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【増える外国人出生数】全体平均は3%だが地区によっては5人に1人は外国人の子ども

荒川和久独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター
提供:イメージマート

外国人人口も出生数も過去最多

出入国在留管理庁の統計によれば、2025年6月末時点の在留外国人数は395万6619人となり、過去最多を更新した。昨年末から5.0%増で、日本の総人口に占める割合は3.2%となった。

外国人の総人口が増えれば、当然外国人の出生数も増える。

人口動態調査によると、2024年の外国人出生数は2万2878人で、こちらも少なくとも統計の残るここ何十年の間では過去最多である。全体の出生数に占める外国人出生数の割合も3.2%で、人口割合と同じである。

ちなみに、人口動態調査における外国人出生とは、「両親とも外国籍」か「嫡出ではない子のうち母が外国籍」の場合を「日本における外国人の出生」と定義されている。人口動態速報値では、出生数はこの外国人出生数も含んで発表されているが、確定報においては日本人だけの出生数となっている。

外国人出生数の推移

1999年からの外国人出生数の推移をみると2010年あたりまでは毎年一定で、増えもせず減りもせずという状態だったが、2014年に出生数約1.5万人となって以降、急激に増加している。日本人の出生数がこの間減少し続けているのとは対照的である。

対照的といえば、日本人の出生数はコロナ禍において大きく減少した。これは、コロナ禍による各種の自粛によって婚姻数が減ったことに起因するのだが、逆に外国人出生数はこの間に大きく増加した。

コロナ禍前の対2019年比で2024年の出生数を見ると、日本人出生数は21%減であるのに対し、外国人出生数は25%増である。

要するに、今日本で生まれてくる赤ちゃんの100人に3人は外国人の赤ちゃんということになるのだが、日本全国平均して3%というわけではない。都道府県によって、多いところと少ないところがある。

都道府県別の外国人出生比率

都道府県別に、2014年と2024年の外国人出生比率を比較したものが以下のグラフである。

2014年も2024年も比率の高いところは一緒だが、全体的に関東と中部地方が高く、東北や中国、四国、九州地方は低い

2014年にもっとも外国人出生比率が高かったトップ3は、群馬、三重、愛知だが、2024年は群馬、千葉、愛知となっている。

群馬に関しては、外国人出生比率は6%を超えており、全国値の倍近い。

この10年の比率増減をまとめたものが以下のグラフだ。

破線で示した増減全国平均値を超えているのは、8エリアしかなく、外国人出生数が増えているところには偏りがあるようだ。ちなみに、増加率トップ3は千葉、群馬、埼玉と関東地方が独占している。

誤解ないように、出生比率はあくまでそれぞれのエリアの総出生数に対する割合なので、外国人出生の絶対数が多いのは当然人口の多い東京である。

地域によって格差が大きい

都道府県別ではこのような値になるが、さらに細分化して市町村レベルに落とすとより地域差が激しい。

人口動態調査に基づいて、日経新聞が試算したデータ(出生数100人以上の市町村だけを抽出)によれば、もっとも外国人出生比率が高いのは、埼玉県蕨市で21.8%である。実に、生まれた子の5人に1人は外国人ということになる。

写真:イメージマート

その他にも、岐阜県可児市が19.8%、愛知県西尾市が14.1%、千葉県成田市が13.9%、埼玉県川口市が12.7%など、市町村レベルではすでに10%を超えている場所が多い。が、その反面、ほとんど外国人のいないエリアも多く存在し、居住地によって感じ方は大きく違うことだろう。

今後の見通しと課題

出入国在留管理庁によると、今年末の外国人の総人口の見通しは415万人という。これは前年比にすると10%増にもなる。

外国人人口は2024年が単年で34万人増えているように、毎年30-40万人ずつ増え、一方で日本人人口はこれから毎年90-100万人ずつ減っていく。香川県や秋田県の全人口が毎年全部なくなるようなものとなる。

日本人が減少するのは、60万人台しか生まれてこない少子化というのもあるが、それ以上に高齢化の当然の帰結として毎年死亡者数160万人を超えるためである。そして、これは今後少なくとも50年近くは続くことになる、

つまり、たとえ外国人が増えなくても、大幅に日本人が減るために、外国人比率は上昇するのだが、外国人が増えればその上昇幅はさらに急激になってしまう。

このままのペースだと、2030年には外国人比率は5%を超え、2040年代には10%を軽く突破するだろう。10%超えは2070年頃と予測していた社人研の推計よりかなり早いペースとなる。

夏の参院選以降外国人政策について注目されているが、長い年月をかけてじっくり増えるのならまだしも、あまりに急激な増加は欧州諸国の例を見てわかる通り懸念がある。日本人にとっても、入ってくる外国人にとっても、双方に問題を生む可能性が高い。

そうなってしまう前に早急に検討すべき課題であると思われる。

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独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

広告会社において、数多くの企業のマーケティング戦略立案やクリエイティブ実務を担当した後、「ソロ経済・文化研究所」を立ち上げ独立。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者としてメディアに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』『結婚滅亡』『ソロエコノミーの襲来』『超ソロ社会』『結婚しない男たち』『「一人で生きる」が当たり前になる社会』などがある。

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