大人になると、自分で計算する機会はそこまで多くありません。
正確な答えが求められる場面では、電卓や計算ソフトを使った方がよいですし、日常の買い物でもざっくりとした計算ができればそこまで困ることはないでしょう。
そこで、頭の体操がてら、ちょっとした計算問題にチャレンジしてみませんか?
問題
次の計算をしなさい。
11+11−11×11
解答
正解は、「−99」です。
あなたの計算結果と一致したでしょうか?
自分で出した答えが違っていた人、計算が難しそうで途中であきらめてしまった人は、ぜひ次の「ポイント」をご覧ください。
ポイント
この問題のポイントは、「計算の順序」です。
計算順序のルールでは、掛け算は足し算と引き算よりも先に計算することになっています。
<計算順序のルール>
次の順序で計算します。
1.()の中
2.掛け算・割り算
3.足し算・引き算
※同じ優先順位の計算がある場合は、左から計算します。
よって、この問題で最初に計算すべきは、11+11や11−11ではなく、11×11のパートです。
11+11−11×11←掛け算から計算
=11+11−121
残りは足し算と引き算です。ルール上、足し算と引き算に優先順の違いはありません。ただし、「同じ優先順位の計算がある場合は、左から計算」というルールがあるため、今回の式でいえば、足し算→引き算の順番に計算するのが正しいです。
よって、残りの計算過程は次のようになります。
11+11−121←足し算から計算
=22−121←次に引き算
=−99
これで答えが出ましたね。
なお、11×11という二桁の掛け算が計算しづらいという人は、次の「分配法則の逆」を使った計算もおすすめです。
【応用編】式の特徴を生かした計算方法
ちょっと難しめですが、この問題が「同じ数の四則演算であること」を利用した計算方法もあります。
11+11−11×11
この式に出てくるのはすべて11ですね。
まず、この式の意味を考えてみましょう。前半の11+11は11が二つあるという意味ですから、掛け算に直すと11×2です。
11+11−11×11
=11×2−11×11
これで、11×2から11×11を引く式になりました。
次に、11個をひと固まりとして見直してみます。11個のグループ×2から、11個のグループ×11を引くのですから、計算後11個のグループは2−11個=−9個になりますね。
この考え方を利用して、今回の問題を計算すると次のようになります。
11×2−11×11
=11×(2−11)
=11×(−9)
=−99←正の数×負の数は負の数になる
−99という答えが出ましたね。
このように同じ数の掛け算をまとめることは、「分配法則の逆」と呼ばれています。
<分配法則の逆>
■×△+■×〇=■×(△+〇)
※+が−でも成り立つ
■×△−■×〇=■×(△−〇)
まとめ
今回の問題では、二つの計算方法を紹介しました。
まず複数の四則演算をするときは、掛け算・割り算を足し算・引き算より先に計算するというルールを忘れないようにしましょう。
また、同じ数の演算であることに注目すれば、分配法則の逆を使って計算を効率化できます(ただし、計算慣れしていないとこの工夫はかえって難しく感じられるかもしれません)。
今回の問題のように、算数や数学の問題には複数の計算方法がある場合があります。どの計算方法でも答えは同じです。自分にとって分かりやすい、計算しやすい方法を選んでください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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