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抱っこひもからの赤ちゃん落下、7割は「隙間からのすり抜け」…「のけぞる」「おんぶする時」も

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 親が着用した抱っこひもから赤ちゃんが落下する事故が後を絶たない。安全な使い方を専門家に教わった。(金来ひろみ)

 今の抱っこひもは、幅の広いベルトを親の腰に回して締めるタイプが主流だ。外出時に便利な一方、事故も少なくない。国民生活センターが全国約30か所の医療機関を通して集計したところ、2019年度から5年10か月の間に発生した落下事故は138件。9割は0歳児で、その中でも3か月以下の赤ちゃんが半数を占めた。138件のうち15件は骨折、22件は頭蓋内損傷という重いけがだった。

「腰や肩への負担を減らすために、腰のベルトは高い位置で締めましょう」と話す深井さん

 落下事故のうち7割は親が抱っこひもを着用している状態で発生していた。最も多いのは抱っこひもの隙間をすり抜けて落下する事故。親がストラップを緩めていたなど、誤った使い方が目立った。

 子どもの事故に詳しい国立成育医療研究センター副院長、植松悟子さんによると、落下した高さの平均は約95センチだった。植松さんは「抱っこひもが赤ちゃんの体格に合っているかどうかを確認することが大切だ。赤ちゃんと親、抱っこひもの間に隙間ができないように着用してほしい」と呼びかけている。

事故につながりやすいパターン

 国内外の抱っこひもメーカーでつくる「抱っこひも安全協議会」の広報担当で、「ベビービョルン」代表の深井誠さんによると、赤ちゃんが落下しかねない「ヒヤリハット」には3パターンあるという。〈1〉すり抜け〈2〉赤ちゃんののけぞりや親のおじぎ〈3〉おんぶ、だ。同協議会が昨年度に行ったアンケートでは、約8600人のうち3割にヒヤリハットの経験があった。

 ストラップを緩めると、親と赤ちゃんの間に空間ができて赤ちゃんの体勢が崩れ、隙間からすり抜けやすくなる。ストラップを緩めて休みたい時は、緩めてすぐにいったん赤ちゃんを下ろし、抱っこし直す時に締め直すと安全だ。

 赤ちゃんがのけぞるとバランスが崩れて落下しやすい。親がおじぎをしたり前にかがんだりする時も、赤ちゃんが抱っこひもから飛び出す恐れがある。このような時は赤ちゃんの頭を手で軽く押さえるようにしよう。かがむ時は膝をつくようにすると、親の体が安定するし、万が一落下した時も低くてすむ。

安全なおんぶの方法

 赤ちゃんをおんぶする時は、ソファやベッドなどに抱っこひもを置いて赤ちゃんをのせ、親がしゃがんでおんぶする。立ったままおんぶしようとすると、赤ちゃんのバランスが崩れて落下する危険がある。

 同協議会のアンケートでは、お下がりや中古の抱っこひもを使っている人の割合は15%で、前年度より高まっている。ヒヤリハットの経験者は、新品を購入した人よりもやや多かった。説明書がついておらず、読まないまま使っていることが原因とみられる。説明書は、同協議会や各メーカーのウェブサイトに載っているので読んでおきたい。

 深井さんは「使い慣れないうちは、家族や周囲の人に協力してもらい、正しい方法で抱っこできるようにサポートしてもらってほしい」と話している。

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