遺族反発のNHKドラマ、「あまり前例がない」制作形態ににじむのは
田玉恵美
記者コラム「多事奏論」 オピニオン編集部記者・田玉恵美
先月半ばに放送されたNHKスペシャルのドラマ「シミュレーション」に物言いがついた。舞台となった日米開戦前の総力戦研究所の所長について、史実と異なる描写で歴史をゆがめたと遺族が異議を唱えている。
意外に感じた。NHKと長く付き合う制作会社のプロデューサーいわく「こういう抗議がないよう、事前に異常なほど目を光らせる」のがNHKだからだ。
たとえ仮名で架空の人物だという設定であっても、実在の人物の評価にかかわる可能性があるなら、事前に関係者に理解を求めて話をつけておくのがふつうだ、とNHKの人たちも口をそろえる。
番組を見ると、見慣れないエンドロールに目が止まった。「制作・著作」にNHKと子会社、制作会社のほか、映画の配給会社と映像ソフト販売会社が名を連ねている。脚本・編集・演出は映画監督の石井裕也氏が担当した。放送後に映画化し、その果実を分け合うビジネスの一環だったようにみえる。
■共同制作とは…
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