「ワッ……ワァ………」
『セ、セリカちゃん………』
3回目だ。涙目のセリカを目撃するのは、これで3回目だ。なおその内の2回はあなたが原因である。
………所で何処となくセリカの顔面のパーツが中央部に収束している様に見えるのだが、これはあなたの見間違いなのだろうか。
………。どうしても、と言うならばあなたが持つ『お守り袋』を貸すが。これを使えばヘイローを持つセリカ達キヴォトスの住人でもタリスマンの効果を引き出せる……かも知れない。
「ほ、ほんとに……?」
多分そうだ。部分的にそうだ。
特に自信は無いし確証も無いが、物は試しだ。是非試してみて欲しい。
あなたは『義手剣士の伝承』を回収し、自身の持っていたお守り袋をひとつとタリスマンをひとつ、セリカに渡した。ホシノ先輩に渡した『竜印の大盾のタリスマン』である。
「ありがと」
「いや〜、この景色も久しぶりだねぇ……」
久しぶりの景色。
確かに言われてみればそうだ。視界いっぱいに広がる一面の砂。見るのはキヴォトスに来た時以来か。
「先輩は、ここに来たことあるの?」
「うん。前に生徒会の仕事で何度かね〜。もう少し進めばそこにはなんと、かつてアビドスの砂祭りが開かれていたオアシスが……!完全に干上がった姿でそこに……!」
「砂祭り……。私も聞いた事がある。アビドスの有名なお祭りで、すごい数の人が集まるって」
祭り。砂地で、多くの人が集まる、祭り。
あなたの脳裏に、ある記憶が再生される。
懐かしい。本当に懐かしい。
『ラダーン祭り』。今は亡きあなたの戦友/相棒、戦士の壺アレキサンダーや半狼のブライヴ達と共に挑んだ、彼の大英雄『将軍ラダーン』に誉れある最期を与えるべく、城主ジェーレンによって開催された『祭り』だ。
あなたはラダーンの持つ大ルーンを求めこの祭りに参加した。ついでに仕えていたラニの運命を動かす為に。
『ついでか。私の事はついでだったのか我が王』
………思い返すのはここまでにしよう。ここまでにするから脳内のジェーレンはちょっと黙っていて欲しい。
『ラッダァァァァァァァァァァンッフェスティボオオオオオオオオゥ!!!!』じゃない煩いやかましいフランベルジュを振り下ろすな!その振り下ろしに当たって自分がラダーン祭り最速死亡の記録を打ち立てた事まだ忘れて無いからな!?だからあの時貴公に敵対したんだぞ!?あの一回が無ければギリギリ10回未満に収まったんだからな!?
………………。
「ほ、星見がまた凄い顔してる……」
「わ……分からないよ………おじさんには星見君の地雷がどこに埋まってるのか全然わからないよ………」
「前方に複数の敵です!皆さん、戦闘態勢に!」
アヤネからの警告を受け、あなた達は戦闘態勢に入る。
さて、今度は何を使おうか。またあの手持ち大砲を使うのも良いが、既に『復讐の誓い』の効果は切れている。今はFPは温存しておきたいので、大人しくリボルバーか弓矢を使おう。
敵の数は20程。オートマタとドローンで構成されている。
あなたは空を飛ぶドローンに、銃による射撃をお見舞いした。未強化の武器にしては高い威力を発揮してはいるが、手持ち大砲や強化済みのロングボウに比べると威力が出ていない。
早急に武器の強化が望まれるが、残念な事にあなたの鍛冶能力ではほんの少ししか強化を施せないし、まだ強化を請け負ってくれる鍛冶師も見つけていない。今は別の物を使おう。
敵の数が大分減ってきた。あなたは滑車の弩に爆発ボルトを装填し、盾を構えるオートマタ兵に射撃する。3連射されたそれは爆発と共にオートマタ兵の体勢を崩し、明確な隙を作り出した。
「!」
対策委員会のメンバーが、その隙を逃す筈は無い。
セリカの放つ無数の銃弾が突き刺さり、オートマタ兵は沈黙した。
この攻撃により彼女は弾切れを起こしたらしい。銃をリロードするが………
「"セリカちゃん、後ろ!"」
「っ!」
彼女の背後で、一体のオートマタ兵が銃を構えていた。
弩の再装填は終わっている。あなたはすぐさま狙いをつけ、射撃した。
3連続の爆発により、やはり敵は体勢を崩し、大きな隙をさらす。今のうちに距離を取ってリロードか誰かの支援を───
「ふんッ!」
ゴッ!
右肩でのタックル。
「せいッ!」
ガッ!
左手での掌底。
「はぁッ!」
ドンッ!
締めの背撃。
セリカの怒涛の3連撃により、最後の敵であるオートマタ兵は見事にスクラップと化した。恐ろしい。何が恐ろしいってあの一発一発があなたを瀕死に追い込める程の威力を秘めている事だ。
キヴォトス人の膂力。なんと恐ろしい……!
「ふぅ〜、決まったわね……!」
『あ、あれは……!以前セリカちゃんが悪質な勧誘に引っかかった際に、5万円と引き換えに習得した連撃………!』
「"え、そんな事があったの……?"」
『はい、星見さんがアビドスに来る前の事ですが……』
成る程、道理であなたが知らない訳だ。彼女があの様な近接攻撃を使えるなど……。
……待てよ?近接、攻撃?
あなたの顔面から血の気が引いていく。
なんとあなたは接近戦で用いる武器を装備していなかったのだ。エルデの王が聞いて呆れるうっかりミスである。後方での支援に徹しているとはいえ、敵が近寄ってこない、という保証は無い。
しかし何を使おうか。月隠を持つのも良いが、そろそろあれを振るうのも飽きてきた。束の間の月隠を放つのにもFPが必要であり、そのFPは現在枯渇気味だ。勢いで『復讐の誓い』を使ってしまった今、不測の事態に備え、FPは温存しておきたい所だが………。
そうだ。あれを使おう。あなたにとって特別な意味を持ち、最も思い入れのある武器の一つ───
『ふふ。ようやく我が暗月のお披露目、という訳だな?』
───ショートソードだ。
『おい』
『聖句の盾』と共に、狭間の地にやって来たばかりのあなたの接近戦を支えたこの武器は、ロングソードなどに比べると少々リーチに劣るものの、かなりの取り回しの良さを誇るのだ。
………。さっきから何だ?何か聞こえるような気がする。幻聴だろうか。
「"うん?いや、特に変わったものは聞こえないけど……"」
「……そうか」
セリカ曰く『撃たれた時、いつもより痛く無かった!これのお陰ね!ありがとう!』との事で、お守り袋があればキヴォトスの住人でもタリスマンの効果を引き出せる事が判明した、その後。
「こんなの、昔は無かった……」
あなた達は、砂漠にあった謎の施設を訪れていた。
『昔は無かった』とホシノ先輩が言ったということは、これらの建造物が出来上がったのは2年以内、という事になる。ここまでの規模の建造物をたったの2年以内で作り上げるとは、相変わらずキヴォトスの技術には舌を巻くばかりだ。
などと考えていると、あなた達に無数の銃弾が襲いかかる。誰か、あるいは何かからの攻撃だ。威嚇射撃だったようで、幸い誰にも当たる事は無かったが───
しかし、それは明確な敵対行動であった。つまり戦闘の始まりである。
3つあった透明文字で書かれた文、キミは読めたかな?
もしも主人公がやって来たのが、原作開始前(アビドス編が始まる前)のゲヘナだったら?
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給食部ルート
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激長!便利屋ルート
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やっぱり激長!風紀委員会ルート
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全部書いて♡