もう今年も3月に入りまして、バイクの時期も押し迫ってきたので、
冬の間に溜め込んだ整備に追われている、そんな方も多いんじゃないですかね。
僕もその一人なんですが。
この間雑誌を読んでいたらモデルチェンジしたばかりのインジェクションモンキーが載っていまして、
エンジンを分解している写真を見ていたら、
「このエンジンのカムスプロケット、少し大きい気がする…」と気が付き、
気になって部品屋さんに駆け込みパーツリストを確認したところ、
今までは28丁のスプロケットが使われていたんだけど、
インジェクションのモンキーになってからは、
32丁で2穴タイプのスプロケットに変更されていまして。
本来中華エンジンは32丁のスプロケットを使う事が多かったんだけど、
なぜかカムサイドの穴が3穴の場合ばかりで、
ハイカム化しようにもスプロケットは別で用意しなければいけなかったんだけど、
このカムスプロケを流用すればハイカム化のハードルが大幅に下がる事になる。
中華エンジン乗りにとってハイカム化はちょっとしたステータスだったんだけど、
今までの苦労は何だったのか…
で、金額が安かったので僕もそのカムスプロケを買ったんだけど、
上の写真の左がインジェクションモンキーのスプロケで、
右は山ちゃんが昔作ったステンレス製オリジナルのカムスプロケット。
分かってはいたけど形は全く同じですな。
インジェクションモンキーのカムスプロケは当然バイク屋さんで購入できるので、
部品番号「14321-GBJ-M30」 この番号で部品を買って、
これからはとってもお気軽にハイカム化が出来るって事になりますね。
しかし良い時代になったなぁ。
でもね、僕らが調べた結果、
「スプロケを用意したところで2穴タイプのカムが入らない」って言う中華エンジンもございまして。
せっかくなのでハイカム化できるエンジンと難しいエンジンを紹介してみようかと。
まぁ全部買って調べた訳ではないので寝言だと思って聞くよろし。

まずはこれ。
僕が昔購入したLIFANの125cc2次側クラッチエンジン。
これはセル付きだけどセルが無い物も存在してますね。
このエンジンは前に我が倶楽部でタ○ガワのS15カムを組んだ実績があるので、
当然だけどハイカム化は可能です。
オイルフィルターローターも軽量化してやればブン回るエンジンに化けてくれます。
そう言えば昔このエンジンの動画もようつべにアップしましたっけ。
オークションでも今だ人気があるし、
しばらくは消える気配も無さそうなエンジンですねぇ。

これは僕が使っているタイガーのエンジン。
これも前に我が倶楽部でハイカム化しましたな。
このエンジンは現在単体では売られてはいないものの、
たまたまロケットボーイから降ろしたエンジンだけで出品されてまして。
このエンジンが使われている車種はロケットボーイの他にも、
タイガー社のホッパー125やCX125、遠心クラッチだけどTIGER125なんかがあって、
ヘッドはどれも同じなので当然ハイカム化は可能です。
このエンジン、僕としては大変お気に入りなんだけど、
エンジンだけでは売られてないし、独自規格な部品も多く、
今では150ccなどの面白そうなエンジンも増えてきたので、
今後ユーザーが増える事も無いかもしれませんねぇ。
ただ125ccの割にはビッグバルブなので排気量にこだわる方にはオススメ。
手に入れるにはこのエンジンが搭載された車体を買わなきゃだけど。

ここからは同じヘッドが使われているであろうエンジンをピックアップ。
まずはWIN120エンジンです。
このエンジン、と言うかこのヘッドが使われているエンジンを僕は実際使ってますが、
小さい方のベアリングをそのまま使ってやればハイカム化は可能。
ただこのエンジンの場合カムスプロケットは、
前回紹介したように穴を一ヶ所開け直してあげればハイカム化できるので、
ボール盤を持ってる方なら新たにカムスプロケットを買わなくてもいいです。
このエンジンは補修部品も揃うので、
似たようなエンジンを使ってる方は、
ガスケットなどパーツだけお世話になった人も多いのでは?

これは僕が使っている125ccの中華エンジンで、
写真ではメッキで分かりにくいけどタペットクリアランスを調整する穴のカバー、
ここがボルト2本で固定されている物は基本的にハイカム化は可能で、
しかもこのカバー、INが27ミリ、EXが23ミリのビッグバルブヘッドの証です。
このエンジンと全く同じ物はなかなか見かけませんけど、
現在LIFAN製で真っ黒に塗装された同じであろうエンジンは売られていますね。
僕のように125ccでビッグバルブの2次側クラッチにこだわる方にはオススメかと。
おまけにプライマリーキックなのでクラッチレバーを握っててもキックできますよ。

