ブルーアーカイブ/灰の翼   作:空素(鴉ノ刃)

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あらすじ

いつものアルちゃん

レイヴンサイドが落ち着いたので、対策委員会プラス先生サイドに移ります

彼らはカイザーPMCの兵力を相手に、果たしてどれだけ奮闘できるか…


EP-20 カイザーPMC前哨基地襲撃

対策委員会と先生は、カイザーPMCの基地を遠目で目視できる位置まで近付いていた。

 

「やっぱり、殴り込むしかないと思う」

 

自信満々に、物騒なことを言ってのけるのは、シロコ。

その表情からは決意と怒りが感じられる。

 

「いやぁ〜、流石に正面からは分が悪いんじゃないかなぁ〜」

 

困ったような笑顔でホシノはやんわりと宥める。

 

「ですが、セリカちゃんの場所も分かりませんし、潜入するというのも、広大な基地の中では迷う危険性がありますよね〜」

 

うーん、と困ったように腕を組み、頬に手を添えるノノミ。

 

「それにしても、カイザーはいつの間にこれだけの規模の基地を建てたんでしょうか…」

 

アヤネが遠巻きに基地を眺めながら呟く。

基地の範囲は、明らかに現在のアビドス高校よりも広大な敷地を持っている。

 

「ん、私たちに無断でこんなもの作って許せない。潰そう」

 

シロコは完全に臨戦体勢で戦意マックスの様子で、カイザーを徹底的に叩きのめすことしか考えていない。

 

「まぁまぁ、シロコちゃん、ここは一旦落ち着いて」

 

「私は落ち着いてるよ、ホシノ先輩。その上で許せない。私たちの大切な学校を何度も何度も襲撃して、人も物も傷付けて。セリカの誘拐なんて以ての外。絶対に許さない」

 

シロコはギリっと音が鳴るほど、歯を噛み締め、遠くのカイザー基地をジッと睨み付ける。

 

「…そう、だね…私も同じ気持ちだよ。シロコちゃん」

 

一度俯くが、決意を固めたようにホシノはシロコの顔を見詰める。

 

「はい!私も怒ってます!悪いカイザーの皆さんには、お仕置きが必要ですね!」

 

頬を膨らませ、気合いを入れるノノミ。

 

「カイザーの思い通りにはさせません!絶対に!」

 

アヤネも眼鏡に映る目を細め、意志を露わにする。

 

「でも、私とイヴを巡り合わせてくれたのには感謝しても良い。お礼にたっぷり弾丸を食らわせてやる」

 

「結局、攻撃するのは変わらないんですね…」

 

困ったようにアヤネは苦笑いを浮かべる。

 

[“みんな、お待たせ”]

 

そこに声を掛けるのは、今までタブレット端末でカイザーPMCの基地の様子を確認していた先生。

 

[“作戦が決まったよ。今回は電撃作戦で行こう”]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[“──って感じで行こうと思うんだけど、どうかな?”]

 

作戦を説明した先生は緊張した面持ちで対策委員会の様子を窺う。

 

「いやぁ、先生も思ったより脳筋思考だねぇ〜。人使いが荒いんだからぁ〜もう〜」

 

「私は悪くないと思いますよ〜☆」

 

「ん、さすが先生。良い作戦だと思う」

 

「皆さん、どうかお気を付けて!私が、皆さんをサポートしますっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カイザーPMC基地入口付近。

 

そこに近付く人影は、ホシノ。

 

「…ああは言ったけど、最近の私はちょっと不甲斐ない姿ばっかりだったから、偶には、後輩たちにカッコイイところを見せないとね。──ちょっとだけ、本気で行くよっ!!」

 

背中に大盾、両手で銃を携え、ホシノは迷彩柄のオートマタが見張る入口へと接近する。

 

「ん!?何だお前は!?一体どこの──」

 

ホシノは答えず、無言で弾丸を食らわせる。

 

「てっ、敵しゅ──」

 

