ブルーアーカイブ/灰の翼   作:空素(鴉ノ刃)

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あらすじ

戦力増強カタカタヘルメット団VS連携力上方修正対策委員会

対策委員会の勝利!!

ヘルメット団のトラップカード発動:レイヴン出撃

今回、かなり刺激強めな表現になってますが、これはレイヴンの恐ろしい強さと、容赦の無さを表現する為に仕方ない事だったんです!

別に作者に女の子を痛め付けて悦ぶような加虐趣味がある訳ではありません!


EP-10 斯くして災厄の翼は戦場に降り立つ

勝敗が喫してすぐに、私は動き始める。

 

後方部隊待機位置から移動し、校門を飛び越え、運動場を駆け抜ける。

 

リーダーがハッチを開けて上半身を覗かせる戦車の隣に飛び乗り、これまでの戦闘を労う。

 

リーダーは涙目で俯き、私はリーダーから視線を外すと、戦車から降り、対策委員会の連中と向き合った。

 

対策委員会の面々は、緊張した面持ちで私に視線を注ぐ。

 

[“あの子は…”]

 

「先生、知っているんですか!?」

 

[“いや、ずっと戦闘を眺めているのが見えてたんだ”]

 

“先生”の説明に、一部生徒の緊張が和らぐ。

具体的には、奥空と十六夜。

非戦闘員とでも思ったのだろうか。

一方で、より表情を険しくさせるのは砂狼と小鳥遊。

 

「…アビドス高校の皆さん、初めまして。私はレイヴン」

 

私の自己紹介に、一同、唖然とする。

傭兵業において、名乗りは非常に重要だ。

名声の良し悪しは関係無く、有名であれば、それだけ多くの人物の耳に届き、仕事が増える。

 

今はサポートをしてくれる人はいない。

ならば、今後、傭兵として活動して行くなら、自分から名前を売っていかなくてはならない。

 

「今はこちらのカタカタヘルメット団に居候させて頂いている身で、あなた方に対して個人的な恨みや憎しみは無い。しかし、私も傭兵の端くれ。受けた恩は返さねばならない」

 

「故に、恨んでもいい。憎んでもいい。その代わり──全力で抗え」

 

地面を蹴る。

前傾姿勢で滑空するように突進する。

 

私を捉えることが出来ているのは二人。

 

一人は砂狼シロコ。

だが、視線で捉えることが出来ているだけで、体は反応できていない。

 

私の狙いは、砂狼当人。

まるでアサルトブーストのように滑空する私は、その勢いを乗せ、砂狼へと蹴りを叩き込む。

 

凄まじい衝撃音が響き渡る。

私の蹴りは、砂狼に届くことはなく、重厚な大盾に阻まれていた。

 

私のアサルトブースト──もとい、滑空突進を捉えることが出来ていたもう一人、小鳥遊ホシノが、私と砂狼を間に割り込んでいた。

 

私の蹴りを受け止めた小鳥遊が顔を出す。

 

私を威圧するように睨み付けるが、その表情に余裕はない。

 

大盾の横からSGの銃口を覗かせ、散弾を放つが、それを私はクイックブーストの感覚でステップし、側面に回り込む。

 

小鳥遊の横に移動した事で、無防備な砂狼が露わとなる。

左手のARの銃口を砂狼へと向ける。

 

当然、小鳥遊は砂狼を守ろうと間に割り込もうとする。

 

──だが、私の狙いは小鳥遊。

 

大盾の防御を解いた瞬間に、右手のSGの銃口を小鳥遊の胴体に当てる。

そのまま発射。

 

小鳥遊の小柄な体が吹っ飛び、しかし、驚異の姿勢制御感覚で、小鳥遊は転倒せずに地面の上を滑る。

だが、これで小鳥遊は仲間を守る事ができない。

 

“先生”が指示を出す暇を与えない。

指揮する間も無く、潰して行く。

 

だが、ようやく私の速度に追い付いてきた砂狼が、銃口を向けて来る。

 

躊躇い無く発射するが、それを私はしゃがむ事で回避し、右手の銃を一旦地面に置き、無防備な腹部へと掌底を叩き込む。

 

「かっはッ…!?」

 

砂狼は体をくの字に曲げ、口から肺の空気を吐き出し、掠れ声を漏らす。

更に、そこへ追撃の回し蹴りを見舞い吹き飛ばすと、砂狼は壁に激突するより早く爆炎に包まれる。

先程の掌底はただの近接攻撃ではなく、ピンを抜いた手榴弾を叩き付けるように掌底を叩き込んでいた。

追撃の回し蹴りも、爆発に巻き込まれないように考えての事だ。

 

「シロコちゃん!!」

 

切羽詰まった表情で小鳥遊が叫ぶ。

 

それを耳にしながら、地面に置いた銃を蹴り上げ、拾う。

 

一方で、ようやく状況を把握できたであろう十六夜が、MGの銃口を私に向ける。

 

だが、それと同時に私は跳躍していた。

 

慣れた兵士であっても、咄嗟の上方向への銃撃は難しい。

十六夜が持っているような大型の銃器ならば尚更。

 

十六夜が引き金を引く前に、その銃身を踏み付け、地面に叩き付ける。

 

「!?」

 

十六夜は前のめりに倒れそうになり、どうにか持ち堪える。

だが、武器は使用できず、体勢を保つので一杯一杯な丸腰も同然の状態。

 

その脇腹へ、容赦なく蹴りを叩き込む。

かひゅっ、と口から空気が漏れ出て、そのまま十六夜は壁に叩き付けられる。

 

「あああぁぁぁあァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

錯乱したように黒見が銃を乱射する。

だが、狙いは定まっておらず、ステップを使うまでもなく、歩いてでも躱せる。

躱しながら、ARを真上に放り投げ、僅かな間隙にSGをリロードする。

 

銃を蹴り上げて手から放し、胴がガラ空きになったところにリロードしたばかりのSGを放つ。

 

「泣きを入れたらもう一発」

 

怯んだところで黒見の足を掴み、そのまま振り回して放り投げる。

投げた先には壁にもたれかかる十六夜がおり、そこへ黒見が背中から激突する。

落ちて来たARをキャッチし、更にダメ押しでARを掃射し、二人まとめて戦闘不能状態にする。

 

そこで、ようやく追い付いた小鳥遊、立ち直った砂狼が背後から同時に奇襲を掛ける。

小鳥遊は銃床による殴打、砂狼はミドルキック。

 

私は完全に背中を向けている。

タイミングも悪くない。

 

だが温い。

 

ふわりと舞うように、身をよじって反転しながら、二人の攻撃を躱す。

 

振り下ろした小鳥遊の銃床は、私が身をよじったことで半歩届かず空を切る。

突き出した砂狼の蹴りは、反転して対面するような形になった私の横を通過する。

 

同時攻撃の失敗に二人の表情が歪む。

砂狼へと肉薄し、その顔面を掴んで押し倒し、地面に叩き付ける。

 

その直後、背後から寒気を感じた。

 

本能が警鐘を鳴らし、私は咄嗟に前に飛ぶ。

上下逆様の世界で、私の頭があった場所を銃床で振り抜く小鳥遊の姿があった。

 

空中で体勢を整え、着地するが、そこへ鬼気迫る勢いの小鳥遊が突進しながらSGを連射する。

ばら撒かれる散弾をクイックブーストの要領で、左右に振って躱し、距離を取る。

 

仕切り直しだ。

 

この間に両方の銃をリロードする。

 

「…なんで」

 

小鳥遊がボソリと呟く。

 

「どうして、こんなことをする」

 

小鳥遊が憎悪が籠った瞳で睨み付けて来る。

 

傭兵をしている私にとっては、慣れたことだ。

依頼を受け、仕事をし、その中で人を傷付け、大事なものを奪い、金を貰う。

それが傭兵だ。

 

「…最初にも言ったけど、仕事だから」

 

より正確には、仕事の手伝いだが、この際、仔細は良いだろう。

 

「ッ…!!仕事だからって、こんなことがまかり通って良いはずがないッ!!」

 

「力無き者は、ただ奪われるだけだ。奪われたくなければ抗え。全力でな」

 

小鳥遊は大盾を構え、全力で突進する。

 

私も地面を蹴り、アサルトブーストの如く、滑空するように突進する。

小鳥遊へと肉薄し、私はその盾へと、突進の勢いを乗せた蹴りを放つ。

 

砲弾にも動じなかった大盾の防御が揺らぐ。

 

更に畳み掛けるように、至近距離でSGを斉射する。

無数の弾丸が大盾の面を打ち、その衝撃でついに、大盾が剥がれる。

 

ガラ空きになった胴体へと、追撃の蹴りとARの掃射で吹き飛ばし、ダメ押しに手榴弾で爆撃する。

 

爆煙が晴れると、そこにはうつ伏せで倒れながらも、起き上がろうとする小鳥遊の姿があった。

 

頑丈なのか、それとも痩せ我慢か。

 

私はARをリロードし、小鳥遊の頭へと銃口を向ける。

 

何にせよ、これで終わりだ。

 

引き金を引く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──その直前、私は背後に気配を感じる。

 

肩越しに振り返れば、そこには満身創痍で傷付きながらも立っている砂狼シロコの姿があった。

 

その両手には、自前のARに加えて、黒見の物であろうARが握られていた。

その背後には、爆撃用ドローンが浮かんでいる。

 

仕留め──いや、倒し損ねていたのか。

 

「シロコ先輩っ!!」

 

そこへもう一つのドローンが現れ、物資を落とす。

 

「ん、ありがとう、アヤネ」

 

穏やかな表情を浮かべながら砂狼は物資を受け取り、それぞれの銃をリロードしながら、ゼリー飲料を飲む。

 

「セリカ、銃、借りるね」

 

準備を終えた砂狼は、引き締まった表情で鋭い視線を私に向ける。

 

「攻撃すれば良かったのに。待っててくれたんだ?」

 

「…どうせ大勢は決してる。それに、戦うなら、不足の無い全力の相手と戦いたい」

 

紛れも無い、本心だ。

依頼の達成の為なら、卑怯な手だろうと、罠だろうと使えるものは使う。

 

だが、面と向かって正面切っての決闘も、それはそれで良いものだ。

 

「ん。分かる。やっぱり、あなたは敵だけど、嫌いにはなれない」

 

青のマフラーを靡かせ、二丁のARを握った砂狼と相対する。

 

「けど、私も退けない…!ここが、私たちの、たった一つの居場所だから!ホシノ先輩、ノノミ、セリカ、アカネ…みんなの為にも!あなたを倒して、私たちの居場所を守る!!」




今回の戦闘に於けるホシノは、過去のトラウマから脱却出来ず、全力が出せない感じですかね…

潜在能力は高いんですけど、感情に左右されてしまう…
と言うか、原作でも未だホシノの全力が見れてないので、下手に扱えないと言いますか…
なのでホシノちゃんにはギリギリ耐えてる感じで踏ん張って貰って、シロコに譲って頂きました

シロコ覚醒なるか

あとウチに来てくれシロコ
アビドスメンバーで君だけなんだ、来てないの
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