3年ラノベ新人賞受賞をめざし、最終選考に落ちて諦めるまでのまとめ【改訂版】
まず前提として、こちらは別に持っているブログからの引っ越し記事なので、「どっかで似たような記事、見たな」という方はスルー推奨です。改めて見直した際に思い出したことを加筆・修正していますが、内容は以前の記事と大差ありません。
以前の記事はこちら。
※どちらも本記事へリダイレクトされてしまうので、中を見ることはできないのですが。
あと今回の記事では、はてブのコメントにも回答しようかなと思うので(今更?)、はてブのリンクも貼っておきます。
では、ここから本題。
0. 取り扱い上のご注意
最高成績は「最終選考・落選」のため受賞の参考にはならないこと。
あくまでもライトノベルの新人賞・公募が対象であること。
筆者の経験則であり、一般論ではないこと。
とにかく記事が長いこと(2万文字近くあります)
1. 筆者のスペック
2013年5月、会社を退職。貯金が尽きるまでニートをやると決めて、ライトノベルの新人賞受賞をめざしました。結果、約3年で貯金が底をつき、第9回GA文庫大賞(後期)に応募したのを最後に終了。2017年1月より会社員に戻りました。
ニートになる直前のラノベ新人賞に関連しそうなスペックは、大まかに以下のような感じです。
小中高はゲーマー。RPGと格ゲーと落ちゲーにはまります。親の財布から金を抜き取ってゲーセンに入り浸ったくらいにはゲーム中毒者でした(もちろんバレて、こっぴどく怒られました)
ライトノベルは1冊だけ読んだことがありました(『BACCANO!』)。それに感動して「ラノベ作家めざしたい!」と思ったのが、新人賞をめざしたきっかけです(つまるところ、この時までライトノベルにそこまで興味はありませんでした)
大学卒業直前まで小説は嫌いでした(学校の授業で先生から「こう読みなさい」と押しつけられることに納得がいかなかったため)
漫画は、中学時代に週刊少年ジャンプを、高校時代からジャンプ、マガジン、サンデー(いずれも週刊)、ガンガン、ガンガンWING、月マガ、マガジンGREAT、いくつかの青年誌(ヤンマガなど)などを読んでいました。好きだった作品は『封神演義』『BLEACH』『アイシールド21』『GetBackers』『鋼の錬金術師』『海皇記』『Q.E.D.』『はじめの一歩』など。
アニメは、中学時代まではジャンプ作品を見る程度。高校時代からマガジンとガンガン系列の作品が追加。視聴は週に3本くらい。大学時代以降は全く見ていませんでした。
映画は、見ていませんでした(幼少期にドラえもんやクレヨンしんちゃんを見たり、金曜ロードショーでやっていたアニメ映画を見たりした程度)
ドラマは、全く見たことがありませんでした。
仕事は、教育系(公文的な会社や予備校)や人材系。出版関係やwebメディア関係、ゲーム関係やアニメ関係の出身ではありませんでした。
2. 取り組んだ期間
2013年5月〜2016年11月(3年半)
ただ、2014年8月〜2015年4月(9ヶ月)は、知人の仕事の手伝いに集中していたため、ほとんど活動していません。
以下、本題です。
3. ラノベ作家をめざそうと思った経緯
それまでラノベにさしたる興味もなかったのに、なんでめざそうと思ったのかを簡単に書いておきます。
すでに上にも書きましたが、成田良悟さんの『BACCANO!』があまりに面白くて、「こういうのを書くのを仕事にできたら、楽しいのかなぁ」と思ったのがきっかけです。
当時、仕事が面白くなくて(正確には、仕事がというよりは、会社の環境に魅力を感じなかった)、また上司とも反りが合わなくて、全くやる気が出ませんでした。
そんな中、友人(面白いサブカルをいろいろ紹介してくれる間柄でした)から「これ面白いから読んでみ!」と勧められたのが『BACCANO!』。とりあえず買って読みはじめたところ、一気にハマってしまいました。で、安直にも前述のように考えて、ラノベ作家という夢を抱くようになります。年甲斐もなく。
その矢先、会社で結構な事件が勃発(さすがにここには書けないレベルのなかなかヤバい話)。それに嫌気が差して、上司に辞表を提出。引き止めを固辞して、引き継ぎだけして早々に会社を辞めました。
そうしてニートになり、ラノベ新人賞をめざして修行生活に入りました。
4. 取り組み01 - 読む・分析する
というわけで、いざ修行生活がスタートなのですが、まずそもそも自分が戦うフィールドについて知らなければ始まりません。孫氏曰く「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」。というわけで、まず相手を知ることからスタートしました。ラノベ未経験の自分には、己を知るための材料がないので、そちらはとりあえず放置です。
というわけで、まずどんなレーベルがあるのかを調べ、次に「相手(=各レーベル)を知るためには、どんなラノベを買うべきか」という購入方針を考えました。貯金も時間も有限のため、無駄には使えません。
結果、以下の2つの基準を設けました。
各レーベルの人気作(主な基準はアニメ化されたかどうか)
新人賞受賞作(とりあえず過去5年分。1巻だけでもいいから読む)
前者は「そのレーベルが面白いと考える作品がどんなものか」、後者は「そのレーベルの新人賞の傾向」を知るのが目的です。
ちなみに、3年半で読んだラノベは合計191冊。ラノベ以外の小説も合わせると240冊。週に1冊、読んだ計算です(平日のみ読むとして)。実際には仕事の時間や執筆用の資料を読んでいる時間が別にあるので、2〜3日に1冊くらいのペースだったと思います。
