青空の下、猟犬は求め流浪する   作:灰ネズミ

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イグ●ス「お前(筆者)のような木っ端は知らんだろうがな?俺達(読者)「レッドガン」は壁越え(投稿)するのを待っている。この小説は慣らしだ。」
ヴォル●「関係ねぇ。俺達(閲覧者)は気が向いたら読むだけだ。」

本作のような小説でも目に留めて頂き、ありがとうございます。
嬉しくてまた予定より早く投稿させて頂きます。
皆様の一時の楽しみになっていれば幸いです。

追記1:先生が登場しますがとある概念になってます。反応次第ではタグなど対応考えます。夜遅いと持病のうっかりが…!?
追記2:御評価頂きありがとうございます。鈍筆ですが楽しみの一つになれば幸いです。ィヤッター!(大歓喜)

3/15追記:誤字報告頂き感謝です。修正しました。


3.アビドス高等学校見学

砂漠で会った部隊員達と同じように、何もわからないと身振り手振りで私は伝える。

やはり一部しか伝わってなさそうであったが、難しげな顔を見せるもついて来てと彼女は言った。

どこかへ向かう途中、この世界の事を話してもらえたが大体聞いた通りだった。

情報の偏りや齟齬がない辺り、ちゃんとした情報として学んでよさそうだ。

胸の内で安堵していると塀に囲まれた広い敷地と、数階建ての大きな建物へと入る。

彼女…小鳥遊(たかなし)ホシノさん曰く、どうやらここはアビドスにある学校の一つ。アビドス高等学校というそうだ。

初めて見る学校という施設に、ホシノさんの後を追いながら私は内部を観察する。

再教育センターや治療施設、軍事施設とも違う様相の内装に、ここが普通の若者が通う学校かと興味が尽きない。

廃校対策委員会と書かれた張り紙付の看板が吊るされた部屋…の横にある部屋入ると、簡易の宿泊設備に彼女は腰かけた。

 

「本当なら家に帰りたいけれど、君から目を離す訳にもいかないし。まぁここで見張らせてもらうね~?」

 

手の届く範囲に盾と銃を置く彼女に対して、私は当然と思って頷いて見せる。

道中で言葉を話せない事も伝えたが、キヴォトスでは二足歩行するなら動物でも話せるらしいので疑われているようだった。

ならば何故ここに連れてきたかと思ったが、このアビドス高等学校はとにかく人手が足りないらしい。

どうやらヘルメットを被ったならず者…ここでは不良という扱いらしい…武装集団も襲ってくるため、人員を増やしたいとの事。

保存食でも貰えれば働くと手振りで伝えたからか、とりあえず拾ってみるかと考えて貰えたようだ。

屋根付きで砂塵をしのげる場所も貰えるなら助かると思い、私は床へそのまま寝そべる。

この身体だと翼のせいで気軽に仰向けには寝れないため、腕を畳んでうつぶせになりつつ手の甲へアゴを乗せる。

 

「えっ。いや地べたじゃなくても、寝具も使っていいよ?」

 

いわゆる伏せの姿勢になった私に対し、彼女は目を丸くして驚いて見せる。

確かに予備らしきものもあったが、得体のしれない奴に使わせるのはおかしいのでは?と私は首を傾げた。

そんな私の様子に彼女は口をへの字に曲げて、腰かけていた所から降りてくる。

 

「そこまでおじさんは厳しくないよ~。ほら、広げるから使って」

 

そう言うとホシノさんは予備の寝具を、私の寝転がった脇に広げてくれる。

良いのだろうかと交互に見たが、彼女は頷いて見せるのでありがたく使わせてもらう事にする。

少し埃の匂いがしたが、機体内で長時間待機しているよりも段違いに心地よかった。

今日もゆっくり休めそうなので、良い人に巡り合ったものだ。

 

>>>>>

 

