三笠宮家が割れたことについて

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先日、森暢平先生のサンデー毎日記事の紹介ブログを書きました。

「三笠宮家」と「三笠宮寛仁親王妃家」が誕生した件について書かれています。
多くのコメントをいただいて、ありがとうございました。

そして、コメントの内容が割れています。

寛仁親王と信子妃が事実上、離婚状態にあったことや、信子妃がお子様とも仲違いし、別居に至っていたことは公然の秘密でした。信子妃は皇籍離脱するのが筋であったというのは何も信子妃を皇室から追い出せと言いたいのではなく、なぜ母である信子妃を当主にして三笠宮家を一つの家として運営できないのか、前例のない親王妃家を設立してまで皇族でいるべきとお考えになったのかの説明くらいはしてほしい、それができないのなら税金負担が増える宮家設立よりも皇籍離脱を選ぶのが筋だろうということなんですよね。信子妃は寛仁親王のご生前からすでに婚姻関係が破綻していたことを踏まえると、なおさら今回の親王妃家設立は不可解です。

森先生の「信子妃の『独立』はやむを得ない事態であったこと、前例にはしないこと、信子妃は養子を取るつもりがないこと――の少なくとも3点は宮内庁に明言してほしかった。」については、笹さんもブログで「一から十まですべて詳らかにしろとは言わないが、 今なぜ新しい宮家を創設するのか、 何を根拠にそうした動きになったのか、 そのぐらいは明らかにしたっていいんじゃないの。 あまりに唐突なんだから。 できない理由があるのなら、不信感を抱かざるを得ない。」と書かれていましたが、全く同感です。

皇族だって親子の不仲くらいあるし、そのくらい察してよと言いたいのかもしれませんが、これが天皇陛下や秋篠宮殿下であれば、すべてを詳細にはできなくとも何かしらお言葉があるはずです。宮内庁が説明しない状況のままでは、お誕生日会見で、秋篠宮殿下が(本来は筋違いの)三笠宮家に対する質問を受ける事態も予想されます。

>旧宮家養子案を受け入れる可能性がある宮家の数が増えたことは、彬子女王ら男系継承維持派の深謀遠慮ではないかとの疑いも浮上する。

実は私も同様の疑いを拭いきれません。ふぇいさんが「よくわからない」と書かれる森先生の上記のご懸念ですが、確かに普通に考えれば、追放されているお立場の信子妃が寛仁親王の養子という名目で養子縁組するのは理屈が通らないし、彬子女王が独身のまま養子を受け入れるというのもおかしな話です。しかし、すでに前例のない親王妃家の設立がいとも簡単に決定されたことで、「どうにでもなる」という印象が国民の中に芽生えてしまったことが最大の問題ではないでしょうか。「皇位ってそうまでして男系継承を守らなくちゃならないんだ」という意識が広まること自体が害悪です。

すでに内閣法制局は、「憲法の世襲という要請に応えるなら養子案は違憲ではない」と強弁しており、男系派は愛子さまの皇位継承を妨害するためなら、どんな屁理屈でも正当化することは明らかです。
上皇陛下の生前退位も一代限りの特例法に後退させられてしまったことを思えば、今回も皇室典範特例法を設けて、「愛子さまがご出産可能な年齢にある限界」までは引き延ばし、旧宮家の養子案を法律で正当化するつもりかもしれません。実際に養子案が実現できるかどうかはそこまで重要ではなく、愛子さまの皇位継承と女系継承の芽を潰すための口実として、三笠宮家と寛仁親王妃家が利用される懸念があるということだと思います。
(mantokunさん)

皇籍離脱の条件が揃っているにも関わらず、信子さまが皇室に留まった意味を(国民となり自由を取り戻すことよりも事実に基かない誹謗中傷に反論できない皇族を選んだ意味を)考えてしまいます。

宮家創設は法に基かない以上、強制されることは無く、皇族本人の意志が重要視され、皇室と宮内庁で調整した後に最終的には天皇の承認が必須と考えられます。
法のネガティブリストに明記されていないため立憲君主である天皇はこれを否定できません。

