知っていはいけない「世界の常識」…なぜ日本人は、国益を損ねる「国際的なプロパガンダ」に抵抗できないのか~「商業捕鯨の批判」から考える

欧州の日本の捕鯨問題への批判が根強い。特定の価値観によって“野蛮な日本”というイメージを定着させ、「異質論」として展開した反捕鯨団体の国際的なキャンペーンは、まさに情報戦・認知戦の側面を持っている。

これに対し日本国内では、捕鯨問題を「文化の問題」のみで議論され、「情報戦」の視点では語られない。そこで今回は、前駐オーストラリア特命全権大使の山上信吾氏、第30代航空幕僚長の外薗健一朗氏、危機管理コンサルタントの丸谷元人氏が、「情報戦・認知戦に打ち勝つためのインテリジェンス」についてを明かす。

書影:山上信吾、外薗健一朗、丸谷元人著『官民軍インテリジェンス』(ワニブックス刊)
書影:山上信吾、外薗健一朗、丸谷元人著『官民軍インテリジェンス』(ワニブックス刊)

※本記事は、山上信吾、外薗健一朗、丸谷元人の共著『官民軍インテリジェンス』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

日本人が知らない「捕鯨問題」ウラの顔

丸谷元人(以下丸谷): 私が捕鯨問題で感じていたのは、あれが日本のイメージを破壊することに、非常によく機能していたことです。

実際、国際社会、特に欧米諸国において、日本の商業捕鯨は「残酷」「野蛮」といったイメージで報じられることが多く、日本の国際的な評判に少なからず悪影響を与えていました。反捕鯨団体による抗議活動がメディアで大きく取り上げられることで、日本の「捕鯨国」としての側面が強調され、国家ブランドの毀損につながっていた。

反捕鯨団体「シーシェパード」設立者のポール・ワトソン。日本の調査捕鯨を妨害した容疑で国際手配されていたが、身柄引き渡し要求をデンマークが拒否したため、2024年12月17日に拘留から解放された(写真:gettyimages)
反捕鯨団体「シーシェパード」設立者のポール・ワトソン。日本の調査捕鯨を妨害した容疑で国際手配されていたが、身柄引き渡し要求をデンマークが拒否したため、2024年12月17日に拘留から解放された(写真:gettyimages)
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私と議論したオーストラリア人はよく「クジラは高度な知能と社会性を持つ生物であり、神から食べ物として与えられた生き物ではない」と主張していました。それに対して私は「では、インド人があなたに『神聖な牛を食べるな』と言ったら食べないのか」と反論しました。

そう言い返されると、誰も答えられない。日本が国際社会で包囲されそうな時にはこういった反論をしっかり用意しておく必要があると思います。

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