ブルーアーカイブ/灰の翼   作:空素(鴉ノ刃)

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ブルアカをプレイして我慢が出来なかった

反省も後悔もしていない

矛盾とか間違いがあったらこっそり教えて欲しいです(小声)


第一章【失ったもの、手放さなかったもの】
プロローグ/燃えた翼、千切れた鎖


《コーラル》。

 

《惑星ルビコン3》という惑星で発見された物質・資源であり、エネルギー、食料、情報導体にもなると言う驚異的な代物だった。

 

だが、どんなものにも長所と短所はある。

 

先に挙げたものがコーラルの長所、その反面、短所は、麻薬のような依存性があること。

それだけでなく、増殖する性質を持っていたことだった。

 

脅威なのはその増殖速度。

 

一定量に達した瞬間、指数関数的に爆発的な増殖を巻き起こすとされ、その果てに何が起こるのか、専門家にも予測出来ない。

確実に言えることは、人類種の破滅を齎すと言うことだけだ。

 

だからこそ、そのコーラルを──一定量にまで増殖していたコーラルを焼き払う必要があった。

 

火を付ける必要があった。

 

かつて、同じように増殖したコーラルを焼き払い、それでも尚、燃え残ったコーラルに。

その全てを今度こそ焼き尽くす為に。

そして、それは亡きハンドラー・ウォルターの願いであり、頼みだった。

 

協力者であるウォルターの友人、シンダー・カーラと、その腹心たる“AI”、チャティ・スティックと共に、その実現の為に、戦った。

立ちはだかる者全てを薙ぎ倒して。

 

例えそれが、共に激戦を潜り抜けた“戦友”だろうと、数多の戦いを支えてくれた“友人”だろうと。

 

だが、その果てに、仲間たちもまた、その命を散らした。

チャティも、カーラも、二人とも、居なくなってしまった。

 

けれど、それが私の“選択”。

 

私自身が選んだ“答え”。

 

未練も、後悔も無い。

 

みんな、みんな、いなくなった。

 

ウォルターも、エアも、ラスティも、カーラも、チャティも。

 

みんな、みんな、私が殺した。

 

直接的、或いは、間接的に。

 

「ひとりに、なっちゃったなぁ…」

 

火を付けた果てに辿り着いた星、その荒野で独り言ちる。

夜空には無数の星々が瞬いていた。

 

生き延びた。

 

ひとりだけ。

 

これからどうするべきか。

 

何をしたら良いのか。

 

思い返して見ると、私には何も無い。

 

行くべき場所も、目指すべき目標も。

 

何も無い。

 

「ウォルター…私にはあなただけが…」

 

あなたこそが、私の導きだった。

 

暗闇に差し込む、月明かりだった。

 

今はもう、何も見えない。

 

月光も見えず、ただただ、闇に呑まれ、深淵に沈むだけ。

 

「…それも良いか…」

 

生きる意味も、意義も、何も見えない。

 

聞こえない。

 

それならば、このまま闇に身を任せ、深みへと沈んでしまおうか。

 

私は荒野を歩き続けた。

行く当てもなく、まるで心を喪った亡者のように。

 

どれだけの時間が、日にちが過ぎ去っただろう。

ただただ荒野を歩き続け、昼と夜が繰り返される。

幾ら強化人間でも、補給も無しに生命を維持し続けることは出来ない。

けれど、私にはその気力も残ってはいなかった。

このままではいずれ、この名も無き辺境惑星の荒野で人知れず力尽きる事だろう。

 

でも、それでも良いよね。

 

何だか、疲れた。

 

ウォルター、私、頑張ったよね?

 

もう、休んでも良いよね?

 

 

 

 

 

 

 

そう思った直後、私はあり得ないものを見た。

 

見上げた夜空。

そこには満天の星空が広がっていた。

だが、それだけでなく。

星々の瞬きの中に、深紅の煌めきが見えた。

 

それは見慣れた、嫌と言うほど目にした、コーラルそのものだった。

 

何故、どうして。

 

関係ない。

 

残っているのならば、また燃やすだけだ。

 

ウォルターの遺志を果たす。

 

その使命感が、亡者のように枯れ果てた心身に火を付ける。

 

私の中に僅かに燻っていた残り火を燃やす。

 

私は近くの岩山の天辺へと上り、そこからアサルトブーストで空を目指す。

上空を漂うコーラルは目に見えて増えており、潮流を織り成していた。

コーラルは、鳥や魚に似た群知能を有している。

 

コーラルは、何処かへ向かっている。

ルビコンに於いては、コーラルは集まろうという習性があり、コーラルの潮流の果てに、多くのコーラルが地下に眠っていた。

 

だが、良く考えるとおかしい。

ルビコンの外に、コーラルは無いはずだ。

仮にあったとしても、これ程のコーラルが群れを成して向かう程の量がある筈がない。

 

それだけの量があるならば、ルビコンに於ける企業との争奪戦は何だったのか。

 

コーラルの潮流は、もはや空を赤く染め上げる程にまで流れを増している。

 

気付けば、周囲にコーラルが満ちており、私が何かするよりも先に、私は自身の駆る機体ごとコーラルの潮流に飲み込まれた。

 

かつてない程のコーラルの勢いに、機体を動かす事もままならない。

 

機体の装甲が瞬く間に削られて行くのを感じる。

 

そして、蝕まれるのは機体だけで無く、私自身の肉体、精神も同じ。

 

かつて、コーラルのウォッチポイントで浴びたコーラルの逆流。

 

それと同等──それ以上のコーラルの奔流が“私”を。

 

──()()()を。

 

なんだっけ?

 

もうなにもわからない。

 

なにもかんじない。

 

わたしはだれで、なんなのか。

 

でも、もうどうでもいい。

 

つかれた。

 

わたしのからだがきえていく。

 

そんなきがする。

 

ほら、いしきもだんだん、わかんなくなって。

 

ねむくなって。

 

ねむい。

 

おやすみ、─────。




レイヴンは果たしてどうなってしまうのか!?

早くも主人公存亡の危機!!

ウチの621は、割と表面上は平然と取り繕うけど、その反面、内部は徐々に崩れ落ちて行ってる系の子です。

ウォルター、エア、ラスティ、カーラ、チャティといった親しい人たちを失い、泣きも喚きもしませんが、その心は徐々に…と言った感じですね。

自分は平気と思って動いているが、ある日突然、糸が切れたように動けなくなる。

因みに今のところは男でも女でもどっちの可能性もあります。
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