Nスペドラマ、BPOは討議入りせず 「視聴者に誤解」遺族が要望も
日米開戦前に設立された総力戦研究所を題材にしたNHKスペシャル「シミュレーション 昭和16年夏の敗戦」をめぐり、研究所長だった人物の遺族が抗議している問題で、審議の要望を受けた放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は17日、審議の事前調査にあたる討議に入らない判断をしたことを明らかにした。
番組は8月、ドラマパートに加え、史実を伝えるドキュメンタリーパートもあわせて2夜連続で放送された。ドラマで描かれた所長は政権に「不都合な報告」を上げないよう若手に圧力をかける人物だったが、実在の所長だった陸軍中将・飯村穣氏の実像とかけ離れていると遺族がNHKに抗議。「視聴者に誤解を与える」としてBPOに今月3日付で要望書を送っていた。
BPOのホームページで公表された議事概要によると委員会は、「ドラマであることを理由にいかなる番組を制作しても良いとはいえない」と前置きした上で、「本番組についてはドラマ制作として放送倫理上問題の疑いがあるとまではいえない」と判断。フィクションであることをテロップで明示し、続くドキュメンタリーで実際の所長像とは異なると説明していたとして、「視聴者に誤解が生じない」と結論付けた。
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