具体的にどんな感じで分析していたのかというと、それが下のエクセルです。
縦には「人物」「カテゴリ設定」「第一章」などの分析項目が大分類と中分類で、そして横には作品名が並んでいます。たとえば「人物」の欄には、主人公とヒロインの特徴などがざっと並んでおり、作中に該当する要素が出てくれば◎を、出てこなければ×を記入。こうして各作品にどんな要素が盛り込まれているのかを見ていき、作品の傾向を掴もうとしました。
もっともこのエクセル、正直あまり役に立たないと思い、わりと早く廃止しました。とにかく項目が多すぎて、結局何が大事なのかという全体観が見えなかったので。
そして、色々と考えて悩んで、最終的に以下の4点に絞って分析するようにしました。
キャラクター
設定・世界観
ストーリー
文章・表現力
色々な新人賞に応募して返ってきたレビューの評価項目を参考に、この4つに統一しました。その下で分析を重ねた結果、自分なりに導いた各項目のポイントは次の通りです。
キャラクター
魅力的なキャラクターが登場するかどうか
キャラクターに感情移入できるかどうか
設定・世界観
設定・世界観にオリジナリティがあるか
設定・世界観にリアリティがあるか、矛盾がないか
設定・世界観それ自体に惹かれるかどうか
ストーリー
冒頭の展開に惹きこまれるかどうか
中盤はテンポ良く進んでいるかどうか
終盤に惹きこまれるかどうか
先が読める話の展開になってしまっていないかどうか
キャラクター小説になっているかどうか
文章・表現力
基本的な文章力があるかどうか
リズムの良い文章になっているかどうか
文章や表現が心に響くかどうか
以下、個別に見ていきます。
01-01. キャラクターについて
キャラクターにおいて最も大事なのは、「魅力があるか」と「感情移入できるかどうか」の2点だと考えていました。
まず前者。キャラクターの魅力を構成する要素として、次の14項目を定義しました。
人称
一人称、二人称、三人称をそれぞれ考える(単複含めて6通り)
言葉づかい
特徴的な語尾や口癖を考える
趣味
ストーリー中でのキャラクター像とのギャップをベースに考える
特技
ストーリー中での特技と、日常での特技を考える
欠点
ストーリー中での欠点と、日常での欠点を考える
好きなもの
ストーリー中でのキャラクター像とのギャップをベースに考える
嫌いなもの
同上
大切なもの
キャラクターの性格・価値観の根幹をなすものを考える
性格・価値観
キャラクターの喜怒哀楽における特徴を考える
目的
ストーリー中でのキャラクターの行動基準を考える
葛藤
ストーリー中でのキャラクターの葛藤する要素を考える
ルックス
髪型、顔、体格、服装など外見的特徴を考える
家族構成
そのまま
セリフ
ストーリーと上記設定をもとに喜怒哀楽4つを表現するセリフを考えてみる
そして、各項目を具体化する上で基本としていたのは、テンプレとギャップと極端さです。外見と内面それぞれにテンプレ属性を与え、ギャップはその掛け合わせで引き出す、極端さは与えた一属性を突き抜けさせる、そんなイメージです。要は、大事なのは、お約束を守ることだと考えていました。
中には「お約束って飽きられていて評価されないのでは?」と思われる方がいるかもしれません。ただ、筆者自身の応募経験からいきますと、お約束を守ってからキャタクターの評価が一気に上がりました(5段階中4から5に)。このとき、ほかに変えた点がなかったので、上記の理屈には一定の信憑性があるかなと思っています(新人賞にもよるとは思います)
続いて後者。
感情移入で必要なのは目的と葛藤と考えていました。具体的には、
軍人A
目的:母国の平和を守るために戦う
葛藤(困難):無能ばかりの上層部に邪魔されたり侮辱されたりするが逆らえない
幼馴染B
目的:現れた恋のライバルに勝つ
葛藤(困難):相手のほうがハイスペックで劣等感に苛まれる、そんな自分が嫌だ
作家志望C
目的:どちらが先にデビューできるか競っている友達より先に受賞する
葛藤(困難):友達がネット小説で人気者になり嫉妬、そんな自分が嫌だ
盗人D
目的:病気で苦しむ妹の治療費のために1億ゴルドを貯める
葛藤(困難):妹のためとはいえ悪事に手を染め続けることへの罪悪感が堪え難い
こんな感じです。なお、この後者に関しては、ラノベ作家の広岡威吹先生がブログで拙作にコメントしてくださった内容をベースにしています。広岡先生、改めてありがとうございました。気になる方は以下の広岡先生のブログをご覧ください。
なお、筆者の書いた内容が、イコール広岡先生のお話ではないという点はご注意ください。
01-02. 設定・世界観について
設定・世界観は、オリジナリティ、リアリティ、魅力の3点を重視していました。これは各レーベルから頂いたレビューをベースにそう判断しました。
a. オリジナリティについて
主に以下の4つの観点からオリジナルな設定を考えていました。
他媒体をあたる
自分の知識を生かす
既存ジャンルの近場
逆転の発想
a-1. 他媒体をあたる
漫画、アニメ、ゲーム(エロゲーやインディーズゲームなども含む)、同人誌、ラノベ以外の小説など、ほかの媒体で流行している一方、ラノベであまり目が向いていないジャンルを探しました。具体的には、以下の図のようなイメージです。
a-2. 自分の知識を生かす
携わっている仕事やはまっている趣味など、自分が詳しい世界を作品のテーマにするのも一つの手だと考えていました。なにか一つのことに変態的なまでに詳しいことは、それだけでオリジナルだと思っているので。既存作を例示しますと、
同人:冴えない彼女の育てかた
将棋:りゅうおうのおしごと!