信子さまの真意は分かりませんが、森先生が「異常事態」と評価する親王妃家の当人である以上、出自である麻生家の名誉は守ることには繋がりませんし、麻生太郎が推し進めている旧宮家養子案を立憲君主である天皇が許さないのは皇族の一員として肌で感じていると思います。
(皇統問題に関して立憲主義に則り何十年も発言を控えてきた天皇が、男系世間の空気に負けて旧宮家養子案を受け入れるなら、もっと早く自分の言動で雅子さまと愛子さまを生き地獄から救えた=安定継承の道筋を付けられたはずですが、それをしなかったのは立憲君主・象徴天皇としての自覚があるからこそで、これまでの在り方から、違憲の養子案には強く反対するのが自然です)

宮内庁が皇室の盾になっていないことには不満を覚えますが、眞子さまバッシングが皇室のトラウマになっているのですから、当事者が会見することは無いですし、その必要性を私は感じません。

国民が理想の皇族像を押し付けても皇室を支えることにはなりません。
皇室のことは皇室で調整できるように法の余白はあるべきで、生身の人間を前提として、個人の感情を無視しないのは保守もリベラルも共通のはずです。

信子さまは16歳の時に26歳の寛仁さまから求婚され、24歳で結婚するも、寛仁さまはアルコール中毒でDV疑惑あり。
寛仁さまは男系男子天皇に固執し、旧宮家養子案に賛成する一方で、皇籍離脱を望むも認められませんでした。
(彬子さま、瑶子さまに旧宮家から養子を取らせることを考えていても不思議ではありませんが、それは信子さまに取って屈辱のはずです)

この4人のこれまでとこれからの在り方に国民側から最適解を導き出せることは出来ません。
やはり皇室と国民は合わせ鏡で、苦楽を共にするしかないのだと強く感じます。

信子さまには愛子さまのことを詠んだお歌があります。
ご自身の境遇(元国民、伴侶の人格、娘との関係など)を比較しては欲しくありませんが、もしかしたら、愛子さまと同じ女性皇族ということに誇りを持っていて、それが今回の件に繋がったのかも知れません。
***
成人を 姫宮むかへ 通学に
かよふ車窓の 姿まぶしむ
***
(宮内庁解説)
寬仁親王妃信子殿下には、愛子内親王殿下を、ご幼少時より深い敬意と愛情を持って見守ってこられました。昨年、愛子内親王殿下におかれましてはご成年を迎えられ、寬仁親王妃信子殿下のお喜びは誠に大きいものであります。
ご立派に成長された愛子内親王殿下には、これまでにも増して、より一層学問に邁進されておられます。
ご通学のため、お車にてお住まいの御所を颯爽と御発になる際の、お髪(ぐし)も綺麗に整われて健やかな愛子内親王殿下のご様子を車窓越しにご覧になった寬仁親王妃信子殿下のご心境をお詠みになったお歌です。

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(参考)
皇室典範
第11条:年齢十五年以上の内親王、王及び女王は、その意思に基き、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
同条2項:親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、前項の場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
第14条:皇族以外の女子で親王妃又は王妃となつた者が、その夫を失つたときは、その意思により、皇族の身分を離れることができる。
同条2項:前項の者が、その夫を失つたときは、同項による場合の外、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる。
(ダダさん)

(全部のコメントを掲載せずすみません)

様々な意見をいただく中で、「宮家が増えたことが旧宮家養子案につながる疑念」というのが、私の中ではどうしてもつながらないのです。
小林先生も新女性宮家が2つ誕生する。 のブログで旧宮家系の男系男子が養子に入ってくることも可能だろう。「融通無碍」を警戒されていました。

