とても良い気分だ!まるでしろがね人共を纏めてニーヒルした時の様に!とてもとても素晴らしい気分だ!
つい先ほど新しい武器を2つも手に入れたあなたはまさに有頂天、有り体に言えば浮かれていた。
早くこの武器を試し撃ちしたい。そう言えば、騒ぎを起こせば治安機関がやって来るのだったか。よし、取り敢えずそこの建物にランサクスの薙刀を「うへ〜…」何、軽い褪せ人ジョークである。
これ見よがしに右手の中指に力を込め始めたホシノ先輩を尻目に、冷や汗を流しながらあなたは再び歩き始める。
「す、凄いです…!あんなに荒ぶっていた彼を一瞬で…!」
「…これもデコピンの賜物だね」
数時間。あなた達があの店を出てから既に数時間が経っていた。
「はぁ…しんど…」
「もう数時間は歩きましたよね…」
そう言えば、ここまで長時間自分で歩いた事は無かった気がする。別に疲労が蓄積している訳では無いが、何だか新鮮な気分だ。
狭間の地で旅をしていた時は、長距離の移動は専ら祝福ワープか霊馬の指笛を使っていたし、何なら数時間が経つ前に死んでいた。数週間死なずに生き延びるなど本当に初めての事だ。
「あら!あんな所にたい焼き屋さんが!」
「あれ、本当だ〜。こんな所に屋台があるなんてねー」
『たい焼き』。何だそれは。恐らくは『たい』を焼いたもの。では『たい』とは何か。先生に聞こうとしたあなただったが、しかし寸でのところで思い留まる。
折角『スマートフォン』を貰ったのだ。どうせならこれを使ってみよう。
スマートフォンを取り出し、側面に付いていたボタンを押してそれを起動したあなたは、期待を裏切られため息をつく。
どうやらこれを使うには様々な設定を済ませる必要があるようだ。時間がかかりそうなので後で誰かに手伝って貰おう。
『たい焼き』
キヴォトスで広く親しまれる食べ物
狐色に焼き上げられた生地の中には甘い餡が詰まっており、つぶつぶとしたそれは、遥か葦の地のとある忍が愛した味だと言う
それは、とてもうまかった
たい焼きを食べ終えたあなた達は、近くにあったビル───闇銀行、何でも違法行為を繰り返している非合法な施設だそうだ───について話していた。
「…現実は、思った以上に汚れているんだね。私達はアビドスばかりに気を取られすぎて、外のことを余りにも知らな過ぎたかも……」
『お取り込み中失礼します!そちらに武装した集団が接近中!』
絶好の機会だ!新しい武器を試す絶好の機会が訪れた!
『気付かれた様子はありませんが……まずは身を潜めた方が良いかと思います…』
「よし、星見、聞こえたわね?さっさと隠れるわよ。…『隠れる』って言ってんでしょうが!!!」
残念だ。さっきからあなたがやろうとした事がことごとく妨害される。
…しろがね人に会いたい。会ってあれらの顔面に銃を連射してみたい。これ程までにあれらに会いたくなるとは、もしやこれが恋というやつなのだろうか。余りの甘さに反吐が出そうだ。
半ばセリカに引き摺られながら、あなたは物陰に身を隠す。どうやら、今あなた達に接近しているのは『マーケットガード』と呼ばれる治安機関の中でも最上位とされる組織らしい。
彼女達は現金輸送車を護衛しながら、件の闇銀行へと入っていった。
「今月の集金です」
「ご苦労、早かったな。では、この集金確認書類にサインを」
…あの銀行員、どこかで見かけた様な気がする。記憶を辿っていると、不意にセリカが声をあげる。
「あれ…?な、何で…!?あいつは毎月うちにきて利息を受け取っているあの銀行員…!?」
「あれ、ほんとだ」
…言われてみれば、確かに同一人物のようだ。彼女達が乗っていた車も、良く見れば見覚えがある。
