Tarnished Archive   作:助動詞

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読者よ、ご照覧あれい!私はやりました、やりましたぞ!

この透明だった評価バーを、埋めて埋めて埋めて、赤の一色に変えてやりましたぞ!

ヒャハ、ヒャハッ
筆者はやったんだああああああああ!!!
ヒャハハハハハハーッ……


『青色の凶刃』
致命の一撃により、「FPを回復する事ができる」タリスマン
主人公と作者は、このタリスマンの存在を完全に忘れていたという





『信じる』

セリカとの連絡がつかない。

 

アヤネが確認した所、家にも帰っていないそうだ。

 

先生が、自身の持つ権限を使って、彼女の連絡が途絶えた場所を探し出してくれた。

 

「ここは…砂漠化が進んでいる市街地の端のほうですね?」

 

「住人もいないし、廃墟になったエリア……。治安が維持できなくて、チンピラばかりが集まってる場所だね」

 

「このエリア、以前危険要素の分析をした際にカタカタヘルメット団の主力が集まっていると確認できた場所です」

 

「なるほどねー、帰宅途中のセリカちゃんを拉致して、自分達のアジトに連れていったってことかー。」

 

「…は?セリカが、攫われた?」

 

「…ええ、状況から見て恐らくは…」

 

頭を、思い切り殴られた様な衝撃。

 

そして、あなたは思い出した。思い出して、しまった。

 

あなたに襲いかかってきたブライヴの、あの赤く光る目、低い唸り声を。

 

魔術師塊となったセレン師匠の、あなたを呼ぶ声を。

 

アレキサンダーがあなたの眼の前で砕け散った、その瞬間を。

 

 

 

かつてあなたが経験した、最悪の記憶。

 

…セリカが、そうなる?死ぬ?殺される?正気を失う?人ではないナニカへと変貌する?

 

………私はまた、自分を仲間と呼んでくれた存在を喪うのか?

 

そんな事、認められない。

 

もう、誰も失いたくない。

 

 

「考えていても仕方ありません!急いでセリカちゃんを助けに行きましょう!」

 

「……待て」

 

「え?どうしましたか?」

 

「…少し、話がある」

 

「"どうしたの…?"」

 

あなたは、何としてでもセリカを救いたい。

 

だから、この戦闘には最善を尽くす必要がある。

具体的には───先生に、あなたの持つ魔法を組み込んだ作戦を考えて貰うのが良い。

何故ならここキヴォトスにおいて、それは完全な初見殺しとなり、つまり敵に対する絶対的なアドバンテージとなるからだ。

 

しかしそれは───あなたは直ちに、彼らに自身が魔法を使う事ができると伝えなければならないという事。

 

…彼らを、信じても良いのだろうか。あなたに、失望したりしないと。

 

彼らは、あなたの仲間だ。それならば、信じるのは当たり前。だから、あなたは決意と共に口を開いて───

 

「私は…」

 

───ヒィッ…あ、あんた…あ、ああ、そうだ、あんたを探してたんだ───

 

「私、は…」

 

───あんた、本当にお人よしだなあ───

 

「私、は…っ」

 

───その意志はよい。だが、達せられるべきではないのだよ───

 

「……わた、し、は……、」

 

 

───ま、まぁ、その……あ、ありがと───

 

───そうだよ〜、君はもうここの生徒なんだからさ〜───

 

───そうですよ。星見君さんの事を認めてなかったら、そもそもあなたの歓迎会なんてやっていませんし───

 

───安心して下さい!星見君はもう私達の『仲間』ですよ☆───

 

 

「───…私は、………実は、『魔法使い』なのだ。…、今まで、黙っていて本当に申し訳なかった」

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

…はっ。

 

彼の余りにも唐突なカミングアウトに、思わず宇宙(そら)と一体化してしまっていた。

 

周りを見ると、対策委員会の皆は未だに放心状態になっている。

 

「"えっと…魔法使いっていうのは…?"」

 

「言葉通りの意味だ。私は魔法を使う事ができる…正確には魔術と祈祷だが

 

「"その…急に厨二病か何かを発症した、とかじゃなくて?"」

 

「厨二病が何かは知らないが、とにかく私は実際に魔法が使えるぞ。…何か実践して見せようか?」

 

「"ええっと…?"」

 

何処か吹っ切れた様に自身を魔法使いだと語り始めた彼に思わず圧倒されていると、ようやく対策委員会の皆が正気を取り戻す。

 

「「「「??????????????」」」」

 

…訂正。やっぱりまだ取り戻せて無かったみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「えっと…、つまり星見さんは、故郷の狭間の地に存在する『魔術』や『祈祷』を修めた『魔法使い』…という事ですか?」

 

