機関車工学:上巻(その209)雑録:ガーラット式機関車
【 「ガーラット」式機関車 】
「ガーラット」式機関車は1909年豪州「タスマニア」国有鉄道が、同国における2フィート軌間の軽便鉄道にこれを使用したるをもって嚆矢とし、その後英国植民地の狭軌鉄道に漸次応用せらる。
ことに近来はそれに過熱蒸気を応用し大いにその力を増加するをもって、本邦においてもこれに注目するの必要あり。
第365図なし369図は英国「ベイヤー・ピーコック」会社製機関車にして、共に3フィート6インチ軌間の鉄道に使用せらるるものなり。
第45表はそれら機関車の重要寸法を示す。
「ガーラット」式機関車の特徴とするところ左のごとし。
1.汽缶を積載せる「フレーム」は、前後の「ボギー」車の上に安置せられ、「ピボット」にて取付けられ自由に回転し得べし。
2.各「ボギー」には「シリンダー」その他の器械部を具備し、且つ石炭及び水を搭載す。
3.汽缶の下部には車輪なく、また「フレーム」上に「サイド・タンク」を有せざるをもって、汽缶の高さならびに直径及び火室の設計について、「マレー」連合機関車等において見るがごとき種々の制限に関係なし。
4.軽便軌条にて曲線多き線路に使用するに便利にして、良く5チェーンの曲線を運転するに適す。
5.2個の「レギュ―レーター・バルブ」を有し、2個の「レギュレーター・ロッド」及び「レバー」を有し、同時にまたは独立して作業し得うべし。
6.1個の蒸気管は普通の通り「スモーク・ボックス」内に導かるるも、他の蒸気管は火室の後部を貫通して「フート・プレート」の下に導かれ、もって後部「ボギー」の「シリンダー」に至る。
7.蒸気管、放気管、「リバーシング・ロッド」等、汽缶または機関手室より両「ボギー」に赴くものは、「エンジン・ピボット」の垂直線内において「ボール・ジョイント」または「ユニーバーサル・ジョイント」にて連結せらるるをもって、「ボギー」の運動に伴い何らの影響を蒙ることなし。
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