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消える心と暖かい温もり・秋鷹 菫 8話 後編
前編を同時に投稿しているので、必ずそちらからご覧ください
菫視点
電車に揺られながら、隣のつよにぃに寄りかかると、つよにぃは顔を真っ赤にながら頬をかいて、握っている手をきゅっと、離したくないと言わんばかりに強く握ってくる
それが何だか嬉しくなって、ニコニコしながら、ボクも力を入れ握り返す
「ふふん♪つよにぃかわいい♪」
「なんだよそれ……かわいいなんて言われても男は喜ばないぞ」
そう言いながらそっぽを向くけど、頬が緩んでいるのが隠しきれていない
そんな姿を見てると胸がきゅんきゅんして、幸せな気持ちになる
「あ、着いたよ。降りよっ」
そう言ってボクはつよにぃの手を引っ張って、一緒に電車から降りる
「うーん、ちょっと早かったんじゃない?まだ30分前だよ?」
そう言いながら遊園地の入り口を見ようとしたら、つよにぃに少し強い力で引っ張られて、物陰に連れ込まれた
「おっとっと……つよにぃどうしたの?」
「えっと…………そう!急にキスしたくなってさ!」
こういう顔をする時のつよにぃは大体何か隠している
まあ多分いたんだろう和也が
だから30分時間潰して、少しでもボクを独占したいんじゃないかな?
自惚れすぎかな?
でもそう考えるだけで子宮がキュンキュンして、少し下着が濡れてきた
「うん、いいよ♡時間まで一杯キスしよっ?」
そう言うと、つよにぃはボクにいきなりキスしてきた
ボクはつよにぃの背中に手を回しながら、つよにぃのキスを受け入れる
「んっ♡ちゅっ♡ちゅっ♡ーーはぁ♡あむっ♡ちゅっ♡くちゅ♡ちゅぅ♡ちゅっ♡」
それからボクは腰が抜けるまでずっとキスされ続けていた
時間の感覚が曖昧になった頃、つよにぃは唇を離した
ボクは頭が蕩けちゃって、しばらく放心していた
地面に座っている事にすらしばらく気付かなかった
「あっ♡……キス終わっちゃった?……なんでやめちゃったの?」
「ほ、ほら……もうあと時間5分くらいしかないから……ほら、立って?」
「あっ……そ、そうだったね」
そう言いながらつよにぃの差し出した手を掴んで立ち上がった
まだ足がプルプルして、油断したらまた腰が抜けちゃいそうだから、つよにぃの胸に寄りかかって、つよにぃの心臓の音を聴きながら、落ち着くまでそうしていた
「ふぅ……もう大丈夫。ありがとね」
「そっか……あと3分しかないぞ……」
そう言われたが、つよにぃから感じる温もりから離れるのが、何だか無性に寂しくて、ぽつりと溢した
「ーーー行きたくないな……」
するとつよにぃはボクを抱きしめようとして、唇を噛み締めてそれをやめた
ボクはそれを見てすごい罪悪感を感じた
慰めようと思って、つよにぃの唇から流れ出た一筋の血を舐めとり、最後に触れるだけのキスをして、つよにぃから離れた
「ごめんね?変な事言って。これはボクが本当につよにぃのものになる為に必要な事だと思うから……だからつよにぃはボクの帰りを待ってて?ちゃんとボクはつよにぃの元に帰るから……」
そう言ってボクは、つよにぃに背を向けて駆け出す
「ごめんね、待ったかな?」
「ううん、そんなに待ってないよ。それより顔真っ赤だけど大丈夫?熱でもあるのか?」
そう言いながらボクに近づいておでこを触ってきた
つよにぃとずっと抱き合っていたからつよにぃの匂いするかも、と思って慌てて距離をとった
「だ、大丈夫!……えっと……多分……走って来たから、そのせいだよ!」
そう言いながら、上着でパタパタと火照った身体を冷まそうとする
すると胸に視線を感じて和也を見てみると、ボクの胸をじっと見ていた
「もう……どこ見てるの?」
「ご、ごめん!」
「まあ男の子だからしょうがないよね。でもあんまりマジマジと見たらダメなんだからね」
そう言いながらボクは、上着のジッパーを上げて肌着を隠す
つよにぃ以外に見られても、あんまり何とも思わないなと思いながら、つよにぃは嫌がるだろうからちゃんと隠す
それからボク達は遊園地に入って、和也にどれに乗りたい?って聞かれたけど、昨日あらかた乗ったからなぁって考えながら、キミが乗りたいのに乗ってみたいと言った
和也は楽しそうにしていたけど、やっぱりボクは何となく物足りない
表情には出さないようにしてたけど、大丈夫かな?
