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住居に出る不審者、その他の奇妙な隣人たちとの壮絶な戦いの記録

今日、わたしは引っ越した。画像は引っ越し蕎麦だ。
もともとわたしは半死人であり療養中なのだが、旧い住居で不審者二人につきまとわれ限界になり、とうとう引っ越したのである。

回復を、せねばならぬ。それがわたしの命題である。
そう、わたしには適切な治療を受け、回復の必要があった。
わたしは肉体的には膠原病のシェーグレン症候群という、わかりやすく言えば自己免疫疾患を持っている。
さらに精神的には重度のPTSDと双極性障害で、年金をもらいながら細々と暮らしていた。なにがあったかはここでは伏す。こんな時間に吐いたり泣いたり、内臓がひっくり返るような嫌な気分になりたくはないだろう。
話を戻す。
日々の飯も食べられず吐き、なにもできず寝たきりで、2時間しか眠れない。できることといえばTwitterのタイムラインを追うことだけ。
今でこそだいぶ回復してラジオ体操や散歩ができるようになってはいるが、旧住居に入ったときはほぼ寝たきりでなにもできなかった。
そんなわたしが、旧住居で出会った不審者と、それに付随する変な人らのせいで、引っ越す羽目になった。
これから書くのは、回復したいわたしとそれを全力で邪魔する不審者どもとの戦いの記録である。

不審者、初遭遇

腹は減るから、スーパーマーケットに出かけた帰りのことだった。
「あのぉ、すいません」
「はい、どうしましたか」
わたしは髪がぼさぼさで白髪交じりの、なぜか右腕か震えている老人(不審者Aとする)に話しかけられた。

「あのぉ。なにも食べてないので、お金なくて、だから、お金をください」

「嫌です」


断った。当たり前体操だが普通に断った。

初対面のジジイ、突然、初対面の人間のお金をせびる、不審者。
部屋に戻り警察に即通報した。怖くて震えが止まらなかった。
スーパーマーケットで買ってきたごはんをわたしはモリモリと食べ、負けるものかと奮起した。

くつろぎタッグ不審者、部屋に踏み込もうとする

次に、時系列は前後するが、夏の話をしよう。
今年の夏は暑かった。毎年のことだが、ちょっとそろそろどうにかなりませんかという暑さだ。
しかしその暑さが、7月にふと和らいだときの話である。

いつものように用事を済ませ、マンションに帰ろうとした。

マンション前のエントランスで、不審者が二人くつろいでいた。

そう。
このマンションの不審者は、二人いる。
片方がマンションと契約している住民のため、オートロックが意味を成さない。
つまりこの不審者二人は、自由に我が物顔でマンション内を出入りできるのだ。住民だから。

……エントランスで靴を脱ぎ、足を出し、肘をついて寝っ転がるのは我が物顔どころの騒ぎじゃなくないか。

わたしは無視して家に入ろうとした。
声をかけられた。その内容が信じがたいものだった。

「部屋の鍵をなくしたのであなたの部屋に入れてください」

……背筋が怖気立つ、とはこういうことを言うのか。

わたしは「嫌です」ときっぱり断り、部屋に戻った。
怖い怖い怖い。動悸が収まらない。
そもそもわたしと不審者二人はお互いの名前も知らない。顔を合わせれば金の無心をしてくる。顔見知り以下である。見知りたくない。
そのような間柄の女性に「部屋に入れてください」と言うなんて、冗談でも理解できない。

怖くて怖くて管理会社に連絡し、警察にも通報した。
やってきた警察に事情を説明していたら、住民のジジイがやってきた。
ジジイはわたしに説教を始めた。
「あなたねえ、警察は呼んだら来ないとならないんだから、そんなくだらないことで呼ぶんじゃありませんよ。変な人ってわかるでしょう。無視していかないと。あの人たちにだってなにか事情が」

うるせえば〜〜〜〜〜か!!!!!!
若い女に説教してえならキャバクラ行けや!!!!
男で体格よくて肉体労働の(説教の最中に聞いた)お前なら犯される心配も殺される心配もなくていいな〜〜〜〜〜〜〜!!!!!! ピロピロプ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!

ということがあり、最後らへんはかなり追い詰められていたと思う。
このジジイは会うたびにわたしに説教をしてくるため、そういう性癖なんだと思う。

ラストマイル余韻台無し事件

わたしが一番許せなかったのがこの事件だ。
その日、わたしは楽しみにしていた映画「ラストマイル」を観た。
内容についてはなにを言ってもネタバレになるため、2024年の映画ベストになったとだけに留めておく。最高の映画体験だった。
テーマソングである米津玄師の「がらくた」を聴きながら、頬をくすぐる少し涼しくなった夜風を感じて歩いていた。家まで、あと5歩。なんていい日だったんだろう、とわたしは最後の曲がり角を曲がった。不審者がいた。「お金をください」と言い終わる前に「嫌です! 警察に行きます!」と言って最寄りの警察に走った。走りながら泣いた。どうして最高の日を、最悪に塗り替えられないとならないんだろう。わたしとなんの関係もない不審者の、つまらない金の無心によって。



いろいろあって一年半くらい経過し、今日引っ越しを終えた。
今度の家は本当に静かで、利便性よりなにより治安のいいところにした。
本当に、肩の荷が下りた気分である。

ほしいものリストを貼るので、よければそこからご恵贈いただければ幸い。
書籍

その他雑多

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住居に出る不審者、その他の奇妙な隣人たちとの壮絶な戦いの記録|赤夜燈
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