ブルーアーカイブ/灰の翼   作:空素(鴉ノ刃)

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あらすじ

ノノミはデカい

だいたい気付いているかと思いますが、アビドス高校襲撃は、原作より高難度となっております

具体的に申しますと、原作でセリカ救出作戦の時に出て来た部隊が、全てアビドス高校に襲撃を掛けると考えてください

死なないなら、どれだけ難易度上げても関係ないよね!

さぁ、抗え!対策委員会の諸君!!君たちの力を魅せてみろ!!

尚、その後ろにはルビコンで災厄の大火を齎して星系を焼き払った大罪人が控えている模様

ふふふ…やっべ、どうすんだこれ(グルグル目)


EP-8 アビドス高校制圧

翌日、アジト内は忙しなく団員が行き交い、外には戦車や装甲車が並び、物々しさを漂わせていた。

 

そんな中、私は同行者として自身の身支度を済ませると、アジト内の廃墟の一室へと足を踏み入れた。

その部屋には、私以外にも多くの団員の姿があり、その中には共に訓練をした彼女や、リーダーの姿があった。

 

部屋の中は、数十人の団員で騒然としていたが、リーダーの手を叩く音で静まり返った。

 

「これより、今回の大仕事のブリーフィングを始める!今回の依頼はカイザー系列、《カイザーPMC》からの直々の依頼だ!目標はアビドス自治区アビドス高等学校!カイザーは首の皮一枚繋がっていた連中に引導を渡してやることに決定した!連中が在中する校舎を制圧することが依頼達成の条件だ!当然だが、連中も指を咥えて見ているだけではない!徹底抗戦が予想される!今回の依頼は、生徒連中──《廃校対策委員会》の撃退または捕縛も含まれている!奴らに企業と金の力を叩き付けてやれ!!とは言え、これまで以上の激戦になるだろう!覚悟の無いヤツはここに残ってテントの隅でガタガタ震えろ!」

 

大まかな依頼の概要は昨日聞いた通りだ。

《カイザーコーポレーション》。

ここでも企業がのさばり、欲望を満たす為に、あらゆる手段を用いて利益の搾取している。

 

企業の悪辣さは、ルビコンで嫌と言うほど思い知ったが、ここキヴォトスに於いても変わらないようだ。

正直言って辟易するが、だからと言ってわざわざ企業を敵に回すような

真似はするべきではない。

 

ましてや、今回はただの手伝い。

依頼を受けたリーダーなら兎も角、私には何の権限もない。

私はただ、為すべき事を為す。

それだけだ。

 

「作戦は以上だ!これにてブリーフィングを終了する!準備は良いか!馬鹿野郎共!愉快な遠足の始まりだぁ!!」

 

作戦内容が改めて説明され、リーダーがブリーフィング終了の挨拶と同時に号令をかける。

団員からはやる気に満ち溢れた鬨の声が上がり、士気の高さが窺える。

 

作戦内容自体は聞き流していたが問題ない。

 

私の役目は万が一に作戦が瓦解し、全滅寸前になった時の単独での戦闘、制圧だ。

私が戦闘に加わるような状況の時点で、作戦は意味を為さない。

 

だから、私はいつも通りにやるだけ。

ルビコンでそうだったように、一人で戦うだけ。

 

ウォルターも、エアも、カーラも居ないけど、きっとどうにかなる。

 

「レイヴン」

 

部屋を出ようとすると、リーダーに声を掛けられた。

 

「……この作戦が終わったら、話がある。用件は、それだけだ。ほら、行くぞっ!」

 

肩を叩かれ、共々、部屋を出る。

 

その後、私はリーダーと別れ、後方待機部隊の装甲車の荷台に乗り込む。

後方待機部隊は、いわゆる現地での補給部隊であり、最終兵器である私も、作戦中は無用の為、後方待機となる。

 

荷台で揺られながら、武器の最終点検を行う。

点検は幾らやっても良い。

 

こうして揺られながら武器を握っていると、ルビコンでの仕事を思い出す。

ルビコンでも、ヘリに吊されたACの中で、仕事の前に集中力を高めていた。

 

・・・リーダーは、私の出番は来ないと言っていた。

強がりだったのだろうが、それでもこれだけの戦力が一堂に会していれば、多くの団員は自分たちの勝利が揺るぎないことと思い込むだろう。

 

「…」

 

ウォルターの言葉──助言を思い出す。

 

“不測の事態を予測しろ”。

 

小鳥遊ホシノだけじゃない。

 

それ以外の想定外──イレギュラーが発生するかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アビドス自治区、アビドス高校旧別館、現校舎近郊。

 

作戦区域内に到着したらしく、乗っていた装甲車が停止した。

 

外に出てみれば、ヘルメット団アジトと最初の荒野以外のキヴォトスの光景が目に入る。

砂塵が舞ってはいるが、アジト周辺の廃墟のようなゴーストタウンとは違い、人の営みが感じられる住宅街が建ち並んでいる。

 

幾つか廃墟のような場所も散見されるが、アジト周辺とは雲泥の差だ。

 

正面に目を向ければ、それなりに大きい校舎が目に入る。

これで元別館だと言うのだから、従来の本館はどれだけの規模だったのか。

想像が難しい。

 

そして、作戦が始まったのだろう。

校舎方面から銃声が響き始めた。

 

****************************

 

「彼女たちは…カタカタヘルメット団!?」

 

「はぁ!?何なのよアイツら!!前に散々懲らしめたのにまだ懲りてないワケ!?」

 

「って言うか、寧ろ報復攻撃とかじゃないかな…戦車まであるし…」

 

「ん、凄い戦力。でも異常」

 

「そうですよね〜、あれだけの戦力、どうやって集めたんでしょう〜?」

 

「考察は後!みんな!学校を守るわよ!!」

 

「「「「おー!!」」」」

 

「“先生”は怪我しないように中で待ってて。窓には近付かないように」

 

[“私も何か手伝えることはない?”]

