★「今は国民民主党代表・玉木雄一郎に立憲民主党が翻弄(ほんろう)されているのだろう。我々自民党もいろいろなチャンネルでここ数年接触したが、玉木の手法は毎回、決めたルールのハードルを会うたびに引き上げる。それに付き合い切れず交渉は暗礁に乗り上げる。その繰り返しだよ。今は立憲がありとあらゆるへ理屈に近いハードルを掲げられて苦しんでいるのだろう」と自民党議員は同情する。

★玉木は「首相をやる覚悟はある」としながら立憲に安保やエネルギー政策において基本政策の一致を求め、ガソリン減税と年収の壁の引き上げなどを要求する。だが、14日の立憲幹事長・安住淳によれば「きれいごとでごまかしているうちは本物ではない」とポイントはそこではないとし「政権を本気で変えるなら、48票を死に物狂いで集めるしかない」「本気で私どもは勝ちにいっている」と玉木の数十倍の覚悟を示している。立憲議員が言う。「幹事長・榛葉賀津也も多分、自民党副総裁・麻生太郎から『野党共闘のハードルを上げて野党分断をはかれ』と指示されているのではないか」と疑う。一方、国民民主はそれが信じられない。「党代表・野田佳彦と安住は財務省寄りの財政規律派。減税などおいそれとは言えないはず。『消費税負担軽減対策チーム』の発足を立憲は示したが、本気かは減税路線を明確にしないと信用できない」(国民民主関係者)。ただ立憲・国民とも、代表と幹事長だけでこの議論を進めていて、両院議員懇など党内意見集約をしたらまとまらない。玉木はそれを含め、時間稼ぎをしているのではないか。

★玉木は首相をやる覚悟があるというが、ハードルばかり上げて首相をやる度胸がないのだろう。野党共闘の首相になっても多くの閣僚は立憲が占めるだろうし、自民党にしっぽを振りたいだろう。玉木が本気ならその「覚悟」のほどを見せ、野党3党をまとめ切るべきで条件を出すことではないはず。立憲はいつ玉木をあきらめるかが今後の焦点だ。政界関係者が言う。「先週、土曜日あたりまでささやかれていた公明党代表・斉藤鉄夫首班で立憲・国民・公明でまとめるプランBがあるはず。維新が自民党と組んで右派が集まれば、自民党の造反もあるとの見方がある」。まだまだいろいろ変わるが国民は蚊帳の外だ。(K)※敬称略