外国人犯罪の増加で「民間通訳人」の出番が倍増 取り調べを訳すなど重要な役割担うも、言語によっては人員不足…県警「ぜひ応募を」
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外国人が関与する事件や事故で、県警の取り調べや資料の翻訳などに協力する「民間通訳人」の活動が、急増している。2024年度の協力件数は20年度に比べ2倍超に伸びた。新型コロナウイルス禍後の人流回復に伴い、外国人による犯罪の摘発件数が増えたことなどが要因とみられる。ただ、言語によっては話せる通訳人も警察官も不足がちだといい、県警は人員の確保に苦慮している。 【グラフ】民間通訳人の運用実績件数の推移 民間通訳人は外国語の堪能な市民で、県警に登録しておいてもらい、外国人が関わる事件や事故が起きた際に協力する。国籍や居住地は問わず、通訳が本業でなくとも可能で、9月1日現在、英語や中国語、ベトナム語など47言語の計188人が登録している。 県警にも外国語を使える警察官はいるが、対象言語を話せる人を充てられない場合などに民間通訳人の出番となる。 「目の前で本物の手錠を初めて見た時はドキッとしたし、きちんと訳せるか緊張もした」。ベトナム語を使い、県警の勧誘を受けて約3年前に民間通訳人となった下越地方の40代女性は振り返る。 民間通訳人は、容疑者の取り調べに同席してやりとりを翻訳する。容疑者を留置する際の規則の説明や、警察が押収した資料の翻訳など業務は幅広い。後から報復されるようなことがないよう、容疑者らの前では通訳人の名前を呼ばないといった配慮がなされる。 女性は「丁寧に訳すことを心がけており、きちんと伝わった瞬間はやりがいを感じる」という。最近は協力依頼を受けることが増えてきたという。 民間通訳人の協力件数は20年度に768件だったのが、24年度には1580件と2倍以上になった。外国人犯罪の増加が背景にある。 県内の外国人犯罪の摘発件数(刑法犯と特別法犯の合計)は、24年に391件と、20年の180件から2倍以上に増加。国別ではベトナム国籍が最多で24年は339件と大半を占めた。通訳人の協力件数も、24年度はベトナム語が1091件と最も多かった。 ただ県警によると、ベトナム語をはじめ国内で話者の少ない言語の通訳人は不足しがちだ。各言語の人数や不足の度合いは「捜査に支障が出かねない」として非公表だが、県警は特に募集している言語として、ベトナム語やカンボジアのクメール語、フィリピンのタガログ語などを挙げる。 県警教養課では「県民の安心安全を守る仕事に興味があれば、ぜひ応募してほしい」としている。
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