慌てて警報を鳴らそうとするオートマタへ、一瞬で肉薄し、その喉元に銃口を突き付け、躊躇い無く引き金を引く。

 

「こちらホシノ。予定通り、入口を制圧したよ。このまま突入するね」

 

インカムのマイクに、小声で状況を報告する。

 

『ん、了解。こっちもいつでも行ける』

 

『はい!私も準備バッチリですよ〜☆』

 

『[“行こう!みんな!ホシノ、頼んだよ!”]』

 

先生の指示と同時に、ホシノは基地の敷地内へと突入する。

建物内部ではなく、吹き曝しになった空間であり、周辺には謎の足場やタンク、コンテナなどが配置され、入り組んでいる。

 

「なっ、なんだ貴様は──」

 

すぐ近くにいた、ホシノに反応したオートマタに容赦なくSGの銃弾を叩き込む。

 

「てっ、敵襲!?至急応援を──」

 

更に離れたオートマタへ、音も無く近付き、散弾を浴びせ、沈黙させる。

 

「貴様よくもっ!!」

 

オートマタがホシノに銃口を向ける。

 

しかし、もうその先にはホシノの姿は無かった。

 

「消え──」

 

直後、頭上から飛び掛かって来たホシノに、オートマタは地面に叩き付けられ、その額に銃口を突き付けられる。

 

「ヒィッ!?待っ──」

 

懇願も聞かず、引き金を引く。

 

だが、それと同時に、周囲のランプが光を放ち、警報が鳴り響く。

 

「さぁ〜て、ここからが踏ん張りどころだ…!」

 

ホシノは立ち上がりながら、改めて身構える。

 

基地の奥から、オートマタの軍勢が、整然と飛び込んで来る。

 

「あいつだ!」

 

「ただの生徒が舐めた真似を!」

 

「遠慮はいらん!引っ捕えろ!!」

 

容赦なく銃弾を撃ってくるオートマタに対し、ホシノは背中の大盾を展開する。

 

「うひゃあ〜すごい数だぁ〜」

 

大盾で銃撃を防ぎ、大盾を遮蔽代わりに自身も銃撃を放つ。

 

「さて、ちょっと頑張ろうかな…!!」

 

ホシノは大盾を構え、SGをリロードすると、オートマタの軍勢へと突っ込む。

 

「こいつ、こっちに!?」

 

「ま、真っ直ぐ突っ込んで来ます!!」

 

「怯むな!相手はガキ一人だ!!」

 

「数で押し潰せ!!」

 

大盾で銃撃を弾きながら、ホシノはそのまま正面のオートマタに突撃し、大盾を叩き付ける。

 

そして、周囲のオートマタへとSGを連射し、掃射する。

 

十体近いオートマタが力尽きる。

 

「な、なんだコイツは!?」

 

「これがただの生徒か!?」

 

「こんな戦い方、正気じゃない!!」

 

弾薬を撃ち尽くしたホシノは、オートマタの軍勢から距離を取るように飛び退く。

 

オートマタはまだまだ溢れて来る。

 

「こちらホシノ。そろそろ第二フェーズに移行するよ」

 

『ん、了解』

 

『私の出番ですね!お任せ下さい☆』

 

『[“ホシノ!ありがとう!お疲れ様!”]』

 

「お疲れ様を言うにはまだ、気が早いよ先生」

 

ホシノは突如、基地の入口に向かって走り出す。

 

「逃げたぞ!」

 

「はっ!流石にこれだけの兵の数に怖気付いたか!」

 

「逃すな!カイザーPMCを敵に回したこと、後悔させてやれ!」

 

「我々から逃げられると思うなよ!」

 

その後をオートマタの軍勢が追いかける。

ホシノは逃げながらも飛んで来る銃弾を大盾で防ぎつつ、基地入口から飛び出す。

 

立て続けに、オートマタが飛び出し、後を追う。

ゾロゾロとオートマタがホシノの後を追って基地から出る。

 

それをホシノは肩越しに確認すると、突然、足を止める。

 

「ヤツが止まったぞ!」

 

