あくまでイメージであって、全く同じという訳ではありませんが
あと、新品なのでツヤツヤです
その他、色合いなどは先生が言っていた通り、連邦生徒会の制服の色合いを反転させたようなものになっています
一仕事終えたように、先生が大きく背伸びする。
[“シャーレ直属特務戦闘員 レイヴン!”]
「いつも通りに話してくれる?」
流石に鬱陶しく感じる。
[“ごめんごめん。イヴ、私は今日、対策委員会のみんなに顔を出そうかと思ってるんだけど、君はどうする?”]
「アビドスに?何か依頼でも?」
早速、彼女たちの力になるチャンスが来たかと意気込む。
[“いや、特に依頼とかではないんだけど、様子が気になっちゃって。少しでも力になりたいからね”]
相変わらずのお人好しだ。
自分の仕事もあるだろうに。
私は事務所の先生のデスクに積み上げられた書類の山を一瞥する。
さて、私自身はどうしようか、と考え、すぐに答えを出す。
幾ら表面上は和解したとは言え、昨日の今日で、襲撃者が顔を出すのは彼女たちも気が休まらないだろう。
約一名、歓迎してくれそうな狼もいるが、それはさて置くとして。
今回は一旦見送り、ほとぼりが冷めた頃に改めて、お詫びの品を持って伺おうと思う。
カタカタヘルメット団のアジトにも、その時に行こう。
「いや、今回は遠慮しておくよ。折角、制服も着ている事だし、今日は連邦生徒会に顔を出そうかと思う」
私から先生に提示し、先生が吹っ掛けた難題を承認してくれた《リン》という名前の連邦生徒会の担当者に、一言、感謝を伝えたいと思っていた。
[“そっか。分かった。それじゃあリンちゃ──《七神リン》生徒会長『代理』には、私から連絡しておくね”]
制服と共に、携帯端末を貰った私は、《モモトーク》というチャット機能が使えるアプリをインストールしているが、未だ登録連絡先は少ない。
今のところ、先生、対策委員会の五人、アルバイトのソラの七人だけだ。
その後、先生は軽く朝食を取り、朝早くにシャーレを出て行った
私も遅れて朝食を取ると、シャーレを出て、町へと繰り出した。
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とある雑居ビルの一室。
暗く、光を遮られたオフィスで、立派な椅子に座り、机に向かう人物が一人。
その傍らには、黒電話が置かれており、それが激しく音を鳴らす。
謎の人物は落ち着いた様子で電話の受話器を取り、椅子を回して横を向く。
「はい、こちら便利屋68、《陸八魔》です」
便利屋68のメンバーにして、陸八魔と名乗った赤髪の少女は、悠然と応対する。
「はい…はい…ふふ、お任せ下さい。その依頼、私たち便利屋68がお引き受けいたします。はい、では、失礼いたします」
陸八魔は、受話器を置く。
「アルちゃーん、新しい依頼ー?」
赤髪の少女、《陸八魔アル》は、デスクの正面を向く。
デスクの奥には、黒革のソファーが置いてあり、三人の陰があった。
「ええ、そうよ。《ムツキ》室長、明日までに準備をお願い」
《ムツキ》と呼ばれたのは、銀髪サイドテールの小柄な少女。
「くふふ♪任せて♪今回も派手にやっちゃうよ〜ん♪それで、どこからの依頼なの?」
「
「
意見を出したのは、気怠げな黒が交じった白髪ポニーテールの少女。
「《カヨコ》課長、私たちのモットーを忘れたの?」
「金さえ貰えれば何でもする、でしょ。でも、昨日の依頼、忘れたの?かなり胸くそ悪い依頼だったじゃん」
「──昨日の依頼、ね…」
アルはデスクに肘を乗せて両手の指を組み、その上に顎を乗せる。
「あー、あれねー!アビドスを襲った何ちゃらヘルメット団が帰って来るところを襲撃しろってヤツ!用済みのヤツから切り捨てる!非道!残忍!アルちゃんが目指すアウトローにピッタリだね♪」
「ひ、非道で残忍なアル様も素敵です!」
賞賛するのは、自信無さげな紫がかった黒髪の少女。
「《ハルカ》、そんな社長まで認めなくて良いから…」
「はっ!?ごっ、ごめんなさい!ごめんなさい!今の社長も素敵です!」
「…あれに関しては私自身も思わないことが無いでもないわ。そして、今回の依頼は、昨日私たちが始末した連中が達成する筈だった依頼よ」
「それって〜、あの子たちの尻拭いってことぉ〜?」
「それで、その標的は?」
「──アビドス高校廃校対策委員会の、“討伐”よ…」
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「ふぅ…、これで上手く行けば良いのだがな…」
何処かのビルの高層階。
その広大な一室で、デスクに向かい、椅子に腰掛けているのは大柄な人型ロボット。
「いい加減、こちらも痺れを切らすと言うものだ。全く、往生際の悪い連中だ。黙って明け渡せば良いものを…」
ロボットは苛立ちを隠さず、吐き捨てる。
そこに近付く黒い影。
「クックック…ですが、今回は万全の計画を用意したのでしょう?先の依頼失敗を受け、勝利の為のより確実な手段を」
“それ”は、黒いスーツに身を包んだ、人型の“ナニカ”。
