと合わせ、冷静にトリガーを引く。
そして、マックスの右腕が袈裟を掛けんとした瞬間...
銃弾が右肩を吹き飛ばし、光剣を空振らせた。
(間一髪...武装はこれで無力化した。)
しかし、喜びも束の間。
マックスは後方へ吹き飛ばされかけた右腕を、残された左腕で掴み...
ヴンッ
「残念...左腕そのものが残ってんだ、こっちは。」
未だ光剣を展開していた右腕ごと振り回し、カリンのスナイパーライフルを両断した。
決して油断していた訳ではない。ただ、再び発砲するには刹那の出来事であった。
カリンは毅然さの崩れた、ただ唖然とした表情で...
足元に散らばった銃身を、ただ眺めているしかなかった。
「始めの接敵からこの瞬間に至るまで、君らはずっと冷静に対処した。
もっと言やぁ...俺の戦歴至上、最速で虹漿の弱点を看破されちまった。本当に大したもんだよ。
敢えて減点するなら、違和感を見逃したことだな。
"俺の肉体に損傷を避ける理由がねぇこと"。」
『ちとヘコんじまったが、このくらいなら換装はしなくて良さそうだな。』
「無防備な状態をチャンスと思わせるために...破損を嫌うふりをしていたのか。」
「そういうこと。シンプルなハッタリだけど、順応が早い相手ほど効くんだよな。
追撃よりも退避を選ばれてたら、無駄打ちするハメになってた。随分大きな賭けだったが...今回は俺が読み合いに勝ったみたいだな。」
全身の損傷に反して平然と話すマックスは、
次元鞄に辛うじて手を入れると、予備の四肢を取り出していく。
泥の跳ねたシャツを着替えるかのように、淡々と。
「ああ、斬った得物はすぐに修理して返すから安心してくれ。
そのために修理が楽な斬り方したんだし。」
カリンは綺麗に両断された愛銃を一瞥した後、モールの方へと目をやる。
崩れた外壁の付近には二つの人影の側に、何かの欠片が散らばっている様子が確認できた。
どうやらアスナとアカネも直接斬られることなく、武器だけを切断されて無力化されたらしい。
(もしかするとこの人、意外と平和主義者...?)
カリンはふとマックスの内面について考えてみたが...先程接近された時の凍てつく殺気を思い出し、すぐにその考えを棄却した。
「申し訳ありません。我々三名の実力を証明することができませんでした...」
「気にすんな。大事なのは次にどう活かすか、だろ?」
諸事情により今回の訓練に参加できなかった、C&Cにおける画竜の睛...美甘ネル。
事が片付いた彼女は、辛うじて戦闘演習後に顔を出すことができた。
「で...あんたがアリスの言っていたヤツか。
そんな強ぇなら、なんであたしだけ訓練に出されなかったんだか...」
「よせって。こちとら他の3人だけでも手一杯だったんだぞ?」
マックスは両腕を新品へと取り替えながら、頸をポリポリと掻くように腕の動作を確認した。
「実力隠しといてよく言うよ。
おっさん、録画映像をさらっと見てみたが...あんた、本調子で戦ってなかっただろ?」
「へへ、バレちった?」
ミレニアム最強の目は誤魔化せない。
「そうだったの!?戦った時、調子が悪そうな感じはしなかったけど...」
「コンディションそのものに不調はなかったよ。正確には『フルパワーを出すだけのリソースがない』ってのが実際のとこだな。
俺の装備は性質も相まって、とにかく燃料を食う。
ここに来る前なら、金に物言わせてガンガン消耗できたんだが...いかんせん今の俺じゃあ、そん時程のエネルギー源を確保するのは到底無理だな。」
マックスはC&Cの銃を修復しつつ、全盛期の力がないことが心底不服そうに答える。
マックスはキヴォトスに漂流して以来、自身の工房をとんとん拍子に発展させてきたが...都市時代に比べればまだまだ資産は二束三文にすぎない。
莫大なエネルギーを利用すれば一級フィクサー相当の戦闘力を誇っていた彼も...今やエネルギーを使い渋るしかない状況である。
「チッ...お互い本領が発揮できてねぇみてぇで、余計にもどかしいったらありゃしねぇ。」
自身が参加できなかった事が一層悔しく感じたようで、ネルはじれったそうに足元の小石を蹴った。
「まあ、お互い飛車角に頼らない戦い方が板に着いたんじゃないか?」
「リーダーが不在の状態で任務にあたることは何度かありましたが...
今回の訓練のように、強力な勢力と三名以下で正面衝突することはありませんでした。
かつてないシチュエーションを想定していたという意味では、この上なく有意義であったといえそうですね。」
「ぶっつけ本番で急成長って訳か。
やっぱり凄ぇじゃねぇの、C&Cってさ。」
「当たり前だ!他でもないうちのエージェントだ、やれば不可能なんてねえんだよ。」
屈託のないネルの微笑みからは、部員達を誇りに思う様子がひしひしと伝わってくる。
「...よし。これで全員分だな。こっちの銃には疎いんでな、動作確認は頼んだ。」
「本当にすぐ直っちゃった...不思議だよね、その工具!」
「ここじゃ売ってない貴重品だ。下手にいじるなよ?」
アスナが奇妙な工具に興味深々な中、アカネの声が割り込んでくる。
「皆さん、会長より緊急連絡が入りました。旧ビル屋上までヘリが手配されるとのことです。」
「そうか。総員、出動準備だ。」
激戦の後だろうと、エージェント達は気を緩めずに支度を始める。
「あたし抜きのC&Cはこんなもんじゃねえ。次に戦る時はフルメンバーでボコボコにしてやる。
あんたもたっぷり燃料用意しとけよ!」
「言われずとも。少なくとも失望はさせねぇぞ?」
「部長に同じ。次は絶対に勝つ。」
「学園外部にあなたのような猛者がいたとは...我々もまだまだ井の中の蛙に過ぎないのだと実感しました。
本日は誠にありがとうございました。
またの機会にも、誠意をもってご奉仕させて頂きます。」
「またね〜!こういう機会じゃなくても、会えたらいっぱいお話しよう!」
そうして、C&Cの面々は威風堂々とした背中で任務へと向かっていった。
(仲間への信頼が厚い子達だった。本物の絆を見たのはいつ振りだろうか。
いや、やめておこう──)
虹爆ドローン
動力に虹漿を使用することによって、外部からの攻撃をさらなる動力と火力へと変換する自爆ドローン。
例によってマックス個人の発明品である。
爆発を光剣を破裂させる最小限の威力へ抑える代わり、爆風の有効範囲が格段に向上した。
都市要素が薄いですねぇ...
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他の都市民を転移させろ!
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翼の勢力をキヴォトスにも!
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L社由来のアレコレを放つのです
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市民をねじれさせればおk
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語録差し込む程度でええんちゃう?
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んなもん持ち込むなオイ。