上皇さまと天皇陛下のご意思に反するようなことを、本当に三笠宮家の皆さまは行おうとされるのだろうか、と。

この疑念に関して、直接森先生、小林先生に聞いてみるしかなさそうです。

さまざまな方面から25日のゴー宣DOJO、とても重要です。

文責 愛子天皇への道サイト運営メンバー ふぇい

2 件のコメント

    mantokun

    2025年10月12日

    ふぇいさん、私の不穏なコメントも誠実に取り上げていただきありがとうございます。私はまだ上手く言語化できていないため、実のところ私も、ぜひ今月のDOJOでは小林先生、森先生から直接この件に関するご見解を伺えたらと思っております。

    私のこのコメントだと信子さまが宮家に残ることに不満を抱いているように見える感じがしますが、実のところ私が懸念を抱いているのはお子様方のほうです。今回の三笠宮家の分裂には、娘が年老いた母親と対立を続け、祖母の弔問に来ることすら許さないという仕打ちによって、国民にさえ三笠宮家内部の不和が知れ渡ってしまったことが背景にあります。慣例に従い信子さまが当主を継いでいれば、このような不可解な宮家創設も負担の増額もなかったはずですが、三笠宮家を継ぐことになったのは百合子さまと同居していた彬子女王だったため、信子さまはお立場を無くしてしまい、前例のない親王妃家を設けて皇室に残っていただく措置を取るしかなかったのでしょう。

    森先生や私のコメントが信子さまに皇籍離脱しろと言っているように見えるかもしれませんが、(少なくとも私は)そうではありません。筋論で言えばそうなるところを、前例のない宮家分裂という措置に至るのであれば、せめて国民に最低限の説明はあって然るべきだという論拠として挙げているのであって、ただ皇族方を感情的に非難しているのではないことは理解していただきたいと思います。
    三笠宮家分裂は天皇陛下の思し召しであり、これこそ女性天皇への布石だという見方も現時点では推測の域を出ませんし、皇室を敬愛する日本国民なら何でも忖度して受け入れよというのもさすがに乱暴に感じます。
    私は皇族方に感謝と敬意の念を抱くことは前提として、皇族方のどのようなお振る舞いでも受け入れることとはまた別だと思っているのですが、これは個人によって見解が分かれる点かもしれません。
    ただ、その判断のためには、何を保ち、守るべきなのかという思想の鍛錬を続けていくことが必要なのだと思っています。(でなければ、愛子さま支持の名の下に秋篠宮ご一家を罵倒する輩と同じになってしまう)

    何より今は、男系男子固執の国会議員や官僚が執拗に養子案を主張している非常に微妙な状況が続いていることを思えば、少しでも疑念を抱かせるようなことは避けていただきたかったし、宮家創設が避けられない事態なのであれば、せめて養子案のための準備ではないことくらいは宮内庁からでも明言してほしかったというのが本音です。

    SSKA

    2025年10月12日

    森先生と一部の皇籍離脱を勧める主張に対しては断固反対します。
    皇室の現状の全体像と将来の姿について正しい捉え方なのか疑問に感じるからです。
    若い方が生まれないのも深刻ですが、皇室についての古い知識や慣習を伝えられる年長の方々がご年齢によって鬼籍に入られる事態も相当問題であるのに加え、女性宮家や女性を中核とするこれまでに無い新たな皇室像を企図するにあたり必要な人材は今の内部の方々を除いて他にいらっしゃらないのを冷静に考えれば容易く外に行けば良いと言う言葉は出て来ないのではないでしょうか、正直眞子様を結婚を機に執拗に追い立てた大衆の歪んだ情念と五十歩百歩に映っています。
    皇室の家法と呼ばれた皇室典範が現状堅苦しい法律となって中の方々を苦しめられている現状を見れば、縛られない不文の法が片方であっても良いし、それが当事者内だけで決める本来の家法の在り方に近いのではないかとも強く思いました。

    宮内庁が濁した理由について発表の時機から察するのならば、本来進められる予定だった女性皇族を守る法制度が一部政治家によって半ば潰さかけた事に対し、恐れ多いのですが激しい感情が背景に有ったのではないかと、たかが官僚如きがそのご真意を口に出来るものでは無かったのではないかと考えています。

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