第3回小3で不明になった娘が40歳に 野村香さん家族「時間との闘い」

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市原研吾
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 横浜市旭区相鉄線鶴ケ峰駅から15分ほど歩くと、車1台通るのがやっとの細い路地が住宅の間を縫っていく。この地区で暮らす野村節二さん(75)と妻郁子さん(70)は、小学校3年生(当時8)のときに行方がわからなくなった次女香さんの帰りを31年間、待ち続けている。香さんは3月、40歳になった。

野村香さんに関する情報提供は、特別捜査本部(045・361・0110)へ。

 1991年10月1日。香さんは自宅から約500メートル先の書道教室に出かけた。教室は毎週火曜の午後4時から1時間弱。いつも始まる10分前には家を出ていた。

 ただ、この日は偶然が重なった。

 昼過ぎに神奈川県全域に大雨洪水警報が出て、旭区も降り続けていた。ふだん一緒に習い事に出かける一学年上の姉は、残り少なくなった学習ノートを買うため、先に家を出ていた。

 午後5時ごろにパート先から郁子さんが帰宅した時、香さんはいなかった。家には鍵がかかっていて、書道バッグも傘や長靴もなかった。書道展を来月に控え、まだ頑張っているのだろうと思った。

 それから近所のスーパーに出かけ、戻ったのは6時半ごろ。すでに帰っていた姉が心配し、知人に電話しているところだった。郁子さんはすぐ教室に電話を入れた。

注目した細い路地

 「もうみんな帰りました。香…

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