ユーハバッハ「どっから生えてきたこいつ」
「よく来てくれたね、獪岳」
「君とこうして話すのは初めてだったかな。
私は産屋敷耀哉。ようこそ、柱合会議へ」
「そんなに畏まらなくていい。
私は偉くもなんともないんだ。
皆が膝をつくのも、頭を下げるのも、皆が善意でそう扱ってくれているだけなんだよ」
「当主と言っても、私も鬼殺隊を動かす駒の一つに過ぎない。
私達は同じ目標に向かって進んで行く同志だ。
だから強い君は、私より多くの物を背負うこともあるだろう。
先にそのことを謝らせてほしい。そして頼みたいんだ。君に、人の命を守ることを」
「天元はもう戦えない。
普通に生きる分には問題ないだろう。
ただ……筋が切れてしまった天元は、戦士として昔の通りには戦えない」
「だから今日から、君が『鳴柱』だ。桑島獪岳」
「本当は君か善逸か悩んだのだけれど、天元が君を推薦したんだ」
「『間違えない善逸より、間違えそうな人間を踏み留まらせられる獪岳の方が良い』とね」
「私よりずっと、彼は君を信頼していたようだ。
天元は善逸を、決定的な間違いを犯さない者と信じている。
天元は君を、決定的に間違えてしまいそうな者を止められると信じている。
できれば私の言葉に応えるのではなく、天元の期待に応えるべく、頑張ってほしい」
「君の刃が、人を救い、鬼を討つ。そうなることを、私は願っているよ」
鬼殺隊を支える柱は九人。
柱が欠ければ、新たな柱が補充される。
獪岳は鬼殺隊において柱に次ぐ最高位の甲であり、鬼を倒した数も50を超え、歴代の柱と比べても遜色ないレベルの実力を持っていた。
黒死牟を倒して以後、元鳴柱桑島慈悟郎の指導を改めて受け、鍛錬を欠かさないことで、後一年もすれば柱の上位層に並ぶ強さを持つだろうと見込まれている。
雷の呼吸の派生である音柱が抜けた以上、雷の呼吸を鬼殺隊の中で淀みなく継承させて行くためにも、雷の呼吸から優先的に柱が選ばれるのは当然であると言えた。
だが、獪岳が柱に選ばれた理由には、共闘していた二人の証言もあった。
『善逸はもうちょっと気楽な立場の方が良いだろ。
あいつはその内嫁でも見つけて鬼殺隊抜けた方がいいんじゃね?
強いには強いが、戦いを怖がって"勇"で派手に乗り越えてる奴だ。
日常の方が似合ってんだろ、善逸には。
……獪岳が柱である内は兄を見捨てて鬼殺隊抜けられねえかもしれねえけどな』
天元は、そう言った。
『トドメを刺したのは獪岳です』
善逸は、自分の功績を誇らず、迷わず獪岳の功績を語った。
十二鬼月にトドメを刺したのは確かに獪岳である。
だがそこに至るまでの道筋は多くの人間に舗装されていた。
獪岳が一人の力で黒死牟を倒せたかと言えば、絶対にそんなことはないだろう。
十二鬼月の下弦程度なら余裕で倒せる獪岳であるが、まだまだ成長しきってはいない。
獪岳は自分の力で柱の立場を勝ち取ったわけではないという自覚があり、それが悔しく、胸の奥に淀んだ気持ちが溜まるような感覚があった。
が。
もう彼は、自分の中のそんな気持ちに支配されたりはしない。
『なんでだ』ではなく、『ここから柱に相応しい強さになろう』と思うのが、今の獪岳。
産屋敷もまた、直接獪岳と会うことで、その心の問題が許容範囲内であることを確認していた。
そして、浮かれる。
なんか浮かれる。
ものっそく喜んでいる。
街道を善逸と二人で歩く獪岳は、浮かれポンチの呼吸に染まりきっていた。
時折、何故か突然笑い、「くくっ」といった浮かれポンチの呼吸が口から漏れている。
「見ろ善逸。
この『悪鬼滅殺』の文字入りの日輪刀!
柱の刀だけに刻まれる四文字!
