薄っすらヒロイン「先に投稿され、調査する運びとなったカイザー不正調査の依頼。取引はアビドス砂漠化初期から存在しており、その歴史は古い…」
薄っすらヒロイン「レイヴンには残念ながら、膨大な量となる情報量への
薄っすらヒロイン「レイヴンや筆者に
アビドス高等学校へ皆さんが帰還した後の話し合いは荒れた。
宝探し等という冗談。3000%へ増えた利息と3億の保証金。
カイザーは本当は何をしているか単独潜入での調査。返済へ向けて手段を選ぶか選ばないか…。
意見が対立しかけて言い争いになりそうな場を、ホシノさんが納める。
『ほらほら、皆落ち着いて~。頭から湯気が出てるよ~?』
『ん…』
「はい、すみません…」
シロコさんが話すのを止め、アヤネさんが謝る。
そしてシロコさんも雰囲気を悪くするつもりではなかったと謝ると、ホシノさんもわかってるとばかりに軽く受ける。
そして一度頭を冷やすため、解散して明日集まるよう対策委員長としての命令を出した。
先生も同意し、各々帰り支度を始める。
アヤネさんも私の治療室(病室)から帰宅するため、片付けを終えた。
「それじゃ、通信端末は机の上に置いておきますね。オンちゃんはゆっくり休んでください」
「ワフッ」
通信端末を私の服や装備一式と共に、備え付けの備品付近に置いてアヤネさんは部屋を後にした。
明日。皆さんが大変な時に、私は何ができるだろうか。
ルビコンに居た時は頼りになるあの人や、彼女が居た。
もし二人が居れば、二人の立場なら何ができるか…。
考えている内に肉体的にも精神的にも限界だったのか、私の意識は飛び飛びになり。やがて暗闇に包まれた。
「!?」
私は闇夜の中で目を開く。室内は静かで、医療機器以外の物音は一切しない。
それにも拘わらず目覚めた私は、何か嫌な予感が胸元から消えずにいた。
休んでいた事で多少引いた怪我の痛みを押して、寝具から身体を起こす。
医療機器の電源を静かに落とした後、点滴などのチューブを抜いていく。
服を着替えて装備を整えた後、抜いた拍子に少し出血した箇所は設備を漁って見つけた止血帯で処置した。
アサルトライフルのマガジンを確認後、開けた窓から飛び降りると地面付近でクイックブースト(翼)して地面を転がり着地の衝撃を抑える。
少し砂まみれになったが問題ない。解放戦線流に言うならイケてるツラになるらしいし。池と何の関係があるのかは知らないけれど。
そしてアサルトブースト(獣)でアビドス高等学校へと走り出す。
嫌な予感は今や直感を超えた、予想になりつつあった。
◆◇◆◇◆
-ホシノサイド-
校舎に置手紙を残し、とある人物の元へと赴いて提案に応じた。
いや、人かどうかも怪しい存在の元へとだ。
黒いスーツ姿に人形のような無機質な身体。黒い靄を纏う頭部にはまるでビジネススマイルを浮かべているように見えるヒビ割れた穴が青白く光っている。
2年位前から提案を受けていたが、今までは私が抜けたらアビドスの意思を継げる人が居なくなると思い、ずっと断っていた。
内容は高校を退学し、
それでアビドスの借金の半分を負担、帳消しにすると提案元の――黒服と私は呼んでいる――奴は言った。
「貴女に、決して拒めないであろう提案を一つ。ククッ…」
お気に入りの映画の台詞の引用だと言うその前口上と共に。
以前までなら歯牙にもかけなかった条件を、私は受ける事にした。
後悔で眠り難い日々。悪化する治安。増えた借金。荒れる程に負担が掛った後輩達。
そして、頼りになる
様々な理由が重なって、提案を受けないよりもリターンを見込めると思ったのもある。
後輩ちゃん達にも私のように、砂にまみれた青春を送るよりはと考えた。
相変わらず黒服は妙にタイミングよく、居場所を知らせて来る。
何の変哲もない建物に足を運び、提案を受ける旨を話すと上機嫌で話を進め、一足先に
少し後に私を迎えに来た車のクラクション音がなり、足取りも重く建物の外へと向かう。
勤め先で次にもし皆に会う時があれば、置手紙に書いた通りにして貰おう。
そう思いながら建物を出た私を迎えてくれたのは。
「オンッ!」
ひっくり返った車とカイザーPMC達。
そして初めて会った時のように包帯でグルグル巻きの、オンちゃんだった。
◆◇◆◇◆
