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飯村豊氏、NHKに対し「人権侵害について損害賠償請求を行う」意向 「総力戦研究所」題材のNHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」をめぐって

2025年10月14日 18時52分

NHKに対する思いを語る飯村豊氏

NHKに対する思いを語る飯村豊氏

 NHKが8月に放送した戦後関連番組に対し「祖父の人格を侮辱するような内容だった」と8月26日に抗議の会見を開いた元外交官の飯村豊氏が14日、東京都内で「緊急集会!NHKのあり方を考えるシンポジウム~ドラマによる現代史の改ざんは許されるか」を開き、NHKに対して人権侵害で民事訴訟を起こす意向を公表した。
 問題となっているのは8月16日、17日に放送されたNHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」。ドラマパートは猪瀬直樹氏の「昭和16年夏の敗戦」が原案。実在した「総力戦研究所」を舞台に、日本中から集められた若きエリートが、模擬内閣を作り、日本がアメリカと戦った場合のあらゆる可能性をシミュレートしていくという内容。飯村氏は、総力戦研究所の初代所長・飯村穣中将の直孫にあたり、同作は映画化の話も出ている。
 放送前に祖父がモデルとされる人物が部下を圧迫するような存在と表記されていることを知り、NHKサイドと話し合った飯村氏。ドラマパートではフィクションだとテロップで明示、ドキュメントパートでは実際とは違うキャラクターであったと説明を付けることで落ち着いたが、放送を見終わった飯村氏は「ドラマの持つパワーは強く、フィクションかノンフィクションかが不透明。祖父の人格を毀損(きそん)するような描き方はひどい」と抗議の思いを示し、映画化の話も「このままではやめていただきたい」としていた。
 飯村氏は今回のシンポジウムで、改めてNHKの謝罪と訂正を求め、ドラマと同内容のまま映画化することは受け入れがたいという意思、放送倫理・番組向上機構(BPO)への要望書の発出を語り、加えて「民事訴訟で人権侵害について損害賠償請求を行う方向で検討しております」との意向を公表した。日程については「弁護士さんの準備が整えば10月いっぱいには訴えを起こしたい」とした。
 NHKは現在沈黙を守っているが「昨晩、NHKスペシャルの責任者から電話があり、映画化についてお話ししたい」と連絡があったことを明かし、「断片的に映画化の部分だけなら受け入れがたい。全体の話をしたい」と改めて希望を伝えたと語った。
 同シンポジウムでは、ほかにジャーナリストで元BPO委員の斎藤貴男氏が2024年度前期放送の連続テレビ小説「虎に翼」、元NHK報道記者の立岩陽一郎氏が2023年総合で放送され、その後映画化もされた「アナウンサーたちの戦争」についてプレゼンテーションを行った。

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