最高にかっこいいよなこれ……
前々からこの日輪刀がメチャクチャ欲しかったんだ……やべえ格好良い……!」
「獪岳って本当に欲しがってばっかだよな……」
「違うな、もう過去形だ。もう手に入ったからな! はぁークッソ好き。俺だけの刀……」
「あーはいはい、適当な穴埋めで柱の下っ端に入れたのが随分嬉しいみたいですね」
「舐めるなよカス。煽っても無意味だ、今の俺には大分余裕がある」
「うっわ大分嬉しそう!」
善逸はうんざりした表情で深く溜め息を吐くも、声色はどこか嬉しそうだった。
「アンタが柱になったせいで爺ちゃん喜び過ぎで心臓止まって死にそうになってたよね」
「割と歳だからな師匠……」
「まあでも……爺ちゃんもあんま期待はしてなかったと思うよ。俺達ほら、あれじゃん」
「……まあな」
「全部の型使えないしね俺達」
「柱は実力制だからな。そこは運が良かったと思ってるぜ」
「ぶっちゃけ柱興味無かったんだよね、俺。
爺ちゃんも俺達に柱になれとか言わなかったし。
俺達に重圧かけたくなかったのかなって今は思う。
あーあ、でもあんなに喜んでもらえるなら、獪岳より先に柱になっておけばよかった」
「言ってろカス。この喜びは俺のもんだ」
「自慢すんなクズ。柱就任、おめでとう」
「おう」
善逸に肘で小突かれ、獪岳は得意げに鼻を鳴らした。
「だがその前に、ケジメを付けなきゃならねえことがある」
「ケジメ? 柱としての初仕事の前に?」
「ああ」
「それが獪岳が今でも俺連れ歩いてる理由?」
「いや、お前を連れ歩いてんのはお前を暫定継子にするってお館様に言ってるからだ」
「はぁ!? 初耳なんですけど!?」
「言ってなかったからな。
俺の次にお前が柱になれ、善逸。
俺と
周りの陰口しか言わないカス野郎も、師匠も、より正しく俺を評価するってことだ」
「みみっちいこと考えてんなこいつ……」
『素直に自分一人が柱になったことが後ろめたくなったと言えよ』と、善逸は思った。
「で、その獪岳が付けなくちゃならないケジメって何?」
「それは……」
獪岳は言い辛そうに語り出した。
その昔。
獪岳は、岩柱・悲鳴嶼――当時はまだ一般人だった――の寺に拾われ、そこで育てられていた孤児の一人だった。
皆家族同然に仲良く暮らしていたが、ある日獪岳が寺の金を盗み、それに気付いた子供達により獪岳は寺を追い出されてしまう。
間の悪いことにそこで獪岳は鬼と遭遇し、鬼に命乞いし、自分の命を助けてくれるなら悲鳴嶼と寺の子供達八人を食わせると鬼に約束した。
鬼避けの藤の香を消し、鬼を招き入れてしまった。
結果から言えば、悲鳴嶼が大事にしていた子供達は一人を除き全員鬼に殺された。
獪岳の予想を超えたのは、悲鳴嶼という規格外だった。
当時はただの気弱な盲目の一般人であり、子供達に食べるものを分け与えすぎていたために痩せ細っていた悲鳴嶼が、『素手で』鬼を夜明けまで磨り潰し続け、殴り殺したのである。
まさに規格外。
鬼が霞んで見える怪物であった。
悲鳴嶼は子供達が鬼に殺され、残った一人を守るために戦うまで、自分が強いということを知らなかったという。
鬼は一般に確かな存在として知られてはいないため、子供達の死は悲鳴嶼が殺したということになり、悲鳴嶼は殺人犯として投獄された。
そんな悲鳴嶼を牢から救い出したのが産屋敷。ゆえに、悲鳴嶼は産屋敷に対し強く強く忠誠を誓っている。
獪岳のせいで、悲鳴嶼は愛する子供達を殺され、殺人罪で投獄された……と言える。
獪岳は自分が逃げた後の顛末は、見聞きしていなかったため知らなかった。
彼がそれを知ったのは、悲鳴嶼の過去を知っている不死川玄弥が「絶対許せねえよなそのクソガキ」と語っていたのを、過去の任務で聞いていたからである。
彼がそれと向き合ったのは、黒死牟を倒した後である。
それまで獪岳はずっとずっと、その拭い去れない過去と、変えられない現実と、悲鳴嶼行冥という男から、逃げ続けてきた。
思っていたより十割増しでクズな話が出て来たことで、善逸は顔を真っ青にして数歩引く。
「え、クズじゃん! クズの中のクズじゃん! 屑柱って言われないそれ!?」
「……その通りだよ」
「え、お、おう。なんか言い返してくるかと思ったら殊勝で困る。獪岳らしくないぞ」
「うるせえ!」
善逸は真っ青な顔でドン引きして、けれど少し何かを思い出すような顔をして、何かを思い出して納得した様子で手を打った。
「ああ、でもそっか。爺ちゃんが言ってたのそういうことか」
「? 師匠が何か言ってたのか?」
「あーうん。あんまよく分かってなかったんだけどさ。
爺ちゃんが
『死にたくない獪岳が戦う術を学び』
『命がけで戦う鬼殺隊に入ったのは』
『人を踏みつけにした分、償いたかったから』
『罪悪感がなければ、きっと戦いを選びはしなかった』
って言ってたな、って思い出した。あの時はよく意味分かってなかったんだよね」
「……お見通しか。敵わねえな」
獪岳が、自分が生きるためならなんでもする人間なら、何故鬼殺隊に入ったのか?
