【映画】チェンソーマン レゼ編感想/デンジ君の性欲と善性を見て、最高の性教育映画だと思うなど。
今日は午前中に、友人と映画を見てきました。
こないだ公開されたばかりの「チェンソーマン レゼ編」でございます。
「チェンソーマン」といえば、そりゃ大人気のジャンプ漫画で、バイオレンスとスケベと血とゲロにまみれたエンターテイメント作品だよね。
一部完結まではコミックスを購入しておりますので、今回のレゼ編についても原作履修した上で、さてさて、どんな風に料理されたかな!と見に行ったわけですね。
結論として!
本当に、本当にいい映画になっていました!!!
っていうか、これ、最初から劇場版向けに書き下ろされた話じゃないのか?と疑ってしまうくらいに。
あまりにもピッタリと劇場サイズに収まり、話の前もほとんど知らなくていいし、直接この後に続くわけでもないのに、各メインキャラクターの出番はあるし、バトルは大迫力だし、いいところしか言えないわ。
ちょっと箇条書きにして、よかったところをまとめていくわね。
①レゼが可愛いすぎて、どうしよう俺この子好きになっちまう。
まずはこれだよね。
前半は、いかにレゼが魅力的な女性なのかをひたすら描写されるんだけども、これがね…正直な話、漫画版よりだいぶパワーアップしてお出しされてしまっている。
なぜかというと、アニメーションで動きがついたことに加え、なにより声優の上田麗奈さんの力量によるものであろう。
いや、あの声、脳味噌が溶けるよな?
小悪魔的、というか。
からかい半分なのか、本気なのか、図りかねる絶妙な演技。
グリッドマンの新条アカネからさらに成長した上田麗奈さんの蠱惑的な声が、レゼに新たなる命を吹き込み、そしてすさまじくエッチパワーを発揮していましたよな。
あの瞳で見つめられ、あの笑顔を向けられ、あの声で誘われたらさ、デンジ君じゃなくても裸になってプールに飛び込んじゃうと思います。
誰だってそーする。俺もそーする。
②悪魔も魔人も人間も大活躍。ただ狐の悪魔、お前は船降りろ。
劇場版ドラゴンボールって昔たくさんあったじゃないですか。
俺はピッコロさんが好きだったんだけど、劇場版のピッコロさんのイメージって、悟飯のピンチを不意討ちで一瞬だけ助けて、「ピッコロさんだぁ!」って喜ぶんだけど、瞬殺される、みたいな悲惨な思い出しかなくて。
とりあえず出すだけ出しました!ノルマ達成!みたいな使われ方、本当に嫌だったんですよね。
それがさ、今回のチェンソーマン映画の豪華なこと!
誰も彼も、デンジ君とレゼ以外にも見せ場がしーっかりあるんだよね!
特に、誰もが思ったと思うけど、鮫の悪魔のビーム君だよね。
お、おまえ、こんなにチェンソー様に貢献していたのか?と驚いたよね。
ゴキブリのようなすさまじい機動力と、あの爆弾ラッシュを喰らってもまだ生きてる強靭なタフネス。絶対死んだと思ったよな。
そして何より、彼のチェンソーマンへの忠誠心だよね。本当にありがたいよね。ビームが女の子だったらデンジ君とハッピーエンドになった可能性、あったと思います。
それから暴力さんね。
バトル面での活躍はそこそこだったんだけど、彼の落ち着いた飄々としたテンション、アキ君じゃないけど「こ、こいつと働きたいよ!!!」って思わされましたね。
アキ君の未来の悪魔を駆使したギリギリバトルもよかったし、パワーちゃんは冒頭と最後の「早川家の日常」の象徴みたいなもので大きな役割を果たしたよね。
そして忘れがちだけど、台風の悪魔!
こいつが敵役として本当によかったよね!
全然感情移入もしなくていいし、サイズもデカいし被害もヤバいんだけど、その分何も考えずに気持ちよくやっつけられましたものねえ。
当たり判定もデカすぎてちょっと可哀想になっちゃったよな。どこ斬っても当たっちゃう感じ。
レゼとの決着が少し静かめでしっとりする分、こいつがめちゃめちゃやられてくれてスッキリしたよね!!!
