禅と易経から導かれた幸福への手引書です。著者自身、「幸福に至る小道についての本」と本書を位置づけています。禅や易経の解説と共に、如何にして生きればよいかを説いています。幸福論を述べる本の中でも秀逸な1冊だと私は考えます。
「今ここに生き、二元論的な区分を取り払う」禅と、「ある状況は、肯定的な光に照らしてみたときのみ、好ましいものとなる。」という易経の考え方、そして、我々は宇宙の一部であり、138億年発展を遂げてきている宇宙の一員であるという強い意識を持つことを奨めています。宇宙の一員とは大風呂敷を広げてと思われますが、道元が「悟るとは万物と親密になる」と言ったように、宇宙との一体性を持つこと自体が悟ることに通じます。
このことから、我々が宇宙の法則に則って生きれば幸福へ導かれると解釈しています。それでは、宇宙の法則とは、
「あらゆる行動は反応を生み出す。その反応は常に行動と調和する」という原因と結果の法則、
「何ものも失われたり、破壊されたりすることはあり得ない。ただ変化するだけだ。」というエネルギー保存の法則、
「人生という道に沿ってどのように身を処するかが、あなたの人生の展開を決定する。」というもう一つの基本法則
です。私たちの人生は、今までにしてきた一連の決断の結果ですから、人生の出来事に対してどう反応するかの個人的哲学に左右されます。その反応の結果がどうであれ、肯定的に考える思考を持つことが幸福への道につながります。つまり、
「自分の身に起きるあらゆる出来事は、起こり得る最善の出来事である。」
という認識の下、判断し行動することを重要視しています。これこそが宇宙と調和することのキーポイントであり、「宇宙と(人間との)コミュニケーションは出来事である。」「出来事は宇宙の言語である。」と考えれば、人生における試練も宇宙があなたにこれを経験しなさいと告げていると理解できます。
『宇宙の法則と調和して生きる方法』(クリス・プレンティス著、菅靖彦訳、サンガ、本体価格1,800円)






