米国のトランプ大統領は10日、来月から中国からの輸入品に対して追加で100%の関税を課すとした。トランプ氏は中国がレアアース(希土類)の輸出規制を強化したことに反発している。
この輸出規制のほか、中国は、米企業クアルコムを独占禁止法違反の疑いで調査を開始している。この措置により、同社が別の半導体メーカーを買収する動きが停滞する可能性がある。
また、中国は船舶に対して新たな港湾使用料を課すと発表した。これには、米企業が所有または運航する船舶が含まれ、米国が悪影響を被るかもしれない。
こうした一連の中国の措置に対し、トランプ氏は、「中国では非常に奇妙なことが起きている!」「(中国は)とても敵対的になっている」「(世界を)人質に取ろうとしている」と非難した。
中国の言い分としては、軍事目的での利用防止のためというが、レアアースは自動車やスマートフォン、その他多くの民生製品の重要な部品となっている。10月末に韓国で予定されている中国習近平国家主席とトランプ氏との対面会談で、中国が優位に立ちたいのだろう。
トランプ氏も負けていない。100%関税のほか、全ての重要なソフトウエアへの輸出規制や、ボーイング製航空機部品の輸出を止める可能性も示唆し、10月末の習氏との会談を取りやめるかもしれないとしている。
といっても、会談は開かれる可能性が大きいだろう。トランプ氏が「開催されるだろう」と語っているからだが、どのようなやりとりになるのかは分からない。
習氏はアドリブが下手で官僚が用意したものを読み上げるスタイルである。できるだけ交渉の手を広げて、落としどころを探るのではないか。
中国は、レアアースなどの特定重要資源の生産において世界で圧倒的な地位を占めている。それをトランプ氏を激怒させないように、どのように使うのか。
トランプ氏は交渉好きなので、いろいろと両国で報復合戦の様相になるのは歓迎だろう。そして彼は負けを認めない。そのたびに株式市場は右往左往させられ、相場は乱高下するだろう。
日本としては、米中首脳会談の直前に日米首脳会談がある。日本の海洋資源であり排他的経済水域に豊富に眠るレアアースの日米共同開発などを打ち出したら、日米同盟の強固なつながりにもなり、面白いのではないか。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)