ただ、本当にね、狐の悪魔。
こいつが役に立ってるとこ、見たことないよね。
汎用契約悪魔過ぎる。
せっかく頭を契約しても「あ、ちょっと無理っぽい」で帰るの最悪。
他の有用な悪魔を探してほしい。
③最高の「刃渡り2億センチ」とハイスピードバトル。
もうバトルはさ、ハイスピード過ぎて何がなんだか。
デンジ君とビーム君は空中をビュンビュン走り回って、レゼは指パッチンで連続大爆破。
爆弾の悪魔、範囲攻撃も単体攻撃もできてちょっと強すぎるよー。よく勝てたよな。
でも、何やってるか目が追い付かなくても、何かすげえ!とテンション爆上げには貢献したよね。
このバトルが見れたのも、レゼ編が映画になってよかった点の1つだよね。
台風の悪魔へのトドメ演出のカラーリングもよかったよな。
漫画チェンソーマンの1巻表紙を思い出しました。
でも何より、走る車の上で対峙するデンジ君とレゼのシーンでさ。
あの超名曲「刃渡り2億センチ」が流れたところが一番ブチ上がったよ。
エンディングよりも、劇中挿入歌として使うべきだとずっと思っていました!!!
トドメシーンで使ってもいいし、戦闘開始を告げる歌としても使えることがよーくわかりましたね。
『体にほらエンジン、刃渡り2億センチ!』
④デンジ君はチンチンで考え、心で考える。
最後にこのことを書かせてくれ。
デンジ君と性欲の話が、少しツイッターで話題になってたよな。
俺としてはね、本当にありがたいことだと思っているのよ。
デンジ君、性欲を持っていてくれてありがとう。
藤本タツキ先生、デンジ君の性欲を描いてくれてありがとう。
これを少年ジャンプで連載してくれてありがとう。
最近の少年漫画の主人公は、性欲が薄いですよな。
鬼滅の刃も呪術廻戦もね。
それが悪いとは言わない。そこはその作品において重視されていないというだけの話だからね。
でもやっぱり、少年漫画には「性欲を肯定する」側面があってほしいという願いがあります。
性欲なんて、人間が普遍的に持つ欲望であり、性欲がなければ種としての存続はあり得ない、大切なもののはずなんだ。
だけど、どうしても「性欲を隠す」方向性に時代が動いているのが辛いんだよね。
これは少子化問題にも繋がる話だと思う。
俺たちはもっと、性欲を肯定すべきだと思うんだよ。
デンジ君は、性欲を持っている。
結構正直に、性欲に従って生きていることが描写される。
本人もそれを自覚し、「全部チンチンで考えてる!」って自己嫌悪するシーンがある。
でも、俺はデンジ君が全てにおいてチンチンで考えているとは思わないんだ。
レゼとプールで全裸になった時、デンジ君は「初めて乳首見た…」とかエッチなことを考えているけど、裸のレゼと一生懸命に泳ぎの練習をする。
そして他の女性のことをも性的な目で見ていながらも、レゼのことを好きになり、レゼと一緒に生きていく決意をする。
この時のデンジ君はどう考えても、心で考えていると思う。
みんなもそう思うよな。
デンジ君からレゼに対して、確かに愛の矢印があった。
ただしかしそれは、デンジ君がチンチンで全く考えていない、ということを示さない。
デンジ君はチンチンで物事を考えながら、一生懸命心で考えているんだ。
性欲を持ちながら、愛情を持つ。
これは現実の人間の心と何も変わらないんだよな。
このことを、「チェンソーマン レゼ編」は描いてくれたから、本当にありがたいと思っているのよ。
だからこそ、若者、いや子供にこそ見てほしい。
性欲と愛情は両立するんだと、君の性欲を恥じる必要はなく、それは自然な気持ちなんだと、子供たちに教えてやってほしいんだな。
どうしても、ウェブ上では極端な意見が目立つじゃないか。
性欲=性加害=悪に直結、みたいな。
そうじゃねえんだよな。
現実を生きる人間は概ね、性欲を持ちながら、それとうまく付き合っている。
性欲を持ちながら、人を愛し、仕事を頑張り、必死に生きている。
ああ、性欲なんて人の一側面だよ。
人の心にはグラデーションがあって、性欲と愛情を完全に分けて考えることなんかできねえはずなんだ。
そのことを教えてくれる「チェンソーマン レゼ編」は本当に素晴らしい映画でした。
血も出るしおっぱいも出るし、PG12のレーティング(保護者の助言が必要)なんだけど、ぜひ、年頃の子供さんと一緒に見に行ってほしいな、と思っています。
追記:
また、レゼも「金玉」とか「デカケツ」とかの下ネタを言うのもよかったよね。
女性の性欲肯定が、マジでエンタメに足りてねえからなあ。
すしカルマがオナニーしてる描写もマジで偉いと思っています。



映画の感想は概ね同意ですが、性欲が否定的に捉えているから少子化が進むのではなく、社会の物価高や晩婚化、保育所不足が主たる少子化の原因だと思います。 あなたもお金が少ない状況で、3人目・4人目を育てる決断には至れないのではないでしょうか?