 

「ここはおじさんたちに任せんしゃーい」

 

[“…わかった。みんな、気をつけてね”]

 

[“アロナ、安全に戦闘の状況を把握できるような場所か方法はないかな?”]

 

「はい!先生!ちょっとお待ちください!」

「あ!ここはどうでしょう!あと、画面に監視カメラの映像を表示します!」

 

[“ありがとう、アロナ”]

 

[“…ん?この子は…?”]

 

****************************

 

先制攻撃はヘルメット団の歩兵部隊による銃撃。

 

校舎に向かって斉射する。

コンクリートの壁に弾丸が刺さり、窓ガラスが割れる。

 

戦車部隊は狙いを定めてはいるが、動く様子はない。

 

今、私は装甲車の上で腹這いになって戦地の様子を眺めている。

 

銃撃が始まって数秒後、正面玄関の扉が盛大に吹き飛んだ。

勢い良く吹っ飛んだ扉は、前に出ていた数人の歩兵を巻き込み、戦闘不能にする。

 

幾ら丈夫なキヴォトス人と言えど、質量の前には厳しいものがあるらしい。

それでも、目を回して気絶で済むあたり、やはり異常な耐久力だ。

個人差はあるだろうが、最低でも《MT》レベルの耐久力があると見て間違いない。

 

正面玄関を吹き飛ばした爆発で発生した黒煙の中から、今度は二つの影が飛び出す。

 

片方は二房の黒髪をもう片方は青いマフラーを靡かせ、それぞれ左右に駆け抜ける。

黒見セリカと、砂狼シロコ。

 

前線部隊はそれに釣られ、追い掛けるが、そこへ黒煙を貫いて無数の弾丸が襲い掛かる。

連射による掃射によって、前線部隊のほとんどが壊滅状態になる。

十六夜ノノミのマシンガンか。

 

更にそこへ畳み掛けるように、黒見の狙撃と砂狼の手榴弾。

まるで示し合わせたかのように息が合ってる。

 

だが、我らがヘルメット団も負けていない。

正面からの銃撃が不利と見るや否や、歩兵部隊は後ろに後退し、代わりに戦車が前に出る。

 

そして、四台の戦車がそれぞれ黒見と砂狼へと狙いを定め、砲撃する。

 

一人は良いとして、もう一人はどうする?

 

砲弾が放たれ、それぞれ二発ずつ、襲い掛かる。

幾ら頑丈なキヴォトス人と言えど、砲撃を食らってただでは済まないだろう。

 

私の予想通り、黒見へと迫る弾丸は、突如として現れた重厚な大盾が割り込む。

大盾は爆炎と爆煙に包まれるが、情報通りならば掠り傷すら付いていないだろう。

 

そして、フォローのない砂狼はと言うと。

迫る砲弾。

突如として砂狼の背後に現れるドローン。

そこから発射された爆撃が一つの砲弾の軌道を逸らし、もう一つは体を逸らして砲弾を躱す。

 

「ひゅー、やるねぇ〜シロコちゃ〜ん」

 

爆煙が晴れ、大盾から黒見と共に顔を覗かせる小柄なピンク髪。

あれがアビドス高校の最後の砦、小鳥遊ホシノ。

 

「ん、ホシノ先輩のシゴキのお陰」

 

因みに、離れたところからでも彼女達の声が聞こえているのは、頭の上の犬耳のお陰だ。

高い聴力に加えて、聴く音を選択出来る。

不意打ちでもない限り、爆音で耳がイカレるようなことはない。

 

更に言えば、視力も高く、離れたところから服の皺まで見える。

動体視力も同様、一度視界に収め、捉えた相手は見逃さない高性能なものとなっている。

 

砲弾を躱した砂狼は、その勢いに乗り、一台の戦車へと掛ける。

だが、戦車に近付かせまいと、戦車の陰から歩兵部隊が砂狼に斉射する。

幾つかの弾丸を躱して見せるが、それでも濃い弾幕を前に、砂狼は不服そうに引き下がる。

 

そのまま砂狼は、小鳥遊の元まで後退する。

 

「いやぁ〜、仕切り直しだねぇ〜」

 

真正面に大盾を構えた小鳥遊、その左右にそれぞれ黒見と砂狼、その後ろに十六夜が立つ。

 

互いに向き合い、睨み合うように並び立つ。

 

緊張した静寂が、両者の間に流れる。

 

本当に、リーダーの情報通り、アビドスの連中はたった五人だけで、複数の戦車を擁する部隊と渡り合っている。

 

今後の戦いの行方も気になるが、私にはもう一つ気になる事があった。

 

校舎の中から、一人分の多く気配を感じる。

姿が見えない奥空アヤネは、玄関の奥に待機しているとして、ならばこのもう一つの気配の主は一体何者だ?

やはり、不測の事態はあった。

だが、特に何か行動を起こすような気配は感じない。

もしくは、様子を窺っているか。

 

狙撃手などであれば厄介だ。

特に、狙撃銃には対物ライフルがある。

装甲で覆った戦車でもひとたまりも無いが果たして何者なのか。

 

もしかすると、この人物こそが、この戦いの勝敗を分ける要因になるかもしれない。

まあ、その時は私が出る事になるだけだ。




えー、ヘルメット団の戦力増強に合わせ、対策委員会側の連携力も上方修正されました
あとシロコがなんかとんでもない戦い方をするようになりました…
シロコちゃん…逞しくなって…おじさんも喜んでいます

これ先生必要?と思ったあなたは正しい

さて、ここからどうやって先生が必要になる状況を作ろうか…
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