食っていくだけなら他のどこでだってやっていける。
真っ当に表舞台で脚光を浴びたいなら裏の組織の鬼殺隊など問題外だ。
鬼殺隊は戦死が当たり前で、活躍しても戦死しても、社会の闇に消えていく。
獪岳がやっていた剣士など、よく死ぬ役職筆頭である。
何が何でも死にたくないなら、獪岳がそこで剣士をしていることも、そこで剣士をするために桑島慈悟郎の下で必死に剣を学んでいたこともおかしい。
けれど、善逸と獪岳の師である老人には、それがおかしく見えてはいなかった。
自分が生きるためならどんなに醜悪なことでもできてしまう獪岳が、鬼に寺の仲間を捧げてしまった獪岳が、償いのために鬼を殺そうとする気持ちが、桑島慈悟郎には見えていた。
クズはクズという要素だけで出来ているということはあまり多くない。
クズな行為をしてしまった後、悔いる人間もいる。
自分の命が脅かされた時のみ、一線を越える人間も居る。
間違えない人間は居ない。
善行だけを重ねる人間というのも多くない。
生きるために何でもする癖に、自分の命を危険に晒す鬼殺隊に入ろうとする獪岳に、桑島慈悟郎は『醜悪だが哀れな歪み』を見て、獪岳が生きるための雷の呼吸を与えた。
自分の名字を与えた。
"いつかその歪みを無くせるように"と願いを込めて。
自分が食われて死のうとも、身内を守ろうとするなら大聖人。
平然と他人を犠牲にし、何の感傷も無いならば大悪人。
なら、自分が生きるために他人を犠牲にすることに躊躇いがなく、犠牲にした後に後悔の念を引きずる獪岳は……大聖人と大悪人の狭間の、どこに位置しているのだろうか。
「俺が柱になったことに悲鳴嶼さんは何も言わなかった。
俺も何も謝れなかった。
……ああクソ、何も言えなかったんだ。
せめて柱になるならそこのケジメは付けなきゃならなえ。お館様にも期待されてんだ、俺は」
「ん? つまり俺はアレなのね、素直に謝れない子供が友達に謝る時に親連れて行くやつ」
「うるせーな! そういう意味でお前連れて来たんじゃねえよ!」
「まったくもう、獪岳は俺がいなきゃなんにもできないんだから」
「クソッ調子に乗りやがって……
見てろ! テメェの前では俺は情けなく逃げたりしねえ!
悲鳴嶼さんに土下座でもなんでもしてやる!
……許されねえかもしれねえし、半殺しにされるかもしれねえ。
ただそれでも、なんだ、その……謝らねえよりかはマシだろ、多分」
「まったく、しょうがない。だらしない兄弟子と一緒に俺も頭下げてやるかな」
「しなくていいわカス。テメェが頭下げる筋合いなんてねーんだよ」
「うっわ、人の好意を無下にするクズはこれだから……」
悲鳴嶼達の現在地は遠く、そこそこ時間のかかる移動となると獪岳は見ていた。
だが今を逃せば、柱となってかつてないほどに忙しくなる獪岳に謝罪の機会はない。
謝罪と贖罪に動くには、今しかなかった。
「自分からも、過去からも、人間なら……逃げられやしねえんだ」
獪岳はこのままなあなあで許されることも、なんとなくで自分の過去が流されることも、良しとしなかった。
獪岳達が出立した時間とは、少しズレた時間帯。
夜の世界を、悲鳴嶼行冥と鱗滝錆兎が駆ける。
二人が放った攻撃が、追い詰めた二体の鬼を滅殺する。
倒された二体の『下弐』『下参』と文字の刻まれた眼球が、宙を舞った。
「お疲れ様です」
「ああ。錆兎もよくやってくれた」
「まさか下弦の弐と参が組んでいるとは……」
「最近下弦の補充が早い。鬼舞辻の活動が活発化していると見て間違いはないだろう」
「八八の奴どこに行きました?」
「途中からどこかへ行ったようだったが……」
各地方の怪しげな話や、鬼の情報を頼りに、隊士を派遣する。
派遣した隊士が多く戻らなければ、あるいは十二鬼月の鬼が居るらしいと推測が経てば、そこに柱か柱並みの剣士を派遣する。
それが鬼殺隊の基本戦術。
柱を二人以上派遣することで、十二鬼月を確実に仕留めようとすることも珍しくはない。
この地方の十二鬼月は、一体と見せかけて二体居るという半ば騙し討ちの罠のようになっていたが、錆兎と悲鳴嶼の二人には到底敵わなかったようだ。
錆兎は目で、盲目の悲鳴嶼は耳で、途中でどこかへ消えた八八を探す。
そこに新人として同行し経験を積んでいた玄弥が駆け込んできた。
