ブルーアーカイブ/灰の翼   作:空素(鴉ノ刃)

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あらすじ

セリカ救出
パワーローダーくん登場
先生大興奮

今更ですが、一部タイトルはAC6のミッション名を意識しています
なので別に今回のタイトルがパワーローダーくんが速攻で撃破されることを暗示している訳ではありません、決して


EP-24 パワーローダー撃破

現れた人型兵器。

 

それは、とてもACに酷似した姿だった。

アヤネは自律型と言っていた為、人が入っている訳ではないのだろうが、とても既視感を覚えた。

 

武装は、右手にガトリングガン、両肩に連装式ミサイル。

装甲についても全体的に重厚で、かなりタフそうな見た目だ。

 

『これは…恐らく、カイザーPMCの兵器の一つ、《パワーローダー》と思われます!』

 

PMC理事は、とんでもない置き土産を置いていってくれたものだ。

当の本人は乱戦状態の内に、混乱に乗じて逃げたのだろう。

 

だが、今はそんなことより目の前のデカブツだ。

 

「先生、ホシノ、ノノミ。私がヤツの気を引く。隙を突いて攻撃して」

 

そう言うなり、私は突っ込んだ。

 

『[“まさか、ロボットと戦うことになるとは…取り敢えず任せて!行くよ!ホシノ!ノノミ!”]』

 

『うへぇ〜、仕方ない、もう一仕事、頑張るか〜』

 

『はい!イヴさんが居ればきっと勝てます!!』

 

ノノミはすっかりこちらをアテにしてくれているが、ヤツは一筋縄では行かなそうだ。

 

『私たちもすぐに合流する』

 

『それまで頑張って耐えてて、みんなっ!』

 

シロコとセリカも、こちらへの合流を急ぐ。

 

接近する私へと、人型兵器──パワーローダーは早速、両肩の連装ミサイルを斉射する。

 

それは、私だけでなく、私の逃げ場も奪うような形で、周辺一帯を爆撃する。

 

私は“猟犬の耳”を立てて感覚を高め、弾道と爆撃範囲を見極め、導き出した僅かな空白の安全地帯を縫うように駆け抜ける。

それでも無傷とは行かず、炎が肌を舐めるが、それを厭わずパワーローダーへと突っ込む。

 

懐に潜り込む、もう少しというところで、パワーローダーが飛び退く。

どうやら、登場時に見せたように、こいつは脚力が高いようだ。

 

飛び退いたパワーローダーが、私へガトリングガンを掃射する。

私はパワーローダーの周囲を回るように、ガトリングガンの銃撃から逃れながらも、螺旋を描くように近付く。

 

パワーローダーのガトリングガンがオーバーヒートを起こしたのか、銃撃が止む。

 

『[“ノノミ!一斉射撃!ホシノも畳み掛けるんだ!!”]』

 

その瞬間に先生がすかさず攻撃の指示を出す。

 

『お任せくださいっ!!』

 

ノノミのマシンガンが激しく火を噴き、無数の銃弾がパワーローダーの装甲を削る。

 

『よぉし、私に任せて』

 

ノノミと共に、ホシノがパワーローダーの背面からショットガンの連射を浴びせる。

 

二人の銃撃は確かに効いている。

だが、装甲が分厚過ぎるのか、大ダメージ、と言った様子ではない。

 

『うへぇ〜、攻撃したのに効いてないよ〜』

 

一応、二人の攻撃は装甲戦車を容易くスクラップに出来る程の威力なのだが…それだけパワーローダーの装甲と巨体故の頑強さが堅牢であるとの証左だろう。

 

『イヴさん!補給物資です!』

 

そう言ってアヤネのドローンが回復用ゼリー飲料と弾薬、手榴弾まで届けてくれた。

 

「ありがとう、アヤネ。ナイスアシスト」

 

私は爆撃に炙られたダメージをゼリー飲料で回復し、弾薬と手榴弾をそれぞれコートの内ポケットに仕舞い込む。

 

『イヴさん!』

 

アヤネが思い詰めた様子で私を呼び止める。

私は無言でアヤネに言葉の続きを促し、耳を傾ける。

 

『どうか、皆さんをお願いします!!』

 

私は内心で、そんな事かと呆れる。

 

「言われなくても。だから、サポートは任せたよ、アヤネ」

 

自然に、口元に笑みが浮かぶ。

 

『はいっ!私が、全力で皆さんをサポートしますっ!』

 

その瞬間、その言葉に、私はルビコンでの、幾度とないエアとの仕事を思い出す。

 

「…うん、よろしく」

 

今は感傷に浸っている隙はない。

 

短く告げ、私も自身の為すべき事を為すために、走り出す。

 

走りながら、パワーローダーへと左手のオートマタから奪ったサブマシンガンを連射する。

 

パワーローダーの側面から背面に回るように移動し、こちらに振り向かせる。

 

振り向いたところへ、右手のアサルトライフルによる銃撃を叩き込む。

 

ヘイローからこぼれ落ちた光芒を纏うARの銃撃は、その爆発するような衝撃力をパワーローダーへと与えるが、重厚な装甲には効果が薄い。

 

それでも、パワーローダーの気を引く事には成功する。

 

パワーローダーはまだミサイル、ガトリング共にオーバーヒート状態なのか、何も持っていない左手を叩き付けて来る。

 

周囲への衝撃と振動を考慮し、余裕を持って回避する。

 

無人の地面を鋼鉄の拳が打ち付け、砂が舞い散る。

 

そう言えば、今気付いたことだが、私のヘイローの光による武器の強化は、どう言う訳か、拾った武器には適応されない。

 

便利屋戦でも今回でも、ヘルメット団にいる時に貰い、使い続けているアサルトライフルにだけ適応される。

何か条件がありそうだ。

 