いつもの哨戒中に見つけた人は、ともかく怪しかった。

全身包帯巻きでぼろぼろな身体。ここらでは見た事のない武装。

犬猫のように鳴く事しかできない様子。そして…過去の私のように沈み切った目。

敵意はなかったし、最近よく争っているヘルメット団とも違う様相でもあったため、

行く当てもなさそうな様子に、つい拾ってしまった。

これで人を拾うのも二人目だねぇと思いながら、学校に帰る道すがら色々と話してみる。

キヴォトスの事をほとんど知らない様子に、記憶喪失と書かれていたのも少し納得してしまう。

ただ武装している事や、周囲を無意識に警戒している様子からただの迷子でもなさそうだった。

それに動物の外見なのに、翼を持っているのも私は聞いたことがない。

ちぐはぐで、とにかく不自然な人。そんな印象だ。

見張りを兼ねて仮眠室代わりの部屋へ連れてくると、地べたで寝ようとしたので慌てて止める。

あまりにも自然な動作に途中で止めることもできなかった。

野良の動物でもないのに、どうしてと思う。…私がそこまで酷い警戒をしていたかと心配になってしまう。

遠慮していたようだったが、脇に寝具を広げると了承したようで寝ころんだ。

その表情は野生の動物が寝床についたようで、手懐けたような気がちょっとして和む。

 

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翌朝。パタタタタンッと、連続した発砲音が響いた事で目が覚める。

学校とやらは銃声が目覚ましなのだろうか。顔を上げてみるが、ホシノさんはうなるだけで寝具から起きる様子はない。

ヘイローが明滅している事から意識が起きつつある状態のようだ。

流石に状況がわからなくて困るので起き上がって近寄り、彼女の身体をゆする。

 

「むにゃ、あと5時間~。」

 

そんなに寝てたら弾丸で穴だらけにされるのでは?いや、むしろキヴォトス流の起床方法なのかもしれない。

レッドガンでは怒号と共に起こされると聞いたことがあるし、銃社会なここならありうる。

私も倣うべきだろうかと考えた時、引き戸の扉がガラッと開けられて女性が一人飛び込んでくる。

 

「ホシノ先輩!起きて…って、あなた誰!?」

 

アサルトライフルの銃口を向けられて、都度何度目か私は両手を上に上げてゆっくりとホシノさんから距離を取る。

そうして飛び込んできた相手を観察すると、どうやら彼女と同じ学校の生徒のようだった。

やや紺色の髪を左右で結わえ、制服をきっちり着こなしている。

頭部には猫を思わせる耳と、赤い瞳に同色のヘイロー。片膝にはパッド付のサポーターを装着している。

そこまで視線を下げた辺りで、何故か片腕で体を隠された。

 

「何じろじろ観察してるのよ…!」

 

どうやら女性を見るには、不適切な目線だったらしい。詫びるように頭を下げる。

戦友なら怒られない視線の動かし方も知っていただろうか。こんな事ならもっとナンパという技術を教えてもらうべきだった。

胸の内で悔いている内に、ホシノさんが寝ぼけ眼をこすりながら起きてくる。

 

「むにゃ。まだ起きる時間じゃないよー。ああ、セリカちゃんこっちのは昨日拾った子ねー」

「えぇ、拾ったって…そんな事より!敵襲なんです!」

 

セリカちゃんと呼ばれた人は一瞬困惑した表情を浮かべるが、思い出したように警告を告げる。

その言葉に私はちらりと窓へ視線を向けた。部屋の位置からして狙撃はすぐに心配する必要はなさそう。

まだ寝ぼけ気味なホシノさんの肩をかつぎ、セリカさんは部屋を出て行ったので私も後を追う。

隣の部屋に駆け込んで行ったので覗き込むと、中には数名おり銃器を手に取る所だった。

私は室内に入らず通路でしゃがみ、外からの射撃を警戒して壁へと背を預ける。

 

「あの武装集団は、カタカタヘルメット団のようです!」

「性懲りもなくまた来たのね!ホシノ先輩を連れてきたわ!ホシノ先輩、こちらはシャーレの先生です」

「おちおち昼寝もできないじゃないかー。あ、先生?よろしくー」

 

眠そうにあくびをしながらホシノさんは挨拶を交わしている。

シャーレのセンセイなる女性は優しげな様相にワイシャツとタイトスカート。

近くの椅子には羽織っていただろうスーツの上着とビジネスバッグが置かれている。

 

