第2回・「心の豊かさ」 を実現する方法の検討会議
林:
今回はどこかに行ってしまう企画が多くなっております。ではまず最初の案。ずっとやりたい企画です。
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林:
スイカ割りって目の前にあるから目を隠すんですけど、20km先とかにあったら隠さなくていいと思うんですよね。
武田:
楽しそうですね。右と左の指示しかないんですか。
林:
西、東でもいいですかね。西って言われても10km先だとさっぱり分からないから。
塩谷:
北東、とか斜めだった場合の指示が難しそうですね。
武田:
スイカの隣にいる人が遠くから指示出すんじゃなくて併走してる人が指示出すのは?
林:
いいですね。並走してる人が答えを知っていて指示を出せば、東西南北ではなく、左右で指示が出せる
武田:
あとはバットを持って歩くから、それだけが捕まらないように。
林:
野球部みたいなケースに入れます
武田:
京都みたいに碁盤の目とかだったら、すごい簡単かも。
私はスイカ割り、1回も成功したことない。
塩谷:
私もないと思う。なんか、スイカ割りっていうもの自体が豊かだよね。豊かさの象徴って感じするよね。
林:
スイカ割りいいですよね。次の企画はインドアです。
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塩谷:
AIだと思ってたのにAIじゃなかったら嬉しい
武田:
でも、AIだと思われてるのも悲しくないですか。
林:
「全員AIのチャットです」って言われてひとりだけ人がいたら嬉しいですね。
塩谷:
離島とかに行くと人が歩いてなさすぎて、たまに会うと嬉しい。いるだけで嬉しい状態に近いかもしれない。
関根:
これは、いわゆるチューリングテストですね。
林:
あ、すごい有名なやつでしたね、これ。
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林:
車のラリーやウォーキングラリーで使う地図を一般の道、例えば神谷町から浜松町とかに使う。
武田:
全体がわかんないってことですね。
林:
そうです。部分部分で方向はしっかり指示されて迷わないけど、どこにたどり着くのかが分からない。
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林:
これは10年ぐらい前にやったことがあります。車から生中継して視聴者100人ぐらいにアンケートを取って、どこに行くかわからない車窓中継。クリスマスにやりました。
関根:
現代的な考え方だと、自分の意志でどこかに行くことが幸せということになるけど、そうじゃなくて、自分の意志もなくどっかに"連れてこられちゃった"っていうのが楽しい、という考え方もありますね。
塩谷:
セレンディピティとよく言うものです
林:
で、最後にスライドにするほどでもないジャストアイディアをまとめてあります。
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林:
また補欠でいくつか考えてます。まず落とし穴。掘ったことがないのでただ掘って埋める。それからリッツパーティーもやったことがない。
塩谷:
沢口靖子ですね
林:
料理のうまい人がまじめに取り組むきちんとしたリッツパーティーってできないかなとは思ってます。リッツ砕いて作っちゃったりして。
武田:
食べたい。
林:
お宝鑑定団って大事なものを持ち寄って1000円とか値段つけられてますけど、その人の思い出なんだから、100万って言ったら100万でいいじゃないですか。
塩谷:
それはすごい幸せ
林:
鑑定しない鑑定団
武田:
鑑定団はなにをしているんですか
林:
褒めるんじゃないですか
武田:
いちばんハッピーなのはダイバーシティお宝鑑定団かな。
林:
私も自分だけの宝物があります。
鑑定しない鑑定大会にしました!