阿慈谷によれば、あの車は『カイザーローン』のもの。合法と非合法の間、グレーゾーンで上手いことやっている企業らしい。
「じゃあ何?私達はブラックマーケットに、犯罪資金を提供してたってこと?」
「「「「「『……』」」」」」
難しい話になってきた。今回は狭間の地であなたがいつもそうして来た様に目の前の敵を取り敢えずぶちのめして行けば万事解決、とは行かないだろう。
ここはキヴォトス。暴力で全てを解決できた狭間の地とは違う。あなたはそれを再確認した。
「…さっきサインしていた集金書類…それさえ手に入れば…でもどうやって………」
「方法ならある。たった一つだけ。…『例の方法』が」
「れ…『例の方法』…?」
「そう。………銀行を襲撃しよう」
何と言う事だ。キヴォトスでもやはり狭間流の問題解決法が使えるらしい。やはり暴力は全てを解決できる様だ。…もっと筋力を上げておくべきだったか。
「はいいいいいい!?」
「こうなったら…とことんまでやるしかないか…!」
「ええええええええ!?」
シロコ先輩を皮切りに、対策委員会のメンバーは顔を隠せる覆面を装備した。
「ごめん。二人の覆面は用意が無い。ヒフミはともかく、まあ星見はどうせ何か持っているかなって」
「うん、おじさんも同感だね〜」
当然だ。顔を隠せる装備など、掃いて捨てる程の持ち合わせがある。騎士の兜から壺頭まで何でもござれだ。
「や、やっぱり持ってた…」
思えば各地の洞窟や砦、学院に城など様々な場所を襲撃して来たあなたであったが、顔を隠すという発想は無かった。
さて、何で顔を隠そうか。あなたはインベントリをあさり始めた。
タコ頭に輝石頭、インプ頭、かぼちゃ兜…
様々な装備の中、あなたはある物を発見した。随分前に円卓の双子の老婆から購入した、騎士の鎧一式だ。
結局装備する事は無かったが、折角なので供養がてらにこれを使うとしよう。
「ええっ!?い、一瞬で着替えました!?」
「こういう所見ると、星見ってちゃんと魔法使い何だなって…」
「ん、セリカ、魔法使いは銃なんて持たないし全身を金属鎧で固めもしないよ」
「…確かに」
所で、阿慈谷の分もあるがどうだろうか。兜以外にも色々あるが。
あなたは取り出したそれらを地面に置いていく。
「あ、ありがとうございます。……あの、すみません、何ですかこれ?」
何ですかと聞かれても、見ての通りのタコ頭だが。特に打撃へのカット率に優れた防具であり、小ダコの死骸をそのままかぶる物である。
「どうしてそんなもの被ろうって思ったの?*1あと何でこんなの人に勧めたの?」
どうしてと言われても、あなたとしては条件に合う装備を出しただけなのだが。それに生命力やスタミナなどが持っていかれる訳でも無い。デメリット無しだ。
「"待って?生命力が持っていかれるって何?もしかしなくてもそれっていわゆる呪いの装備だよね???"」
何を言うのか。優秀と認められた魔術師の被る、由緒正しい輝石頭である。かつて使いたい魔術に少し知力が足りない際、よくお世話になったものだ。
「なんでそんなのにお世話になっちゃうかなぁ…!」
『ペロロ様』
それは最高の存在であり、また素晴らしく可愛いキャラクターである
それは素敵でそれは神秘的でそれはミステリアスでそれは情熱的でまたそれは非常に愛らしい
故に、ペロロ様は至高足りうるのだ
この後書きを読む者よ
かねてペロロ様を崇めたまえ
もしも主人公がやって来たのが、原作開始前(アビドス編が始まる前)のゲヘナだったら?
-
給食部ルート
-
美食研究会ルート
-
温泉開発部ルート
-
激長!便利屋ルート
-
やっぱり激長!風紀委員会ルート
-
全部書いて♡