「いい加減、観念したか?」

 

「今更、謝ったところでもう遅い!」

 

オートマタがホシノの前面に広がるように距離を詰める。

 

そんな状況で──ホシノは口元に笑みを浮かべる。

 

「…観念?謝る?違うね、観念して謝るのは──お前たちだ」

 

その刹那、ほんの一瞬だけ、ホシノの眼が普段の穏やかなモノではなく、別のモノに変わる。

 

それは冷酷で、容赦無い、捕食者のような眼。

それを目にしたオートマタが一瞬、硬直する。

 

『[“今だよ!ノノミ!!”]』

 

その直後、オートマタたちは、背後から銃撃を受ける。

 

「さぁ〜、お仕置きの時間ですよ〜☆」

 

いつの間にか背後に位置取っていたノノミが、MGを掃射する。

 

「なっ、銃撃!?」

 

「背後から!?」

 

「バカな、伏兵だと!?」

 

それは左右往復し、オートマタの軍勢の数を大きく減らす。

更に、ホシノは大盾を背負い、オートマタたちの頭上を飛び越えるように跳躍する。

頭上を通過する際、散弾のオマケを付けるのも忘れない。

 

ノノミの掃射が終わった頃にホシノはノノミを守りように、その前に降り立つ。

ノノミとホシノの挟撃により、オートマタの軍勢は、ほぼ壊滅状態だった。

 

それでも未だ健在のオートマタが、怒りを露わにして銃撃する。

 

「この程度で良い気になるなよ!」

 

「ガキが!もう泣いて謝っても許さん!」

 

だが、それはホシノの大盾に阻まれ、ホシノ自身も、ノノミも傷付けることはない。

 

「さぁ、仕上げと行こうか」

 

ホシノは大盾から銃口を覗かせ、狙い撃つ。

 

****************************

 

その一方、シロコは、先生がハッキングで見付けた裏口から、基地内部へと侵入していた。

 

裏口にも警備は配置されていたが、シロコが一瞬で制圧した。

 

「ん、イヴの突進、奇襲には持って来い。良い技」

 

イヴがアサルトブーストの感覚で使う滑空突進だ。

 

突進からの蹴りで一体を黙らせ、続くもう一体を至近距離からの銃撃で沈黙させた。

 

鮮やかな制圧だった。

 

『[“シロコ、殆んどのオートマタはホシノの陽動に釣られていると思うけど、内部にも残っていると思うから気を付けて”]』

 

「ん、分かってる。でも、ありがとう、先生」

 

シロコは壁を伝いながら、薄暗い基地の内部を進んで行く。

冷たい金属の床や金網の上を音を立てないように、走り抜ける。

 

道が交わる場所では壁を背にして敵影を確認し、慎重ながらも素早く移動して行く。

 

「先生、セリカの具体的な位置、わかる?」

 

『[“待ってね。今マップを確認するから”]』

 

先生の持つタブレット端末は特別製のようで、ハッキング能力に長けている。

 

『[“見付けた!でも結構深くて入り組んでるね…”]』

 

「大丈夫。敵は少ないし、ゆっくり──」

 

その瞬間、シロコの耳が跳ね、その体が咄嗟に横に飛ぶ。

 

直後、激しい銃撃がシロコの横を通過する。

 

「こちらソルジャー1、侵入者を発見した。撃破、捕縛する」

 

現れたのは、通常の迷彩柄とは違う、全身黒色に染まったオートマタだった。

 

「カイザーの…特殊部隊…!」

 

シロコは気を引き締め、特殊部隊のオートマタと相対する。




ホシノ大活躍回でしたね

ヘルメット団襲撃でも便利屋襲撃でもあまり活躍させてあげられなかったので、こうして無双シーンが描けて満足です

そしてやっぱりノノミのEXスキルは気持ち良い

オートマタの軍勢を薙ぎ払う様子が脳裏に浮かび上がって、とても気持ち良かったです(事後報告)

さて、今のところ、対策委員会が優勢ですね
今のところは
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