プレゼンから数週間の時間をおいて、鑑定しない鑑定大会の開催となった。
小道具と座り位置を決めると思った以上に鑑定大会の雰囲気になった。形から入るのは大事ですね。
なお、鑑定士は参加者が持ち回りで行うので、随時変わることになる。そしてこの鑑定士をやってみるのが大事であることがこのあと分かるのだが、このときはまだ楽しく座っているだけである。
お宝No.1・23年間使っているグレイのうちわ
まずは趣旨の説明を兼ねて、私のお宝を鑑定してもらおう。
アシスタントは決まっていない。「たまたま手が空いている人がやる」というルールだ。
観覧者からのコメント
「渋谷、原宿、小樽、心斎橋、ホークスタウン、世界地図だけど地名はローカルだ」
「プラスチックがこれだけ劣化してないのを見ると、海にプラスチックを捨ててはいけないことがわかる」
「グレイの面だけセロテープで補修してある」
もちろん鑑定士ではないのだが、ひそひそと相談しながら見られるとそれっぽく見える。もちろん脳内のBGMではあの曲を流してください。
そう、この企画は出品者の言い値をすべて受け入れる会である。ほかの人には価値がないものでも、その人が高値をつけたらそれが価値である。だって売らないし、買わないんだからその値段でいいじゃないですか。
よざ
「やっぱり会社員生活のほとんどを共にされたということが素晴らしいなということと。
毎日あおいでいたせいか、今まで見たプラスチックより年季が入ってて綺麗です。やっぱりそういう美しさも感じられたということで、もうちょっと値段を上げるか悩んだんですけど10万円ということで、大事になさってください」
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武田
「私も10万円です。理由としては空調が切られてもうちわでなんとかなったっていう点で、やはり古き良き日本の夏をやはり感じさせる考古学的な品だなと思います。
保存状態が少しよくないので、そこもあって、でも10万円というところで。大切にされてください」
そう、20年前は残業があったし気温も36℃までにはなっていなかった。
……すっかり納得していたが、どちらも100パーセントアドリブである。自分のお宝について人と語り合える(しかも全肯定)のが圧倒的に楽しい気分にさせてくれる。
このあと自分でも鑑定士をしてみて分かったことだが、出品者からの説明を聞いてからモノを見ると出品者の思いにシンクロできるのだ。無料のうちわだって大切なものに思えてくる。いまここにユートピアが現れました。
お宝No.2 娘がくれたキャロットジュース
ふたりめの出品者はD-LABから関根さん。
関根:
「自宅で3歳の娘からもらったものです。朝起きて保育園行く前に、娘がお父さんの分ないじゃん可哀想だねって、僕のところにジュース飲んでって置いてくれたもの。
これは1ヶ月以内のもので、ちょっとやっぱりまだ惜しくて飲めない。なぜかというと、たぶん期間限定なんですよ。大きくなったらくれないから。」
観覧者からのコメント
「大きくなったらくれないのがちょっと不幸な未来。」
「10年後は嫌がるかもしれないけど、20年後は泣いちゃうかもしれない」
「店頭だと多分100円以内ですけど、そのストーリーがある」
ジュースが2本追加された。飲めずにとってあるそうだ。なかでも左端のは古いためパッケージのイラストが違う。
関根:
よく考えたら、お金出して買っているのは親なんじゃないかという気がしますが(笑)
いずれにしても、嫌いで飲みたくないのをくれてるわけじゃなくて、自分がジュースが好きだから、それをお父さんお母さんにも分けてあげたいからくれている、という気持ちがこもっている大切なプレゼントです。
関根:
娘がメルちゃん(人形)が好きなので。メルちゃんのお友達が1体4400円で、1本あたり2体に変えられたら楽しいなと思って(8,800×3本で100円以下を切り捨てで26,000円)。
鑑定士・よざから
「ありがとうございます。思い出がいっぱいの素敵な一品で、20年後の娘さんを想像すると、1個1万円ぐらい払っても欲しいものじゃないかなと思ったんですけれども、まだお子さんが小さくて、これから思い出もいっぱい増えるというところも加味しましてぴったりとさせていただだきました」
鑑定士・武田から
「私もピッタリさせていただきました。パッケージの変更のタイミングが入っているというのが通常のものよりも金額が高くなっている理由です。キャロットジュースと一緒に育ったということがですね、お嬢様も大きくなって自覚できると、より一緒にお父さんと成長してきたことに実感が湧くんじゃないかと思いまして、非常に妥当な金額かなと思います。大切になさってください」
いまここにいる全員が100円のジュースを26,000円だと思って見ている。