夕暮れまで遊んだボクらは、最後に観覧車に乗ろうと和也に提案された
するとボクは、自分でも驚くほどの声が出た
「ダメッ!」
「え?」
ボクは、自分でもなんでこんな声が出たのか一瞬分からなかった
でもすぐにわかった
ボクはつよにぃとの思い出の場所に、踏み込んでほしくなかったんだ
恋人である筈の和也にすら立ち入って欲しくなかったんだ
でも和也がこっちを見て、怪訝そうな顔をしているのに気づいたボクは、慌てて言い訳を考え始めた
「あ…………えっと……乗るのがダメっていうんじゃなくて…………えっと……だから…………その…………っ!ボク高所恐怖症でさ!ジェットコースターとかは大丈夫なんだけど観覧車みたいなのはちょっと苦手でさ、景色見れなくて多分ずっと目瞑ってると思うからさ、一緒に乗っても楽しくないよきっと!」
どもった後に凄い早口で乗れない理由を捲し立てる
和也は納得したような顔をして頷いた
「そこまで言うなら無理に乗せるわけにはいかないな。じゃあ晩ご飯でも食べに行こうか」
どうやら怖いんだと、ちゃんと勘違いしてくれたらしい
ボクは思わず大きなため息をついてホッとした
ボク達は遊園地を出て、自宅の最寄り駅の近くの喫茶店で晩ご飯を食べていた
「でさ、ーーーあいーーさ……」
「うん……」
ボクはずっとボーッとしながら今後の事を考えていて、生返事をしていた
「ーーーたの?何だかボーっとしてるけど」
そう言われてボクははっとして、申し訳なさそうな顔をして顔の前で両手を振る
「えっ?あ、ごめん!なんでもないの、なんでも」
そう言いながら、流石に少し申し訳ない気持ちになった
ボクはポケットに手を入れてコンドームを掴む
つよにぃとする時は、アフターピルを貰っているから、生でやっても問題ないし、それにつよにぃの子供だったら……
ボクは顔を真っ赤にして変な考えを打ち消す
何か言おうとしている和也に向かって慌てて話しかける
「あっ!あのさっ!……えっと、この後なんだけどさ……ちょっと寄りたい所があって…………その……ボクら恋人でしょ?えっと……今日は、お互い家族が家にいるでしょ?……だから……その…………まだ帰りたくないなって……」
「えっと……それって…………つまりホテルに……」
そう言われて、少し恥ずかしくなって、ボクは顔を赤くしてこくんと小さく頷き、コンドームを取り出して和也に押し付けた
受け取った和也は顔を耳まで真っ赤にしていた
それからボクらはすぐに喫茶店を出て2人並んでホテルに向かった
つよにぃにはああ言ったけどやっぱりちょっと怖くなってきた
近くのラブホテルについて看板を見上げると、ここはつよにぃのいるホテルだと気付いた
ボクは、ここならいざとなったらつよにぃが助けてくれると思い、少し安心した
ボクは和也の後にシャワーを浴びて身体を清めて覚悟を決める
ボクは置いてあるバスローブを裸の上に来て和也の元へ向かう
ボクはベットに座る和也の横に座り、バスローブをぱさりと大胆に脱いで上目遣いに誘った
「えっと……キミの好きにしていいよ?」
そう言った瞬間、和也に押し倒されて、胸を握り潰されるんじゃないかってぐらいの力で揉まれた
「痛っ……ちょ、ちょっと落ち着いて?痛いよ……」
「ご、ごめん……でももう僕我慢できないっ!」
そう言って和也は鼻息を荒くしてコンドームをつけようとしている
ボクはその和也のおちんちんを見て驚ろき呟いた
「えっ?……それで勃起してるの?…………ちっちゃい……」
思わず口に出てしまい、慌てて和也を見たが、コンドームを付けるのに必死で気付いていないようだ
それにしてもコンドームのサイズがあっていない
つよにぃから渡されたのって、どのくらいのサイズのなのかわかんないけど凄くぶかぶかだ
何とか付けているようにも見える形になった頃、ボクの足を手で開いて、全く濡れていないボクのおまんこに入れようとする
全く濡れていないのに入るはずがなく、入れるのに失敗した時に思いっきりクリトリスを擦られて激痛が走った