暫くして、今度こそ正気を取り戻したアヤネが、彼の発言の内容を纏める。

 

彼が実際に光る玉を浮かべて周りを明るくする魔法───本人は『星明り』と呼んでいた───を使って見せた事もあって、この場に彼の発言を疑う者は居ない。

 

「うへ~…正直、『なんで今まで言わなかったの』とか、『なんで今まで使わなかったの』とか、『魔法って実在してたんだ』とか、色々聞きたいことと言いたいことが山積みだけど……取り敢えず、今は時間も無いし一つだけ聞かせて?」

 

「もちろんだ。答えられる事なら何でも答えるぞ?」

 

「ありがと〜。それじゃあ…」

 

と、そこで一度言葉を切って、彼女はニヤリとイイ笑顔を浮かべて言った。

 

「君は───その『魔法』とやらで、何ができちゃうわけなのさ?」

 

それに対して、星見君はやけに仰々しい仕草で答える。

 

「そうだな…例えば…傷を癒やしたり…味方の能力を高めたり…敵を妨害したり……」

 

「おやおや?まさかそれだけなのかい?魔法使いさん?」

 

「おおっと!私とした事が、一番多い用途を言うのを忘れていたよ!」

 

「"それで?その『一番多い用途』ってなんだい?"」

 

そう茶化す様に言った自分の問いかけに、星見君はさっきのホシノちゃんに負けないくらいのイイ笑顔で答えた。

 

「それはね…『立ちはだかる敵をやっつけること』さ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

柄にもなくハイテンション(最高に『ハイ』って奴)になっていたあなたは、ホシノ先輩の協力の元、ヘイローの護りが魔法に対してどれ程の効果を発揮するのかを簡単に検証した後、今までにない位の速度でこれから戦闘に使う魔術と祈祷を記憶スロットにねじ込む作業に入っていた。

 

 

『ハイマの砲丸』を始めとする様々な攻撃用の魔術・祈祷に、万一の為の全ての異常や擬態を消し去る『回帰性原理』と回復祈祷、それから対策委員会を強化する為の祈祷『黄金樹に誓って』。

 

現在のあなたにはヘルメット団にかける情けはリムグレイブに生息する鹿の落とすルーン程の量すらも存在しない。

 

もしもヘルメット団がしろがね人(殺しても問題ないもの)で構成されていたとしたら、もしも近くにセリカが居る可能性が無かったら、あなたはなんの躊躇も無く『朱きエオニア』や『エグズキスの腐敗』をぶっぱなしていた事だろう。

 

しかし、残念な事に、非常に残念な事に、とてもとても残念な事に、相手は(少なくともキヴォトスでは)普通の人間であった。つまり、殺すとホシノ先輩による指弾き、どころでは無い事態が発生してしまうのだ。

 

……今だけでいいので、どこかにあなたのこの怒りを存分に発散できるしろがね人(サンドバッグ)は無いものだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのトラックで良いんだな?」

 

「"うん、そうだよ。…それじゃあ、手筈通りによろしくね"」

 

「了解した」

 

 

所謂『魔法の杖』というやつだろうか、優美な装飾が施された銀色の杖───先端には綺麗な深い青色の石がついている───を構える彼に、『作戦』の実行を指示する。

 

彼がブツブツと何かを呟くと、杖の先に一瞬、何かの紋章が現れたと思うと、青白く丸い光が灯り、やがてそれが走るトラックの近くの地面に放物線を描き飛んで行く。

 

着弾───その瞬間。青い爆発が起こる。

 

その威力にトラックは大破、その中から涙目のセリカが出てきた。

 

「セリカーーッ!」

 

「えっ!?ちょっと星見、何であんたがここに───」

 

「…ああ、良かった。…生きていて、本当に……怪我はないか?何か毒物などを飲まされたりはしていないか?」

 

「け、怪我も無いし毒物も大丈夫よ。…というか、あんたその杖どうしたのよ?初めて会った時以来じゃない?」

 

『えっ?セリカさん、既にご存知だったんですか?』

 

「え?何を知ってるって?」

 

「それは…っ待ってください!前方にカタカタヘルメット団の戦力、多数確認!さらに巨大な重火器も確認しました!徐々に包囲網を構築しています!」

 

「なるほどねー。敵ながらあっぱれ。それじゃー、せっかくだし包囲網を突破して帰りますかねー。…じゃ、星見君、『あれ』お願いねー。」

 

「ああ、分かった」

 

「え?『あれ』?もう、さっきから一体なんなのよ!?」

 

「"まあ、見てれば分かるよ"」

 

そうセリカに告げて、彼の方に目を向ける。

 

彼は跪いて、一心に何かを祈っていた。

 

と、祈りを終えたのか、彼は立ち上がって淡い金色の光に包まれた左手を掲げる。

 