「先生のおかげで弾薬と補給品の目処も立った。節約せず行ける」

「全員出撃ですね☆あ、ケガをされているならゆっくり休んでください~」

 

大型マシンガンを持つ女性に気を遣われ、先生と眼鏡をかけた尖った耳を持つ女性を残して出撃していく面々。

どうやら壁を背にしゃがんでいたので、重症だと思われたらしい。

幸いと窓際に寄ってキヴォトスでの戦闘を見学する事にした。

 

 

 

話には聞いていたが、眼下では目を疑う光景が繰り広げられている。

私の知る生身の戦闘とは、弾が一発でも当たれば満足に動けなくなるのが常識だった。

しかしアビドス高等学校の面々も敵も、当たって痛がる所か弾幕に飲まれても気絶する程度。

例え訓練用のゴム弾でもああは行かない。実際に流れ弾で遮蔽物は見るも無残な姿となっている。

呆然として見ていると、外套を引っ張られて窓から離される。

 

「ダメですよ。そのケガですし動けないでしょう?」

 

眼鏡の女性にそういわれて視線を追うと、ぼろぼろな全身を見ているようだった。

確かに全身包帯でこのありさまなら、重体と思われても仕方ない…のだろうか?

ならばと思い先生と呼ばれた女性へ視線を向けると、丁度ビジネスバックから板状の端末機を取り出す所だった。

彼女が手元で操作を行った時、耳鳴りが小さく聞こえる。

 

”アロナ、行ける?”

『お任せ下さい!』

 

端末から向かい合う形で半透明に浮かび現れる少女。気合を入れるように胸元でこぶしを握って見せている。

少女の映像が消えると耳鳴りは止み、端末の画面には戦場の上空から撮影したような映像が表示された。

ドローンを飛ばしたのかと思ったが、外には何もあるようには見えない。

一体どこから撮影しているのかと探していた視界に、何故か見覚えのある赤い線が目に留まった。

機体越しでよく見た照準光。認識すると同時に頭の中でピーピーッと警告音が鳴り響く。

咄嗟に身をひるがえすと、丁度部屋の外へ出ようとした先生とぶつかってしまう。

仕方なく抱え込む様に地面へ押し倒すと、数瞬の後に轟音と衝撃が襲ってくる。

狙いがずれたか、反動の制御が甘かったのか。少し離れた所に着弾したようで、ヒビ入った天井からわずかに破砕が飛んでくる程度だった。

先生の持っていた端末の画面を覗くと、丁度範囲外から侵入してくる装甲車と、取り付けられた大型砲が見える。

いつまでも抱えている理由もないため、身体を起こそうとすると下から思いっきり息を吸う音が聞こえる。

 

”すぅぅぅ…あっ、すごい濃厚な獣臭(じゅうしゅう)…癒される”

 

何しているのかこの人は。疑問に思いながらも身体を起こすと、残念そうな声が上がる。何故。

 

”あぁ…あ。庇ってくれてありがとう”

 

名残惜しそうな声の後、先生はお礼を述べてきた。

一瞬何のことかと思ったが、思い返してみれば危険から庇ったような形になったのかと納得する。

気にしないと伝えるように首を振り、見つけた装甲車へ指を指し示す。

指さした先に視線を向けた先生も気付いて、アビドスの面々へ注意を促した。

そこから先生がオペレートを始めると、先程よりも更に洗練された連携で敵を圧倒し始める。

最後に灰色の髪と狼耳の女性がドローンで装甲車を吹き飛ばすと、敵は這う這うの体で散らばりながら逃げていく。

その姿を見送りながらぼんやりと考える。

先程頭の中に鳴り響いた警告音と言いスキャンと言い、私の身体はどうなってしまったのかと改めて不安を抱いた。

 




中央線だと前・後書きと被ってしまうので、視点切り替えの区切り線を試行中。
ケモ吸いは吸引薬。

ケモ621のルビコン時代の小説って需要在ります?

  • 1.本編で乗せれる一部で良いですよ☆
  • 2.ん。あるから全ルート書くべき
  • 3.うへ。まずは完結からじゃない?
  • 4.まだ指が回るようなら表現力を鍛えろ!
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