無理そう
一番大事なのはパカッと割れる仕組みだが、これが全然うまくいかない。綺麗に形を保つにはマジックテープをしっかりくっつける必要があるが、つけすぎるとうまく開かない。
形を保つために針金を入れたり、マジックテープを足したり減らしたり試行錯誤したが、結論「無理」ということになった。
そもそもウレタンのような柔らかい素材では無理なのだ。今思い返せばくす玉も固い素材だった。ライオンボードなど、しっかりした固い素材で作らなくては不可能な構造である。
上手くいかないことにふて腐れ、夜中3時にワインを飲み始める私。もう無理なのか……。 しばらくの間、深いため息をつきながらお酒を飲むだけの時間が過ぎていった。
縫い合わせよう
変身の仕組みは難しいので、潔く全部縫い合わせてシンプルな海坊主を作ろう。
本当は作り直したいけど、このままだと妖怪盆踊り当日に間に合わない。イベントには絶対妖怪で行きたいので、泣く泣く決断することにした。
中から自分の頭でしっかり支えるために、頭頂部に大きめのウレタンを入れる。
全て縫い合わせ海部分の布をつけたら、一気に海坊主っぽくなってきた。
これはもう、ほぼ出来たようなもんだよ!!一気に終わりが見えてきて、やる気を取り戻した私。(朝7時)
この状態が妖怪として一番怖いかも……と思いつつ、目はプラスチックのカップで作ることにした。
もう失敗している時間はない……!!と追い詰められているからか、腕は一発で理想の形に造れた。
一時はもう無理かと思ったが、後半の追い上げで妖怪盆踊り当日の朝6時に完成することが出来たのだった。


