神奈川県警本部長交代へ ストーカー殺人事件で処分の和田氏異動
神奈川県警の和田薫本部長(56)が内閣衛星情報センター次長に異動する人事が15日、発表された。異動は23日付。県警は、ストーカー被害などを警察に訴えていた女性が殺害された事件で不適切な対応をして批判を受け、和田本部長も処分を受けた。ただ、警察庁は「通常の異動」としている。
後任の本部長には今村剛・警察庁警備運用部長(55)が就く。
事件は、川崎市の岡崎彩咲陽(あさひ)さん(当時20)が昨年6月以降、暴力やつきまといなどの被害を受けた末、殺害され、今年4月に遺体で見つかった。元交際相手の男が殺人などの罪で起訴されている。県警は、一連の対応の検証結果を9月4日に発表し、部門間の情報共有や連携が不十分だったなどとして、ストーカーなどの事案の司令塔ポストの設置などの再発防止策をまとめた。川崎臨港署と県警本部の幹部や担当者ら計43人が処分され(処分相当を含む)、そのうち和田本部長は「必要な指揮を欠いた」として警察庁から口頭厳重注意の処分を受けた。
和田本部長は9月11日に県議会本会議で謝罪し、再発防止策を説明した。こうした対応が区切りを迎えたことから国家公安委員会と警察庁は本部長の交代を決めたとみられる。和田本部長は24年8月から務めてきた。
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