子供の連れ去り問題も「夫のDVが原因なんだから仕方ないでしょ」と開き直るお母さんがいっぱいいます。しかし、国際結婚をして相手の国に移住して生活していたのであれば、まずはそこでの救済手続を追求するのが世界標準なのです。
日本人異質論が日本外交の手枷足枷にならないよう、どのように国際的な議論をコントロールしていくべきか――そういう観点からも、インテリジェンスで相手国や国際世論の背景にある意図、価値観、情報操作の動きなどを正確に把握するインテリジェンス能力が不可欠になるわけです。
「子供の連れ去り」で私が一番懸念したのは、その問題を英語で表現する時に「abduction」という単語がしばしばもちいられることです。ハーグ条約上は「removal」という表現もあるのに。ご存知の通り、北朝鮮による拉致は「abduction」と表現されてきました。
人道にもとる国家による組織的・計画的な犯罪と一家庭内の親の不仲に基づく子供の転居に同じ言葉を当てはめる不条理です。これこそ、拉致問題の重要性を損い、日本の主張を貶める情報戦、認知戦ではないでしょうか。
…つづく<じつはアメリカにとって、日本は「親友国ではない」…外務省がもたらした、知ってはいけない「日米同盟の真実」>でも、官僚、民間、自衛隊、それぞれの組織でのインテリジェンスの世界に迫ります。