8歳で行方不明になった娘、34年捜す両親「きっと面影残っている」

有料記事

奥田薫子
[PR]

 横浜市旭区で1991年、当時8歳で小学3年の野村香さんが行方不明になってから、10月1日で34年が経つ。40代と30代だった両親はともに70歳を超えた。事件を風化させまいと活動しながら、娘の帰りを待ち続けている。

 「ここに、水ぼうそうの痕があるんです。今はもう、消えてしまっているかしら」。眼鏡をかけて香さんの似顔絵をまじまじと見ながら、母親の郁子さん(72)は鼻の左上あたりを指さした。

 ランドセルや、香さんが大好きだった「シルバニアファミリー」の人形は、今も大切に保管してある。

 共働きの両親を気遣い、寝る前に翌日の洋服も自分で用意するようなしっかりした子だった。

 幼い頃は引っ込み思案で年子の姉に甘えることが多かったが、小学3年になってからは自己主張する場面が増えた。そんな香さんの成長を夫婦で頼もしく感じていた。

 朝、香さんを起こすのは父・節二さん(77)の日課だったが、あの日は自分で起きてきた香さんに「行ってくるよ」と声をかけて出勤した。それが最後に見た姿だった。

押しかけてきた宗教の勧誘、霊能者

 香さんは学校から帰宅後、自…

この記事は有料記事です。残り818文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

【30周年キャンペーン】今なら2カ月間無料で有料記事が読み放題!詳しくはこちら