その左手に、今度はさっきとはちがう、金色の紋章が現れると、眩い光を放つ。

 

「わあ~、何だか力が湧いてきました☆」

 

「確かに、いつもより力が湧いてくる様な…?じゃなくて!何よ今の!?今あんた何をしたのよ!?」

 

「それじゃ…。行こうか?」

 

 

「え?無視?私の疑問完全無視ですか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

作戦は成功を収め、あなた達は無事に全員でアビドス高校に帰還した。

 

セリカの救出に成功した上に、あなた抜きの対策委員会が対応しきれなかったヘルメット団共の大群をアステール・メテオで吹き飛ばす事に成功したあなたは、平たく言えば、とてもテンションが上がっていた。

 

具体的にどれ程上がっていたのかと言えば───

 

 

「皆よ、ご照覧あったか!私はやりました、やりましたぞ!

あんなにもいたヘルメット団共を、小隕石で潰して潰して潰して、死屍累々*1に変えてやりましたぞ!ヒャハ、ヒャハッ私はやったんだああああああああ!!!ヒャハハハハハハーッ……」

 

などと叫びだす程度にはアガっていた。

 

「ええ…」

 

「うわぁー…」

 

あなたの奇行にドン引きするアビドス高校の生徒達。

 

そんなあなたに、静かに忍び寄る小さな影があった。

 

我らが親愛なる小鳥遊ホシノ先輩である。

 

 

「ほーしーみーくーん」

 

「ヒユッ」

 

見よ。荒ぶる褪せ人を即座に鎮めるこの気迫を。

 

「正座、しようか?」

 

「ま、待て。待ってくれ。私は誓って殺しはやってな───」

「おやぁ〜?星見君、まさかおじさんに逆らうつもりかなぁ〜?」

 

ストン。

 

 

見よ。エルデの獣を討伐せしめた褪せ人の、この情けない姿を。

 

 

「それではこれより、星見君への尋問を開始する!…おじさん達と楽しくO☆HA☆NA☆SHIしようね〜?」

 

「な、何を…?」

 

「うーん…そうだなぁ〜…じゃあ、『どうして魔法についておじさん達に教えてくれなかったのか』、教えてくれるかな~?」

 

「ああ、分かった。それは…───」

 

 

「───…ふ~ん。なるほどねぇ〜。『アビドスの抱える問題を、魔法で解決できない事を失望されるのが怖かった』…なるほどぉ〜…。…シロコ裁判長?」

 

ん、有罪(ギルティ)

 

「ちょっと待て!?」

 

「…星見、どうか落ち着いて聞いてほしい。…私たちが、自分達の抱える問題を誰かに全部解決させようとして、駄目なら失望するような人達に見える?」

 

「それは…」

 

「…違うよね?だから、君の言う理由はそもそも前提から間違ってた。…つまり、最初からそれを隠す様な必要はなかったって事」

 

「…」

 

「分かった?」

 

「ああ、分かった。過去の経験で…少し、人を信じる事が難しくなっていたようだ。…これからは、ちゃんと君達を信じる、信用する、信頼する。───だから、ホシノ先輩」

 

指弾きだけは、勘弁してくれないか?

 

駄目だね

 

「嘘だッ!?」

 

唯一の退路を絶たれたあなたの額に、ホシノ先輩の右手が近寄ってくる。

 

「誰かッ!?貴公、我が同胞よ、どうか私を助けてくれッ!」

 

「"そ、その〜。そういうのは良くないんじゃ無いかなぁって…"」

 

「貴公…!」

 

「先生?今だけ目を逸らしてくれたら、今度シャーレのお仕事を手伝ってあげますよ?」

 

「貴公…?」

 

「"…先生、ナニモミエナイナー"」

 

「貴公…!?」

 

「さて、覚悟はできたかな?」

 

「ま、待て!取り引きだ、取り引きをしよう!もしも私を見逃してくれたなら、私の修めた輝石の魔術、その一端を君に伝授しよ「フン!」グワーーッ!?」

 

 

 

拝啓、ならず者へ。

 

エビ好きにも、悪人は居るのかもしれません。

 

*1
まだ生きてる




『新生活』
社会の中に暮らすほぼ全ての人間に訪れる、人生の一つの転換期

小説を書く速度を、大きく落とす効果がある

…ということで、暫く投稿速度が落ちるかもしれません。ご了承くださいませ。

もしも主人公がやって来たのが、原作開始前(アビドス編が始まる前)のゲヘナだったら?

  • 給食部ルート
  • 美食研究会ルート
  • 温泉開発部ルート
  • 激長!便利屋ルート
  • やっぱり激長!風紀委員会ルート
  • 全部書いて♡
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