SE:なれる!SE
獣医・医療:モンスター娘のお医者さん
自衛隊:ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり
政治:大日本サムライガール
少ないですけど、こんな感じです。昔の記事だから、ラインアップにちょっと時代を感じますね。今ならどんな作品が上がるんでしょうか?
ちなみに、もちろん単に知識を生かすだけでなく、それを魅力的な作品へと昇華しなければなりません。
a-3. 既存ジャンルの近場
既存ジャンルと類似のテーマで、まだラノベではあまりふれられておらず、時流的にも合っており、他媒体で一定の評価を得たジャンルは、わりと狙い目ではないかと考えていました。
既存のジャンル:将棋
既存人気作:りゅうおうのおしごと!
近場のジャンル:囲碁
既存のジャンル:SE
既存人気作:なれる!SE
近場のジャンル:ハッカー
既存のジャンル:政治
既存人気作:大日本サムライガール
近場のジャンル:経済
将棋の近いジャンルは囲碁や麻雀、チェスなどがあります。囲碁は当時、井山七冠が国民栄誉賞を受賞したのもあり、世間的な認知度も上がっていました。過去には『ヒカルの碁』など人気作もありましたね。
SEに近いジャンルは、ハッカーなどが魅力的なテーマかと思います。マガジンで連載されていた『BLOODY MONDAY』、とても面白かったです。
政治に近いジャンルは、経済でしょうか。経済小説は数え切れないくらい出ていますし、漫画もけっこうありますね。
なお余談ですが、このa-3.の方法、1.の方法との違いはなにかと思われるかもしれません。結論、特にありません。1.は何もない所から探す、3.は起点を設けて探すという違いがあるくらいです。
a-4. 逆転の発想
これは設定それ自体でオリジナリティを考えるときの方法の一つです。たとえば、この世に当たり前に存在するものを無くしてみるなど、発想を逆転させると新しい世界観が切り開けることは意外と多いです。
ちなみに筆者は、ジャンルそれ自体でオリジナリティを出そうとする傾向が強いため、その手の方法が創作の大半を占めています。こうした設定などでオリジナリティを考える方法は、正直あまり知りません。
b. リアリティについて
まず前提として、世界観・設定を構築する上では、ロジックとリアリティの2点を重視していました。
ロジック:キャラクターの言動などに設定・世界観に則った論理的な一貫性がある。
リアリティ:設定・世界観の枠を外れないキャラクターの言動やストーリー展開である。
ロジックは、書いてある通りですので割愛します。
リアリティは、要は「設定を逸脱した描写はNG」ということです。よくいわれるものとして「後づけ設定」があります。具体的には、下図のようなイメージです。
もっとも、右の掛け合わせケースも、それはそれで唐突感があるので、事前に布石を打っておく必要はあると思います(そうした裏があることを事前に匂わせておくなど)
c. 魅力について
最後に3点目の魅力です。これは簡単で、いくら真新しいジャンルでも読者が惹かれないと意味がないということです。つまり、先にご覧いただいたジャンル選びの模式図は、以下のように修正できます。
なおこのとき、少数でいいから熱狂的な大ファン=たまらない人にはたまらない作品をつくることが大事だと考えていました。要は一点突破・全面展開です。
01-03. ストーリーについて
序盤、中盤、終盤の3ステップに分けて考えていました。
a. 序盤について
特に意識していたのは、作品世界に惹きつけること、そしてそこから離脱させないことの2点。そのため、冒頭で設定説明や平凡なシーンは描かず、たとえば以下のようなシーンから開始するようにしていました。
エロ:性的興奮を誘発する シーンからはじめる(食傷具合に注意)
謎:謎めいた要素を提示して気を惹く
驚き:いきなり主人公が死ぬ、バラバラ死体が登場する
興奮:バトルシーンなどそれ自体に興奮するシーンからはじめる
王道:突然ですが転校生を紹介します的な(食傷具合に注意)
世界観の魅力:世界観・設定の魅力で読者の気を惹く(説明過多に注意)
ほかにもいろいろあると思います(というか、あります)。人は「どんなに見ないよう頑張ったところで、食べ物やセックスや危険にはついつい目が行ってしまう」(Susan Weinschenk『100 Things Every Designer Needs to Know About People』邦題『インタフェースデザインの心理学 ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針』より引用)生き物だそうですから、食べ物や猟奇的なシーンなどもいいかもしれません。
b. 中盤について
ここは、自分でもよくわかっていないので割愛します(ほかの部分は完璧というわけではもちろんありません)。もしそれでもご覧になりたいという方は、後ほどリンクするslideshareをご覧ください(本記事の内容について、より詳しくまとめてあります)
c. 終盤について
とりあえず「熱量を最大に」ということだけ意識していました。
ほかにも「キャラクター小説になっているか」とか「先の読める展開であってはならない」とか「セリフでストーリーを進めようとしない」とか、考えていたことは色々あるのですけど、上手いこと言語化できないので割愛します(いつか機会がありましたら)。こうしてまとめ直してみると、あんまり考えて書いていなかったんだなと思うばかりです。
01-04. 文章・表現力について
文章力は、次の3つの技術を身につけるように意識していました。
読める文章を書く技術
読みやすい文章を書く技術
読ませる文章を書く技術