さて、それとは別にもう一つ気付いたことがある。

 

ノノミとホシノ、そして、私の銃撃を受けたパワーローダーだが、一見するとダメージは軽微に見える。

確かに、装甲と機体そのもののダメージはまだ弱いだろう。

 

だが、私は感じている。

 

パワーローダーの機体に、着実に蓄積されて行っているものがある。

 

それは、衝撃による《負荷》。

 

例えダメージが軽微でも、攻撃を受けた事による衝撃は負荷として蓄積し続ける。

 

それは攻撃の手を止めてしまえば回復して行くが、攻撃し続ければ、大型の敵でもやがて、《負荷限界》を迎え、無防備になる。

 

それは、きっと恐らく、目の前のパワーローダーにも適用されるはずだ。

 

「ホシノ、ノノミ、軽い攻撃で良い。攻撃し続けて。先生、あいつの装甲を破る方法を思い付いた。ただ、理屈とかを説明している隙はない。見て分析して欲しい」

 

『さっすがイヴちゃ〜ん!頼りになるね〜!』

 

『よく分かりませんが了解しました!!』

 

『[“分かった。イヴに任せるよ”]』

 

大まかな方針と光明が見えた。

 

その瞬間、私の“猟犬の耳”が危険を察知する。

 

パワーローダーが力を溜めるかのように身構えている。

 

『[“!!三人とも、パワーローダーから今すぐ離れて!!”]』

 

先生が叫んだ直後、パワーローダーが跳躍し、その後、両腕を叩き付けるように着地する。

パワーローダーという名に恥じない、凄まじい破壊力と衝撃が周囲に円形に拡散する。

 

私は咄嗟の後方宙返りで回避し、ホシノは後退しつつ大盾でノノミを庇い、衝撃を防ぐ。

パワーローダーの叩き付け攻撃により、砂の地面が吹き飛び、クレーターが出来ていた。

 

そんな質量による破壊力に巻き込まれたらと考えると、ゾッとする。

幾ら頑丈なキヴォトス人の肉体でもひとたまりもないだろう。

 

私は回避しながらも空中で体勢を整え、パワーローダーに銃弾を叩き込み、負荷を維持する。

 

着地し、再度、パワーローダーへと気を引く為に突っ込もうとした矢先、左手方向からの銃撃がパワーローダーを襲った。

 

私は正面にいるし、ホシノとノノミは右斜め後ろだ。

 

そうと来れば──。

 

『ん、みんな、お待たせ』

 

『合流したわよ!こいつが敵ねっ!』

 

シロコとセリカだ。

 

新たな敵に対し、パワーローダーがそちらへと振り向く。

そして、冷却が済んだのだろうガトリングガンを向けた。

 

「させない」

 

だが、そこに私が手榴弾を投擲し、爆撃する。

 

改めて、私に敵視が向いた。

 

振り向いたところへ、左手のSMGの銃弾を叩き込む。

 

「二人とも、作戦は聞いてた?」

 

弾薬が切れたSMGをパワーローダーに投げ付けつつ、二人に私の作戦の理解を訊ねる。

その間に、その辺に転がっていたオートマタの銃を拾う。

今度は狙撃銃だった。

 

『取り敢えず、アイツに攻撃し続ければ良いんでしょ!?』

 

『ん、シンプルで良い作戦。さすがは戦友』

 

『せ、戦友?ともかく、あんたが何を考えてるのか知らないけど、今は味方なんでしょ?だったら従うわよ!』

 

シロコとセリカ、二人のARによる銃撃がパワーローダーに負荷を蓄積させる。

時折、シロコは手榴弾を投擲する。

 

爆発は衝撃が強く、負荷も高かった記憶がある。

これで更に、パワーローダーの負荷限界に近付いた。

 

『私たちも負けてられませんねっ!ホシノ先輩っ!』

 

『うへぇ〜、シンドぉ〜』

 

ノノミとホシノもパワーローダーを銃撃する。

ホシノは何だかんだ文句は垂れるが、仕事には手を抜かない。

 

周囲からの弾幕が増し、私も負けじと、パワーローダーの気を引き続ける為、銃撃する。

距離を離すように飛び退きつつ、狙撃。

 

狙撃銃──スナイパーライフルは、ARやSGと違って単発だが、威力が高い。

その分、反動もかなり強めであり、中々、癖が強い。

また、一発ごとにリロードを挟まねばならないのも、それを助長している。

 

狙撃による弾丸が、パワーローダーの胴を激しく打ち付ける。

衝撃による影響か、はたまた、限界が近いのか、パワーローダーの動きが一瞬、止まる。

その瞬間を見逃さず、私は疾走しながらARを掃射し、銃弾を叩き込む。

パワーローダーが仰け反る。

だが、まだ負荷限界には至っていない。

 

後、もう一押しで間違いなく、パワーローダーは負荷限界に至る。

 

だが、その自身の限界を悟ってか、ここに来てパワーローダーが連装式ミサイルによる広範囲爆撃を敢行する。

 

更にそれは、一定方向へ、ではなく、真上を向いて、全方位に拡散するようにミサイルを無差別に発射し、周囲をまとめて爆撃する。

 

私は問題ない。

 

猟犬の耳が、爆撃を潜り抜ける道を導いている。

 

だが、他のみんなは──。

 

パワーローダーの周囲で、爆炎が立ち昇った。




やはり、耐久面では厄介ですが、レイヴン相手にパワーローダー君は荷が重かったみたいですね…

シロコとセリカも加わり、パワーローダーくん、絶望の展開ですね

パワーローダーくんに明日は来るのか…

と思いきや、最後にまさかのどんでん返し

果たして、イヴは大丈夫そうですが、アビドスのみんなは無事でしょうか?
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