(痛い!痛い!痛い!やっぱりこんな事しなきゃよかった!和也を裏切って、つよにぃにワガママ言って裏切って……そんなボクにバチが当たったんだ……ーーっ!痛っ!もうやだ……)
「ちょ、ちょっと待ってっ!痛っ!痛いって!ねえ、お願いだから落ち着いてっ!」
そう叫び、涙を流しながらも、ボクは止めようと、和也のおちんちんを握った
すると急に和也の肉棒が震えた
「えっ……?」
ボクは困惑して涙を流しながら和也を見ると、凄く気持ち良さそうな顔をしていた
涙を流しているボクに今更気付いたのか、慌てて和也は離れた
その時ぺちゃっと音がしてコンドームが外れた
ボクはそれを見てようやく射精した事に気づいた
「ご、ごめん……僕こういうの初めてで……本当にごめん」
「う、ううん……いいの…………初めてなんだからしょうがないよね……私も上手く出来なかったし……」
ボクは謝る和也を見て、少し冷静になった
涙を拭いて、ちゃんとセックスして全て終わらせようと思い、和也の萎えたおちんちんに手を伸ばす
「ほら、もう一回やってみよ?次は上手く出来るかもしれないし」
そう言ってボクはおちんちんを揉み始めるけど、ピクリとも動かない
何か間違ってるのかな?それとも緊張で勃たないのかなって思って聞いてみる
「あれっ?……どうしたの?緊張してるの?」
「えっと……ごめん菫。男は一回出したらしばらくは勃起出来ないんだ……」
そう言われてボクの中で何かが切れた
ちゃんとセックスしたら、もしかしたら和也の事がやっぱり好きだったんだって思うかもしれない
そう思って我慢してやってきたのに、肝心の和也とセックスをする前に全てが終わった
ボクの中から和也に対してあったはずの恋心が全て、冷めて消えて…………無くなった
「えっ?…………そっか……普通は一回で終わるんだね…………つよにぃが凄かっただけなのかな……?」
「本当にごめんね……?次はうまくいくように頑張るよ!」
「う、うん……次はきっと上手く出来るよ…………じゃ……じゃあボク、シャワー浴びてくるね………………次なんて……あるわけ無いよ……」
そうボクは呟いた
和也が何か言った気がするけど、もうどうでもいい
ボクの呟きが聞こえていたとしても、もうどうでもいい
早くシャワーを浴びて身体を綺麗にしたい
こんな汚れたボクでもつよにぃは愛してくれるかな?
他人の手垢がついた身体でも愛してくれるかな?
早くつよにぃに会いたい……
今日の事全部忘れさせて欲しい……
「つよにぃ……早く会いたいよ……」
そう呟きながら涙を流した
2人でラブホテルを出ると、ボクは和也の方を見ないで言った
「じゃあ……ボク…………ちょっと寄る所あるから……バイバイ和也…………告白された時だけは……たぶん好きだったよ……」
タイミング良く車が通って、ちゃんと聞き取れなかったのか、勘違いして的外れな事を和也は言った
「そっか……僕も好きだよ……じゃあまた明日な」
そんな事を言った和也を無視して、つよにぃが待っているであろう駅前に向かって全力疾走で向かった
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荒い息を吐きながら駅前に着くと、ボクはつよにぃをすぐ見つけた
心配で落ち着かないのか、あっちこっちウロウロしているつよにぃは凄く目立っていた
そんなつよにぃの姿を見ただけで、何だか嬉しくなって涙が出てきた
つよにぃはボクをすぐに見つけてくれた
ボクの涙を見てぎょっとしたような顔をしてるのが、何だかおかしくて、思わず吹き出してしまった
つよにぃは真っ直ぐこっちに駆けて来て、泣いているボクをギュッと抱きしめてくれた
少しだけ苦しかったが、それだけで凄く幸せな気持ちになり、ボクもつよにぃの背中に手を回して抱きしめ返した
「ど、どうしたんだ?大丈夫か?」
「うん……大丈夫…………つよにぃ…………好き……大好き…………愛してる……」
周りの人達がジロジロ見てくるけど、そんなのどうでもよかった
今はただひたすらに、つよにぃの心臓の鼓動を聴きながら、温もりに包まれていたかった