読める文章とは日本語として正しいかどうか、読みやすい文章とはリズムが良いかどうか、読ませる文章とは心に響くかどうかが判断基準です。
a. 読める文章=日本語として正しい文章について
次のような点に注意します。
誤字脱字:表記に誤りはないか、送り仮名が落ちていないか、など。
見慣れない単語:刹那、剣戟、裂帛、証左など読みにくい・意味がわからない可能性が高い見慣れない単語は使わない、など。
閉じ開き:読みにくい表記を開く、など。
不可解な文章:表現に凝りすぎて意味のわからない文章になっている箇所はないか、など。
伝わらない比喩:地獄のような暑さ、頭が割れそうに痛いなど、そもそ理解できない比喩や体験者以外にわからないたとえ、など。
このあたりは作品の雰囲気や個々人の好みが反映される部分だと思うので、適当に読み流していただければと思います。
ちなみに閉じ開きに関しては『記者ハンドブック』を参照していました。正しく読みやすい日本語を知る上でとても便利です。ただお高いですし、そこまでする必要あるの? とも思います。気になる方がいればご参考までに。
b. 読みやすい文章=リズムが良い文章について
文章を読むリズムは、ロジックとフィーリングの2つの面から生まれると考えています。
【ロジック】
展開の矛盾や論理的な違和感を与えないようにします。展開に矛盾があったり論理的な違和感があったりすると、読者は立ち止まってしまう=読んでいてリズムが悪くなります。
具体的には、必要な設定の説明が漏れていたり、その順番が前後して矛盾が生じていたりといったことがないように意識します。
【フィーリング】
読者を飽きさせないような文章にします。一例を挙げますと「同じ要素を繰り返さない」があります。以下のような感じです。
文末:同じ文末が連続しているとリズムが悪い。
ex. 〜した。〜した。〜した。
文章の長さ:同じ長さの文章が連続しているとリズムが悪い。
単語:同じ単語が連続しているとリズムが悪い。
助詞:同じ助詞が連続しているとリズムが悪い。
ex. 学校の友だちの家の近くの公園。
接続詞:同じ接続詞が連続しているとリズムが悪い。
ex. 〜した。そして〜した。そして〜だった。そして〜。
ほかにも「副詞や形容詞を使いすぎない」とか「"また"や"そして"などはなるべく使わない」とかありますが、ぜんぜん整理できていないので割愛します(こちらもいつの日か機会があれば)
c. 読ませる文章=心に響く文章について
ここに関しては、ベンチマークする作品を決めてとにかく真似しながら、自分なりに分析していきました。スピード感を出すには、短文を改行してつなげる、読点を極力使用しない、など。
ただ、ここもまだ言語化するには感覚値すぎるので、割愛でご容赦いただけましたら(割愛ばかりですみません)。スピード感にしても、短文を改行しないでつなげて長文化しても演出できると思っており(※)、振り返るとまだまだ分析が足りなかったなと感じます。
※:How physical text layout affects reading from screen(Mary C. Dyson 2004)によれば、The results showed that the number of characters per line affects reading rate with the longest line read faster than the shortest line tested. とあります。ただ、これは英語圏のネットコンテンツを対象とした論考のため、小説に応用できるかは要検証(個人的には参考にはなる印象)
なお参考までに、ベンチマークしていた作品の一例は、以下のような感じです(敬称略)
バトル:「スカイ・クロラ」シリーズ(森博嗣)、『りゅうおうのおしごと!』(白鳥士郎)、『マルドゥック・スクランブル』(冲方丁)など
シリアス:『ザ・ロード』(コーマック・マッカーシー)、『ハーモニー』(伊藤計劃)など
サスペンス:『ジャッカルの日』ほか(フレデリック・フォーサイス)、『新世界より』ほか(貴志祐介)、「廃園の天使」シリーズ(飛浩隆)など
このような感じで、シーン・ジャンルごとに何作品か用意しておいて、該当するジャンルの作品を書くときは、事前に何回も読み直していました。選定の基準は単純に自分が気に入ったかどうかです。
以上、ざっくりですが、こんなことを意識しながら作品は書いていました。
ちなみに、ここまでの内容を詳しくまとめたものを以前、slideshareにアップしたので、気になる方はそちらをご覧ください(後ほどリンク置いておきます)
5. 取り組み02 - 真似する
4. と一緒にやっていたことが、気に入った作品を真似することです。この目的は大きく3つあります。
見出し4.で分析した結果を自分のなかに落としこむ
自分なりに創作しやすい方法論を探す
執筆体力をつける
1.について
上記の分析内容を自分の力とするためには、当然ですが書かなければいけません。また書くことが分析にもなるので、相互補完的な意味もあります。
2.について
作品を書いていると、筆がまったく進まなくなることがありました。筆者の場合、キャラクターがセリフを喋るときに「……この子、どんな口調でしゃべるんだろう?」と困ることが多々。
こうした壁にぶつかるのは、事前の準備が不足しているから。言い換えれば、この作業によって「プロットの段階でどんな情報を、どの程度まで考えておくべきなのか?」を見極められます。それが、この作業です。このあたりは、また別の機会でもあれば、書こうかなと思います
3.について
ラノベ1冊あたりの文量は、だいたい10万文字から15万文字くらいかなと思います。それだけの文量は、そもそも書き切るだけでも大変です。そうした相応の文量を書き切る地力をつけるための作業です。