どうやら間に合ったらしい。建物から出て来たホシノさんが目を丸くしているのを見て私は一声、もとい一吠えかける。
耳鳴りの伴う直感のような、何かを感じるままに走り続けた先に居た彼女の無事な姿を見てまずは一安心である。
建物前に停車したカイザーPMC達を穏便(当人比)に無力化し、援軍が来る前に離れようとホシノさんの元へ歩み寄ろうとする。
「…ごめんね、オンちゃん。おじさんね、帰れないんだ」
「…わう?」
笑ってはいるものの、ホシノさんはどこか疲れたようにそう口にする。
どういう事だろうか。まさかルビコンの頃の私のように敵陣に単機突入する予定だったのだろうか?それなら付き合うつもりだ。
「ある条件でね。カイザー側はPMCで使える人材を集めているみたいで。おじさんを雇えば借金を半分負担してくれるっていうんだ~」
なんと、スカウトしていたのは「
彼らもホシノさんのアイドルとしての素質を見抜いていたと言う事
「アイドルじゃないからね?」
困ったような笑顔をしてホシノさんは否定しながら、大盾とショットガンを構える。
何で私の考えがわかったのだろう?ともかく戦闘準備をしたと言う事は、援軍がもう来たのだろうか。
私はスキャンを使い、敵の位置を探す。
「だから、遠慮も手加減もいらないよ。
頭の中に浮かんだレーダーには他に敵影はなく。
視界に映るロックオンにはホシノさんが捉えられていた。
多少歪んだ大盾を地面に突き、少しほつれた制服についた砂を掃うとホシノさんは一息つく。
血溜まりに横たわる私は、その様を見上げるしかなかった。
「うへ~。やっぱり強いねぇ。救急車も呼んでおいたから、動かない方が良いよ」
強い。対策委員会の皆さんと連携している姿からも思っていたが、一対一だとそれ以上に感じた。
下手な牽制は体捌きで避けられ、詰められた距離を放そうとすれば一瞬で懐に入られてショットガンの餌食になり。
警棒はおろか、最終手段とばかりに振るった奥の手のパルスブレードは大盾に阻まれた。
合金も叩き切るブレードを多少歪んだ程度に抑えるとは、硬すぎる。
驚いて硬直してしまった私を彼女はそのまま大盾で殴り倒し、再び開いた怪我の傷跡から出た血の池に倒れる事となった。
何故。どうして。困惑する私にホシノさんは少し寂しげに目を伏せる。
「…条件がね。雇先までおじさんだけでいかなくちゃいけないの。本当ならカイザーPMCの迎えで行くつもりが、オンちゃんに見つかっちゃったし。そのせいでスパイとか疑われるのもダメだしね~」
だからゴメンねと。ホシノさんはそう言ってその場を後にする。
次に会った時は
殴り倒されて揺れる視界の中、そのまま消えて行った道先へ手を伸ばすが…その腕を取る手があった。
「よくもやってくれやがったな…!」
「ちょっとだけお礼させてくれよ。お前の身体で」
それは無力化したハズのカイザーPMC達だった。
こめかみに突き付けられた銃口と、(毛並みを)まさぐるオートマタの手。
どうやら久々に旧型強化人間の頃に受けていた、
どこか懐かしい感覚と共に、私の意識は闇夜に落ちた。
御閲覧、しおり頂き、いつも皆様ありがとうございます。
御感想やお気に入りも頂いており、ひと時の楽しみになっておりましたら幸いです。
思ったより長くなったため、本シーンは分割しました。
少し短いのはその名残りです。…そのうち描写を加えられたらいいなぁ。
今回も少しずつ、御名前記載をさせて頂きます。
一部時間順でない場合もありますが御了承の程、お願いします。
(閲覧、しおり、ここすきは御名前が表示されず、感想は今の所個別で返信するため割愛とさせて頂いてます)
秋ウサギ様、B=s様
誤字報告頂き、ありがとう御座います!
いつも目を通して頂いており、感謝の極みです!!
自動玉と書いてしまった前話の自分ェ…。
コミュ力が足りません様、なかノンノン様。
御評価頂きありがとうございます!
高評価を頂いており、誠に感謝致します…!
ゆきだるまスノーマン様、〈規制済み〉のキハダマグロくん様、おにおん01様、Pits様、KIR11597様、
星立様、猫っぽい猫様、arfled様、アストロイア様、天野黄里様
お気に入り登録頂き、ありがとうございます!
遅い筆の当作品を今でも気に入って下さって光栄です…!