シルエットは人間に間違いないが、その肌は黒く、頭には毛髪どころか顔すら存在しない。
辛うじて、妖しい紫色の光が顔のような形を成しているだけだ。
「ふっ…まあな。本来は、あの“不良集団”にでもやらせるつもりだったが、方針が変わってな。連中は昨日の段階で“傭兵モドキ”に始末させ、代わりに我々が動く事になったが、寧ろ、僥倖だったと言える。そのお陰で勝利は確実…!作戦決行は今夜だ。明日の夕方には、全て決着が付き、アビドスの全てが我らの手の中に収まる…!」
「クックック…それはそれは、何よりです。ですが、お気を付けください。どのような状況に於いても、必ず
「ふっ、どんなイレギュラーが起ころうと、それすらも叩き潰すのが《企業》という巨大な力だ。相手は弱小限界校。我々の力の前に、平伏するに他ないわ!ハッハッハッハァ!!」
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シャーレから連邦生徒会本部のある建物までは30km程。
携帯端末で検索を掛けて、通路を割り出し、走ること二時間弱。
キヴォトス人の肉体でもなければ、これほど早くは到着しなかっただろう。
朝早くに出たという事もあり、たっぷり余裕を持って昼頃に到着する予想だったが、昼前に到着してしまった。
先生は交通機関を使っているのだろうが、私は自分の足で歩いてみたかった。
実際には走ったのだが。
全力疾走には程遠い、ACで例えるならば、アサルトブーストを使わずに、ブースト走行とクイックブーストだけで進んだような感覚だ。
その為、疲労も特には感じない。
そうして訪れた連邦生徒会本部──《サンクトゥムタワー》。
何処までも天高く伸びる巨大な白亜の塔を前に、私は圧倒されていた。
ルビコンではないキヴォトスで、これほどの巨大建造物を見れるとは思わなかった。
感動のようなものを覚えながらも、私は周辺を歩き回り、建物の入口を見付け、足を踏み入れる。
受付の生徒に事情を説明すると、既に先生から話を聞いたリン生徒会長代理から事前に話を聞いていたとの事で、すぐに別の案内人を寄越してくれた。
案内人の生徒に着いて行き、エレベーターを何処までも登って行った末に、辿り着く。
そこは事務室のような一室だった。
事務仕事を行う為のデスクと、来客ようであろうソファーが置かれている。
「あなたが渡鳥イヴさんね。はじめまして。私は七神リン。今はこの連邦生徒会の生徒会長代理を務めています」
その中に立っていたのは、大人びた雰囲気の眼鏡を掛けた長い黒髪の女性だった。
「はじめまして。こちらこそ、よろしく。あの、七神会長代理」
「私ことはリンで構いませんよ。イヴさん、制服、よくお似合いですよ」
七神会長代理──もといリンは、優しく穏やかに微笑む。
「…では、改めて、リン」
「ふふっ…このキヴォトスで、連邦生徒会のメンバー以外で私を呼び捨てにするのは貴女くらいでしょうね」
「あっ、すまな──すみません」
すっかり敬語というものが意識から抜け落ちていた。
私は慌てて頭を下げる。
「いえ、構いませんよ。好意として受け取ります」
顔を上げ、目に映ったリンの表情は、どこか嬉しそうだった。
「…リン、ありがとう。それで、今回の用件なんだけど、立場と服のお礼を言おうと思って」
彼女は、夜遅くに連絡したにも関わらず、翌朝、早朝には揃えてくれていた。
他の仕事もあっただろうに、私の要求を優先してくれたのだ。
「あら、その為にわざわざ?ありがとうございます。先生からは、イヴさんが何か用事があるとしか聞いていなかったので。あなたのような人の為でしたら、このくらいどうと言うことはありません」
あなたのような人、か。
私はそんなに褒められるような人間では無いのだけれど。
でも、それはそれとして、その気持ちはありがたく受け取っておこう。
「それから、リン。何かあったら連絡して欲しい。私はあなたに恩を返したい」
モモトークの連絡先を交換する。
シャーレへの依頼は、様々な方法で届くようになっている。
モモトークも、その一つだ。
「ありがとうございます、イヴさん。何か困り事が出来たら、相談しますね」
用件を終えた私は、これ以上リンの時間を取るべきでないと考え、別れを告げ、部屋を出ようとする。
「それじゃあ、私はこれで。これから、よろしくね」
「──イヴさん」
ふと呼び止められ、私は振り返る。
「キヴォトスは今、正当な管理者を失い、混乱と暴動で混迷を極めています」
私はリンの言葉に耳を傾ける。
「水面下で、何処の誰が、どのような思惑で動いているか、分かりません。十分にご注意を。それから、どうか先生をよろしくお願いします」
リンの言葉を聞き届け、私は部屋を後にする。
リンの言葉を反芻し、噛み締めながら、私は帰路へと着くのだった。
何やら色々と不穏な雰囲気になってますねー(他人事)
キヴォトスの地理が不明点が多過ぎて描写するのが難しい!
どうしても分からないところはその場のフィーリングに任せて行くのでどうかご容赦を…
このイヴに助言を送るとするなら、“迷えば、敗れる”ですかね…
まあ、そもそも迷うのか、って話なんですが…