ここで意識していたのは、たとえ面白くなくても、とにかく書き切ること。理由は特にないのですが、強いて言えば、立てた目標をやり切る癖をつけるため。あとは途中で止めると、応募作が用意できずにレビューが手に入らなくなるため。そんなところです。
ちなみに、なぜ自作を書くのではなく既存作の真似から修行を始めたのかですが、勉強のためです。学校の授業でも、いきなり問題を解くのではなく、まず先生からいろいろ教えてもらい、それから実践練習に入ると思います。理屈はそれと同じです。先生=既存作の真似を通じて、キャラクター、ストーリー、設定・世界観、文章の4点について教えてもらうことからスタートしました。
このあたりは、人それぞれ合ったやり方があると思います。いきなり実践のほうが合っている方も多いでしょう。筆者は小さいころから親に「勉強でもスポーツでも真似が上手い人が成長する」と教わって育ったので、真似からスタートする癖がついているので、こういうやり方になりました。
なお、真似からスタートする場合、基本的にはご自身の好きな作品を選んで問題ないとは思います。ただ、構成が特殊だったり、ストーリーが奇抜だったりする作品は避けたほうがいいかなと。筆者は当時『デュラララ!!』が大好きだったので、同作の真似から入りましたけど、キャラクターがぶっ飛んでいたり、群像劇だったりで、正直分析に苦労しました。素直に『SAO』とか選んでおけば良かったなと、振り返ると思います(もっとも、SAOにもSAOなりの難しさがありますが……)
努力の大筋はこのような感じですが、ここから少し細かい話をいくつか。
補足01. 磨くべき力の優先順位について
キャラクターを最優先としていました。理由は「ラノベはキャラクター小説であるべきだから」です。キャラクターの評価が低いと、それだけで受賞は難しくなると考えています。
筆者はいろいろな新人賞に応募した中で、次のようなイメージを持っています。
作品A
キャラクター:5
ストーリー:3
設定:3
文章:5
総合評価:A
選考結果:最終選考落選
作品B
キャラクター:3
ストーリー:3
設定:5
文章:5
総合評価:A
選考結果:二次選考落選
上記評価はサンプルです。実際の評価とは異なります(評価は外に出してはいけないので、評価項目および評価内容はサンプル化してあります)
要は「キャラクターが高くないと、いくら他が高くても、一次や二次で落ちることは普通にある」です。実際、キャラクターが3で他の項目が4〜5、総合評価A(受賞まであと一歩みたいな感じ)だったのに、二次で落選みたいなことは普通にありました。
よって、キャラクターの創作力を何よりも磨くことを意識して、それ以外の項目については正直、自由でよいかなと思っていました。キャラクター評価が5なら、ほかは5段階評価で3くらいでも十分だというのが分かっていたので、あまりガチガチには決めていませんでした。
補足02. 努力する上で意識していたこと6点
以下のとおりです。
一つずつコツコツ変える:すぐに、一気に、劇的に変えようとしても絶対にうまくいきません。
不足点を意識する:ゴールを明確に意識しないと、努力が無駄に終わります。
自分に適度に甘くする:厳しすぎる目標やノルマは逆効果です。
周りを気にしない:したところで得るものはほとんどありません。
素直になる:自分の不足を真摯に認めることが努力のスタートです。
断捨離:創作活動の妨げになるものをすべて周りから排除します。
詳しくは先のslideshareの資料に書いてあるので、そちらをご覧いただけましたら幸いです(上記以上のことは、あまり書いてないのですけど……)
補足03. PDCAのうち最も重要なのは「D」
努力する上で大切なのはPDCAを心がけることですが、特に大事なのは「D」だと思っています。PはDを重ねた結果、見えてくるものですので、Pから始めてもあまり得るものはありません。CとAはいわずもがなDの後にしかこないので、Dから始めるのが自然だと思います。
5. 取り組み03 - 応募する
初期の頃は真似がメインですが、とはいえ応募して現状を把握しないといけないので、応募用の作品も別に書きます(実際には真似した作品を応募するという、あまり褒められないことをしていました)
応募に際して意識していたことは、次の2点です。
3ヵ月に一度は応募する
応募作品を自己分析する
1.について
理由は、PDCAを回す速度を早めるためです。なぜこれを意識したのか、その理由は以下の2つです。
既存のラノベファンと違って経験がない
レビューが返ってくるまでに半年近くかかる
筆者はラノベを書くどころか読んだことがありませんでした。つまり、スタートで完全に出遅れていました。だから、ほかの応募者よりPDCAを早く回す必要がありました。
ですが、新人賞に応募してレビューが返ってくるまでには、だいたい3ヵ月から4ヵ月くらいかかります。つまり1回でも応募を逃すと、それだけPDCAサイクルを回すのが遅くなってしまいます。
よって、なるべく早く・多くのレビューを集めるに、短期間に応募する癖をつけていました。簡単にいえば、"quick and dirty"を意識していました。
ゆっくり・完璧に(slow and perfect)を心がけても、あまり良いことはないと考えています。
2.について
当然、振り返ります。この目的は2つです。
PDCAサイクルを回す速度を早めるため
自作を客観的に評価する眼力を身につけるため
特に後者が重要です。
レビューなしで面白い作品とそうでない作品の違いを知るためには、自分の目で世の中の作品を評価できる眼力をつけるほかありません。言い換えれば、そうした眼力(というか感性)を持つことで、自作を客観的に捉えられるようにもなり、PDCAサイクルを回すスパンを早めることができます。