「錆兎さん! 悲鳴嶼さん! 八八さんが!」
「鬼を倒してから一騒動あるのが本当にアイツらしいな……悲鳴嶼さん」
「分かっている。迎えに行こう」
嫌な予感を覚えつつ、錆兎、悲鳴嶼、玄弥が向かうと、そこには。
「分かる? 私達警察なの」
「帯刀はちょっと……今の時代分かってる?」
「お仲間居るよね。どこに居るか教えてもらえるかな」
「お前もいずれ分かる時が来よう」
「刀持ち歩いていい時代じゃないの。分かる? 法律違反なの」
「そうとも言えるし、そうでもないとも言える」
「そうとしか言えねえよ」
「なんだこいつ……」
「今時侍気取りかい?」
「それが侍に対する口のきき方かァ! またいつもの分かりにくい職質ですか?」
「いや分かりにくいも何も」
「この刀の説明をする前に、今の銀河の状況を理解する必要がある。少し長くなるぞ」
「いや銀河はどうでもよくてまずは」
「いや……説明はものすごく時間がかかるのだ。まずは説明していースか?」
「よし、いいぞ。説明してみろ。ただしその後署にしょっぴくからな」
「その説明をする前に、今の銀河の状況を理解する必要がある。少し長くなるぞ」
「ループに入るな入るな」
「無敵かこいつ」
「いやもう早く捕まえて次行きましょう次。はい手錠カチャッと」
「何をカチャカチャやってる!?」
「!? 今こいつ手錠かけた腕外れなかった!?」
「き、気のせいだろ……取り押さえられて腕外して逃げる人間なんて居るわけ……」
「待って今頭もパカパカしなかったかこいつ」
鬼と鬼殺隊の戦いを聞きつけ、通報を受けた警察と熱い戦いを繰り広げる八八の姿があった。
錆兎は顔を手で覆い、空を見上げる。
「国家権力をはぐらかしてる……」
鬼殺隊は国家非公認の組織。
警察に見つかれば面倒なことになる。
八八は警察の足止めに長けた男であった。
「男八八、一発芸をします。
始まりの剣士の真似!
『私の呼吸のノウハウを全部ぶち込んでるので皆順当にいけば私を超える剣士になるはず!』
『うおおおおお!!!』
どうだろうか。
拙者は笑いを取ることには疎くてな……忘年会で皆が笑えると思うだろうか警察の皆様」
「知らん」
「知らん」
「誰だよ! 勇失いすぎだろ!」
「ううむ、死者ネタは不謹慎すぎたな……」
「警察に手錠かけられながら忘年会のネタの相談するやつ初めて見たぞ……」
警察をはぐらかしながら完全に自分のペースに巻き込んでいる八八を見て、玄弥は誇らしげに頷き、錆兎は慣れた様子で苦笑し、悲鳴嶼は対応に困ってしまった。
「どうしますか悲鳴嶼さん。義勇が居ないので話が亜空間まで飛んではいないみたいですが」
「……その内戻って来るだろう。放っておけ、錆兎」
「いや……錆兎さん、悲鳴嶼さん、なんか様子が変ですよ」
玄弥が何かに気付き、錆兎と悲鳴嶼もそれに気付く。
「そうとも言えるし、そうでもないとも言える」
「まだまだ警察にも心眼が足らぬ」
「警察の判断にも絶対はない」
「この状況がどう見えるかだ」
誰が喋ってんのか分かんなくなってきたな、と錆兎は思った。
「どうします悲鳴嶼さん」
「いやこれはもう止めに入った方がいいな……」
汚染が深刻になる前に、錆兎と悲鳴嶼が八八を回収した。
【サム8の『勇』全種】
全て『勇』と呼ばれるので慣れないとどのキャラがどの勇を言ってるのか分からない。
当然八八も全部ごっちゃになっている。
・通常の勇
いわゆる『勇気』の略。
『侍の勇』とわざわざ分けて呼ばれている以上、侍の勇という固有概念とは別に存在する、通常の勇が存在している。
・侍の倫理の勇
侍の善良さや倫理みたいなもの。
外道になると「失ったな」と言われる。
「あさはかな勇」と言われることもあり、侍の基本的な考え方でもある。
猫師匠、千などが言及。
・侍の命の勇
負けを認めることで失われるもの。事実上の侍のHP。
"強く在ろうとする"自分そのもの。
これを失うと侍は死ぬ。
自分で自分に決めたルール『義』を破ると失われる。
ただし面の皮が熱いと義を破っても失われない。
善良な人間・真面目な人間・繊細な人間ほど義を破ることでこれが失われやすい。
・侍の気力の勇
何かを護りたいという想いから湧き出る気力。
本人の心から絞り出されるメンタルパワー。
侍の命や姫との絆とは関係の無い気合いのようなもの?
