自民党の「氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム(WT)」が11日に開いた会合で、選択的夫婦別姓制度の導入に慎重な複数の議員から、9日の党大会に出席した連合の芳野友子会長への苦言が出た。芳野氏は党大会で来賓としてあいさつし、制度の実現を呼びかけていた。
11日の会合は冒頭を除き非公開だったが、WT座長の逢沢一郎氏が終了後、記者団に明らかにした。「(苦言の内容を)党執行部にも伝える」とも説明した。
芳野氏は党大会で壇上に立ち、「ぜひ今国会で選択的夫婦別氏(別姓)制度の創設を実現してほしい」と求めた。連合は国政選挙で立憲民主党や国民民主党などを支援しており、会長が自民党大会に出席したのは2005年以来、20年ぶりだった。
逢沢氏によると、WT会合では複数の議員から、制度の是非を巡る党内の議論が決着していないことを理由に、「芳野氏のあいさつは適切だったのか」との趣旨の発言があった。別の出席者によると、発言した議員は逢沢氏に対し、記者団へのブリーフィングでも自身の発言を紹介するよう迫ったという。
◆「来賓のあいさつに文句を言うのは失礼」の声も
選択的夫婦別姓制度の導入に賛成の立場を公にしている出席議員は、こうした苦言が出たことについて、東京新聞の取材に「来賓のあいさつの内容に文句を言うのは失礼ではないか」と批判した。
11日のWT会合では、制度の導入を推進する有識者2人のヒアリングを実施した。
芳野氏は自民党大会での来賓あいさつで「超少子高齢社会の中で、婚姻件数も出生数も最低を記録し続けている状況に対して、やれることは何でもやるという姿勢を示していただくことが、次世代を担う方々の希望となる」と述べ、今国会での制度創設を促した。(坂田奈央)
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Tadahito 5月1日17時51分
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ぶちお 4月17日16時43分
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