そこで、まず自分の応募作の良かった点と不足している点を、応募前に洗い出しておきます。そしてレビューが戻ってきたら、その内容と自己分析を照合します。こうして作品を客観的に見る目を養っていきました。
余談
筆者は修行開始当初、MF文庫に集中的に応募していました。理由はレビューの数が欲しかったからです。
筆者はなぜかMF文庫の一次選考とだけは相性が良く、通過率は100パーセントでした(なお、二次を突破したことは一度もありません)。そのため一度の応募で必ず3人の方からレビューをいただけました。
レビューは返却までに数ヵ月かかります。ですが、それを待っていてはPDCAが回せません。そこで筆者は、一度の挑戦で手に入るレビューの数をなるべく最大化していました。
このとき重要になるのが、一次選考の通過率とコメントの件数です。MF文庫は当時、年4回開催のためレビューの返却も4ヵ月(当時)と早く、二次選考落選でも3名の方からレビューをいただけました。よって、PDCAを加速させる上で最適な新人賞でした。
力を磨く上で頼りになるのは、やはりレビューです。そのため自分が確実に一次選考を通過できる新人賞を用意しておくのも、成長を加速させる上では大事なことだと思っています。壁にぶつかったとき、その賞に応募して自分を振り返るといったこともできるかもしれないですし。
(もっとも、編集部の皆さんとしては、そんな目的で送られるのは甚だ迷惑だとも思いますが……)
6. 取り組み04 - 自分の活動内容を記録する
エクセルに各月の自分の活動内容や気づいたこと、疑問点などを思いついた端からまとめていました。大体、下図のような感じで。
レビューには大抵、大きな視点(ストーリー構成やキャラクターの印象など)からのコメントが書かれています。ですが、たとえば「ヒロインをもっと可愛く」と書かれた場合、それをどう自作に反映させるのかが問題となります。
そうした、レビューでいただいた大きな視点からのコメントを、実際に作品レベルに落としこむために必要な知識や技術は、上図のような日常の中での小さな気づきや疑問から得られることが多かった気がします。
7. 筆者の創作の流れ
ここまで創作全体の概念的な話が中心でしたが、ここでは具体的に筆者が最終選考作をつくったときの流れについて、簡単にまとめてみたいと思います。
全体の流れは以下のような感じです。
応募作は帆船×軍略がテーマだったのですけど、これは「ほかの媒体(マンガや映画など)で一定以上の評価をされている作品が存在する」そして「なにより自分が好きである」ジャンルを探した結果です(前述の通りです)
筆者が帆船を好きになったのは、月マガで連載されていた川原正敏先生の『海皇紀』に大ハマリしたのがきっかけです。もともと『修羅の門』『修羅の刻』が大好きで、中学時代に『海皇紀』の1巻が発表されたときも、当時は帆船にまるで興味ありませんでしたが(というか海や船が嫌いです。怖いので)、ハマりにハマりました。
『海皇紀』は1,000万部を超えたので、帆船というジャンルは世間的にも(上手いことターゲットや見せ方がハマれば)ヒットする可能性があるため勝負できると判断。問題はラノベの読者層でその可能性がどれだけあるかなのですが、当時中学生の自分がハマった経験もあったので、芽はあるだろうと半ば期待をこめて判断しました。
ただ、帆船だけではさすがに引きが弱すぎるとも思ったので、世界観にはド定番の「異世界転移」を選びました。また戦闘も大砲などではなく魔法にしました。これはラノベに寄せたというのもありますが、海戦の戦略論を書きたかった都合と相性が良かったから、という理由もあります。
なお、以前にこの記事を公開したあと、朝起きたら知人からチャットワークで速攻ツッコミが入ったのですが、帆船ネタは意外とあったそうです。ガバ調査乙。「このあたりの記事でも読んで出直せ」と怒られました。
たしかに結構あります。いやはや。これが広岡先生のブログにもある『蒼海ガールズ』見落とし事件の顛末です(応募先はGAでした)。しかも一番好きなライトノベル作家が白鳥士郎先生というファン失格っぷり。当時、存じ上げたばかりだったのですよ……と言い訳しておきます。
次の情報収集については、以下の5つの情報源を使い分けていました。
入門書:テーマに関して広く浅く学ぶ上で有益です。基本的にはここからはじめていました。
専門書:テーマに関して狭く深く学ぶ上で有益です。入門書を辞書がわりにすると読みやすいです。
webサイト・ブログ:テーマのなかのある特定事項について深く知る上で有益です。情報が体系化されていないため、入門には適していません。
論文:読むには専門的な知識が必要ですが、ほかでは手に入らない情報や視点が手に入ることが多いです。
実体験・経験者:生の声を入手できます。ネットや本には出てこないオリジナルな情報が手に入る可能性が高く、一番おすすめです。
基本的には上記にもありますが、入門書を辞書がわりに専門書を読むというスタイルで勉強していました。これが個人的には最も効率が良かったです。
ちなみに、筆者はゼロから作品世界を考えられないので、海戦とかスパイとか郵便とか、なにかしら具体的なテーマを設定して作品を書いていました。そして、そのテーマについて可能な限り(目安、周りが引くくらい)詳しくなろうと心がけていました。
ただ、ここで注意なのは、あまりにマニアックな世界に詳しくなっても、たぶん受賞は厳しいということです。筆者が最終選考まで進んだ作品は、上記の通り帆船時代の海戦の軍略をテーマにしたものでしたが、編集部のツイッターで「あまりに本格的すぎて一般受けするか微妙だから、受賞は厳しそう」的なコメントを頂きました。