これは140ccとして売られていますが実際は138ccの中華エンジン。
このエンジンもタペットカバーがボルト2本止めなのでハイカム化は可能でしょう。
ただこのエンジンの場合、排気量も多く高回転化も可能なんだろうけど、
写真で見た感じ1次側クラッチですねぇ。
たぶん強化はされてるとは思うんだけどクラッチにかかる負担は2次側クラッチの倍以上なので、
ハイパワー化よりも他の事で悩みそうな予感がします。
僕としては1次側クラッチのエンジンは使う気になれないってのが本音…

これはオークションで大人気の150ccエンジン。
オマケにクラッチはデイ○ナのスペシャルクラッチのパクリです。
この写真で分かるようにヘッドのタペットカバーのボルトが2本になっているのが分かると思いますが、
当然このヘッドもビッグバルブでハイカムを入れたら大変面白そう、と言うか、
ある意味ハイカムを入れなければいけないエンジンなのかもしれません。
ただラフキックでのトラブルも多いためそこは注意が必要かと。
ミッションのギアが欠けたりクランクケースが割れたなんて話もチラホラ…
さらにピンクナンバーで乗ってたら確実に御用です。
まぁそこは大人の判断に任せますが。
キックでギアが欠けてしまったりクランクケースを割ってしまったこのエンジンの場合、
正しいキックの方法を知らないまま載せてしまった人が多いように思えます。
圧縮上死点を出して勢い良くキックしてるのではダメ。
そこから少しキックペダルを踏みながら待って、
圧縮を抜いてからキックしましょう。
それでもダメだったらエンジンの耐久性が無さ過ぎる証拠ですが、
自信のある方だったらレースに使っても面白いエンジンだと思いますよ。

これもオークションで発見したエンジン。
125ccの4速リターンミッションでクラッチは1次側、さらにセル付きです。
このエンジンのヘッドもタペットカバーはボルト2本止めなんだけど、
シリンダーは鉄だし1次側クラッチなので、
ハイカムは入るかと言われれば自信がありません…
とは言ってもハイカムが入るからと言ってこのエンジンを指定買いする方はいないと思いますが。

これは僕のタイガーエンジンのヘッドの写真なんだけど、
このように大きい方のベアリングが、
ヘッドの収まりそうなエンジンの場合に限ってカム交換が可能と思ってもらっても良いかと。
今まで紹介してきたエンジンのヘッドは、
こんな風にベアリング付きのカムが入るようなのばかり、
と言うかそれしか載せてありません。
小さい方のベアリングは最初から装着されていたベアリングに打ち換えればいいだけだし、
金属シールの高速ベアリングに交換してしまっても問題は無いでしょう。
とにかくハイカムを入れたかったらベアリング付きのカムが入るかを先に確認することをオススメいたします。

ここからはハイカム交換が不可能なエンジンをピックアップ。
まずは前にウチでも扱ったGET ONEさん販売の110cc1次側クラッチエンジン。
これは4速リターンミッションですが、
4速ロータリーの遠心クラッチエンジンも存在します。
このエンジンはスタッドボルトがワイドピッチでないため、
国産のエンジンに似たような感じを抱かれるかもしれませんが、
ヘッドにはベアリング付きのカムが組めるようには出来ていないため、
このヘッドを使ってのハイカム化は不可能かと。
このエンジンに装着されていたカムと似たカムが装着されていたエンジンで、
5速リターンの1次側クラッチ125ccエンジンなんかも、
ヘッドのカムホルダーが特殊なため不可能かと思います。
理由は下の写真。

ヘッドを左側から見た写真なんだけど、
どう考えてもベアリング付きのカムが入りそうな形をしてませんよね。
なのでハイカム化は不可能と判断させていただきました。
しかもこのヘッドの場合カムの長さも特殊で、
一般的なベアリング付きのカムや、6Vエンジンのような油圧保持のカムより全然短い。
このヘッドも所詮はコピーエンジンなんだろうけど、
何からコピーしたかも僕には分かりませんでした。
ここではハイカム化は不可能とさせてもらうけど、
金属加工が出来る工作機械(フライス盤や旋盤)を持っていて、
高度なメタルワークが可能な方なら、
どうにかしてハイカムを組んでしまうかもしれないですね。
それにそうやって出来そうにない事を形にするのがチューナー魂だと思いますし。
僕はそんな腕無いので他の人に任せた♪
他にも山のように中華エンジンは存在してて、
中には3バルブヘッドのエンジンや水冷エンジンなんて言う凄いエンジンも存在します。
その他コチラのHPにもあるように、
どこで売ってるかすら分からないエンジンもあって、
規格も仕様もまさに乱立状態。
なので先にエンジンの中身をキチンと調べ上げてから、
部品を注文するなり用意した方が身のためって事です。
そんな訳で長々と書いてきた通り、
中華エンジンのハイカム化のハードルがグッと下がった訳ですが、
自分で手を入れるなら責任を持ってキチンと整備をして、
事故や怪我をしないように乗っていただきたい。
それとここに書いてある事と違っていたとしても、そこも当然自己責任で。
次回は先になると思うけど、
この前に入ってきたカブの修理の話でも。
それではまた見て下さいな。
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