第7回吉川友梨さん不明、10年後の重大証言 捜査本部の期待と戻らぬ時間
【前回】100人調べ、絞れぬ犯人像 吉川友梨さん捜査「やれること何でも」
大阪府熊取町で当時9歳の友梨さんが行方不明となって、5月20日で20年となる。入手した捜査資料や当時の取材メモ、事件を知る関係者への取材をもとに、警察の捜査を振り返る。
両脇に住宅が並ぶ細い道を車で走っていると、前方に停車中の白いセダンが見えた。
「邪魔やな」
そう思いながら、右側を通り抜けようとした瞬間、正面からタクシーが走ってきた。
「危ない」
車を止めると、セダンとちょうど横並びになった。
左側に目を向けた。
運転席には、中年の男。その向こう側、助手席にも人影が見えた。女の子だった。
男と目が合った。
にらみつけられた。
怖くなった。
タクシーとすれ違い、その場を去った。
【地図で当時の状況解説】 忽然 吉川友梨さんを捜しています
吉川友梨さんが行方不明になった現場周辺地図や目撃証言などから、当時の状況や犯人につながる情報を振り返ります。
10年前の出来事がふとよみがえった。大阪府熊取町の小学4年生、吉川友梨さんが行方不明になって10年がたつことを伝えるニュースを見たからだ。
てっきり、事件は解決していると思い込んでいた。情報提供を求めていた大阪府警の捜査本部に連絡し、告げた。友梨さんが行方不明になってちょうど10年後の2013年5月20日のことだ。
「当時、現場近くで白い車が止まっているのを見た。運転席に男、助手席に女の子が乗っていた」
助手席の女の子 両目を閉じ、じっと
電話の主はあの日の午後3時ごろ、友梨さんの自宅の方から交差点へ車を走らせていた。
白いセダンの助手席の女の子…
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