ちなみに、その自分の作品宛と思われるツイッターのポストは今もすぐに見つかるのですが、いちおう「レビューは公開しないでね」がルールなので、ここでの共有は控えさせていただきます(編集部員の方のポストも、いちおうレビューかなとは思うので)
とにもかくにも、GA文庫大賞はわりと挑戦的なジャンルの作品が多いと思っていたので(『のうりん』とか)、応募前は大丈夫じゃないかと踏んでいたのですけど、そう都合よくはいきませんでした。よって全体的に専門性が強すぎるとアウトだと思われます。見せ方を工夫しましょう、という話ですね。
さて、情報を集めたら構築です。作品にとりかかる前に準備していたものは、以下の5つです。
地図:世界地図、国内地図、主な舞台の地図の3つ。
年表:出来事年表、キャラクター年表の2つ。
設定資料・専門用語集:文化、服飾、町並み、魔法体系など世界観に関わ要素についてまとめた資料。
キャラクター:先に挙げた14要素と履歴書。
ストーリー:あらすじと箇条書きベースの概略の2つ。要はプロット。
このあたりも人それぞれやりやすい方法があると思います。大事なのは、いろいろ取り組んでみて、その方法を見つけることではないかなと(先に「真似する」の段で書いた「自分なりに創作しやすい方法論を探す」とは、要はこの方法を見つけるという意味です)
それぞれ具体的にどんなものを作っていたのかまとめようと思ったのですけど、そろそろ疲れてきたので、いつか気が向いたら追記します(特に書けることもないので、このままフェードアウトの可能性が大です)
8. それ以外に思うところをなんとなく
以上がざっくりとですが、意識していたことです。ここからはそれ以外に思うところをなんとなく五月雨でまとめていきます。ただの思い出話・備忘録ですので、特に読む価値はありません。
01-01. 成長するにつれて立ちはだかった3つの壁の話
当初、成長するほどに作品を書くのは楽になるだろうと思っていました。ですが、いざ蓋を開けてみると決してそんなことはなく、逆に驚きました。
特に筆者が苦労したのは、以下の3つの壁です。
第一の壁:自分の作品がつまらないと感じる
第二の壁:退化する
第三の壁:感覚的に理解できても、頭で理解できない不足点に気づく
1.について
前述のとおり、PDCAサイクルを早く回すための一手として、自分の作品を客観視する目を養うようにしていました。その影響なのか、いつからか自分の作品を「つまらない」と感じるようになりました。
最初期は正直なにを書いても面白いと感じていました(怖いもの知らず)。ですが、あるころから急に、なにを書いてもそこまで面白いと感じなくなりました。結果「これを応募してもなぁ……」と逡巡することが増え、何ヵ月も応募しないという空白の期間ができます。
また、書いても面白いと思えないから、書く気力もどんどん削られていきました。この時期は正直とてもつらかったです。
2.について
レビューや自己分析を踏まえて発覚した不足点は補う必要があります。ですが、不足点はイコール不得手な点であるため、埋めるには相当な時間が必要です。
しかし、不足点を補うことに集中していると、それまで普通にできたことができなくなってくることに気づきました。要は退化です。
そうなると不足点がさらに増えて、その穴埋めに余計に時間がかかるようになります。そうこうしているうちに締め切りはやってくる・・・もう踏んだり蹴ったり。
3.について
これは少し経ってからぶつかった壁なのですが、感覚的に「ここがなんか変なんだよなぁ」とわかっても頭が理解できない、その「変」の正体が言語化できないということが増えました。
もうこれ以上は手の打ちようがないとわかるのなら、そこで諦めがつくので楽なのですが、なまじ「足りない点がある」ことだけわかってしまうのは、かなりキツかったです。まだ改善できる点があるから諦めたくないのです。ですが一方で、その正体がつかめないため、なにをどうすればいいのか分からない……。
01-02. チャンスを逃すのは怖い
一度の応募機会を逃すことが、かなり怖かったです。当時すでに20第後半で年齢も年齢だし、そんなにチャンス多くないだろうし。だから、チャンスはあるうちに手にしないとまずいと思うようになりました。
01-03. チャンスを逃すのは怖い、という意識はまずい
ただ、そのチャンスを拾うべきかどうかは、また別の問題です。この恐怖に負けて応募することが目的化してしまったら意味がありません。
たとえば、自分が納得していない出来の作品を、締め切り(=チャンスをつかむこと)を優先して、そのまま応募しても良いのか? 個人的に答えは否でした。一度でもクオリティを落として締め切りを優先すると、おそらくクオリティより締め切りを優先する癖がつきかねないと感じたからです。
人間、落ちるのは簡単。そして一度でも落ちると、人はどんどん自分に甘くなります(と個人的には思っています。さながらダイエットのように)
そんな理由で、あえて応募を断念したことも結構ありました。ですが、それによって生まれるのが「チャンスを逃したことの不安」。このジレンマもわりと地味にきつかったです。
01-04. どんなことでも本気でやっていれば、意外と次につながる
ニートになって以降、周りの知人に「ラノベ作家になりたいんすよねぇ。それでいま、ニートになって修行していまして」などと言っていると、なぜか周りが面白がってくれました。そして仕事をくれることも増えました(たまに日銭を稼ぐためにライター業をしていました)。曰く「普通のライターと仕事するより、そういう良い意味で馬鹿なやつと仕事したほうが楽しい」という人がけっこういました。