アタ曰く散体を回避する勇は強く在ろうとする心で、こちらは守ろうとする気力らしい。
千が言及。
・侍の姫との勇
姫と侍の間にあるもの。姫との繋がり。
絆と言うのが近い。
姫と侍の間の勇によって、侍は○倍のステータスブーストを受けることができる。
千や五空などが言及。
・侍のステータスの勇
現状どれを指すものか不明。
ただし八丸のアン姫によるステータス倍加が8倍、ステータスの勇も8なので、侍と姫との勇という説もある……が。
猫師匠が姫を失ったことで全盛期の半分の力も出せないという言及があり、猫師匠の勇が100であるため、そうとも限らない。
・"勇"を失ったな……
上記のどれかの勇を失った状態。
12話でアタが侍の命の勇を失うことに言及し、14話で猫師匠が侍の倫理の勇を失ったことに言及したため、すさまじく解読が難しい言い回しとなった。
【サム8の『義』全種】
全て『義』と呼ばれるので慣れないとどのキャラがどの義を言ってるのか分からない。
当然八八も全部ごっちゃになっている。
・侍の義(使命)
それぞれの侍が持つ使命。役目。
大局的にその侍が果たすべきもの。
猫師匠の箱の鍵探しや八丸の鍵としての役目がこれ。
・侍の義(自戒)
侍が自分で自分に定めたマイルール。
これを定めていると、それを破った時に『勇』を失って死ぬ。
八丸がアンや銀河を守るとか言ってるのがこれ。
・侍の義(複合)
「周りがそう言ってるから」決めたルールと「自分で決めた」ルールの複合。
先祖伝統の義と個人の義の混合など?
当然これを破れば死ぬと思われる。
「我が家は名家なので断絶させず守り続けなければならない」という義常の義がこれ。
自分で決めるだけでなく先祖が決めたものを受け継いだ義もある、らしい。
猫師匠曰く侍は全てを自分で決められる者らしいので、少し特殊な立ち位置にある。
・侍の義(規範)
侍はこうあるべし、という常識。
侍が姫を傷付けたりすると勇が失われて侍は死ぬ。
嫁の姫を傷付けて即散体した義常の散体理由がこれ。
→『義を持たない侍』
千の義の有無を確認する言動から存在していると思われる。
義を持たないため義を理由に勇を失わない。
義を持っていれば強くなるという話はなく、強い侍は義を持っていて当然といった話もないために、なんだかんだ義を持ってない盗賊や犯罪者みたいな侍が死ににくかったり強かったりする理由だと思われる。
「守るものがあれば強くなれる」などは、勇の分野であって義ではないことは猫師匠の言動から判明済み。
→『義を持つ侍』
自分で決めたルールを守っている侍。
義を諦めた時、心は折れ、勇は失われ散体する。
侍の在り方に厳格な者ほど簡単にこれで死にやすい。
義常がこれにあたる。
→『義を持ってるが義を破っても散体しない侍』
基本恥知らずの類。
義を破っても勇を失わない。
自分に対して甘い者ほど義を破った罪悪感が無いので死ににくい、と思われる。
姫を守ると言いつつ守れなかったりしても、特に後々気にすることもなく、散体の兆候もない八丸などがこれにあたる。
義を破ったことで散体することもなく、アタの言及から義の効果で散体もしにくいらしいため、非常に死ににくい超優秀なハイブリッド侍。八八もこれにあたる。