結果、あるネットベンチャーのメディアの副編集長を委託されたり(その会社が上場するという素晴らしい機会にも立ち会えました)、書籍のゴーストライターも経験できました(2度)。また、あるラノベをきっかけに畜産系メディアの副編集長になったりもしました。
そんなこんなの経験から、どんなことでも本気でやっていれば、そこに魅力を感じてくれる人が意外といるのだなーと思いました。
ちなみに、2017年12月に諦めて就活をしますが、このときも「ニートになってラノベ作家めざしてました」という話(要はここに書いた話)だけしていましたが、わりとすんなり内定を頂けました。大学生のときは、200社を超える会社を受けても内定が出ず、自殺志願者を助けている千葉県の僧侶さんのところへ駆けこもうとするくらいの就活弱者だったんですが、いやはやわからないものです。
あと、先ほどから何枚か貼っているスライドのおかげで、再就職後にパワポの資料の作り方やセルフマネジメントについて講演したり、大学で授業することになったりしました。人生とは不思議なものです。
9. 最後に過去の応募歴と実績でも
過去に応募した新人賞と、その実績は以下のような感じです。わりと大したことないです。
1:第10回 MF文庫J ライトノベル新人賞(第3期) - 二次選考・落ち
2:第1回 オーバーラップ新人賞 - 一次選考・落選
3:第4回 講談社ラノベ文庫新人賞 - 一次選考・落選
4:第11回 MF文庫J ライトノベル新人賞(第1期) - 二次選考・落選
5:第2回 集英社ライトノベル新人賞(後期) - 二次選考・落選
6:第11回 MF文庫J ライトノベル新人賞(第4期) - 二次選考・落選
7:第12回 MF文庫J ライトノベル新人賞(第2期) - 二次選考・落選
8:第5回 集英社ライトノベル新人賞(前期) - 二次選考・落選
9:第9回 GA文庫大賞(後期) - 最終選考・落選
ご覧のように、一次・二次落ちのラッシュです。というか、結局10回も応募してなかったのかと、わりとびっくり。
ちなみに、このあと諦めきれずに、もう一度だけ応募しました(第9回 集英社ライトノベル新人賞 前期)。結果は前期最終(四次選考)落選。ちなみに見栄を張りたくて、いつも四次選考ではなく前期最終と言っています。
はい、以上です。受賞をめざして頑張る皆さんにとって、一つでも、少しでも有益な情報が含まれていたら幸いです。殴り書きしているのと、途中で疲れて大いに省いた部分とかあるので、意味不明だったり無益だったりする箇所も多々あると思いますが、甘受いただけますと幸いです。
最後に参考資料として、この約3年の取り組みをまとめたslideshareを載せておきます。こちらにもっと詳しく書いてあるので、よろしければ。
ここから下は、当時に頂いたブコメのいくつかに回答するだけなので、本題はここまでです。こんな垂れ流しの長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
10. 当時のブコメにいまさら返信してみる
せっかくなので、いくつか返信してみようと思います。コメントは全て、以下のはてなブックマークより引用します。
この人が書くべきなのはこういう記事ではなく3年半夢見た33歳がどうやって就職できたのかではないだろうか
→機会があれば、その記事も引っ越そうと思います。
一番肝心な、なんでラノベ作家になりたかったのが書かれていない。興味も読んだこともないのに
→上に追記しました。もっとも、「衝動的でした」程度で、大した内容ではないのですが。
会社辞めるまでろくに小説読んだこともなかったのに、リサーチしたにしてもいきなり書けると思ったその自身の根拠が知りたい。
→自信はありませんでした。「なりたい」と思っただけで、「なれる」とは思っていませんでした。
努力はすごいけど車輪の再発明みたいなことしてるなと思った。前半のシナリオやキャラ分析とかウラジーミルプロップとか読めばもっと簡単だろうし…。方向性のもったいなさ感じる。
→自分でやりながら方法論を構築していくのが最適解なタイプの人間なので、書籍などから先人の知恵を借りる道は当初から考えていませんでした。あと根が昭和な人間なので、自分で苦しんで苦しんで考え抜いた経験が最大の武器になるとかいう古臭い考えに縛られている影響もあると思います。
世界観やキャラクターの設定や歴史とかプロットとかをまるっとまとめるのにアウトラインプロセッサあると便利だよね
→メモ帳で頑張ってました……。
「蒼海ガールズ」という帆船+男の娘で正面突破した作品があってな… 次作の農業+高校でアニメ化され、今は将棋+ロリで正面突破してる作家もおるんやで
→もう勘弁してもろて……。
今頃読んだ。小説家よりも編集者の方が向いてんじゃねえ?
→出版社ではないですが、いまWebメディアで編集者やってます。
李徴じゃないんだし、創作のために全て排すこともなし、これからも仕事しながら無理せず時間かけて書いてからいいの出来たら送るでいいと思うのだがな。その方がインプットも増えるわけで。
→ニートになってまでやることではないですね、ホントに。ちなみに今は趣味でのんびり好きなもの書いています。
ラノベ新人賞受賞を目指すラノベが書けそう。
→次の泣きの一回の応募作が、まさにそれでした。
ラノベに対するメタゲームを楽しんでる感
→正直、その面は多少なり、ありました。
同じようにプロ目指すのと同時に創作をはじめた身としては、お疲れさんと言いたい。 俺はもうしばらくがんばってみるよ。
→いまどんな感じでしょうか? 願わくば目指した道がかなっているのを勝手ながら祈っています。



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