blender初心者向/キャラクターを動かそう①〜アーマチュア設定〜
blenderを始めたからには自分のキャラを自由に動かしてみたい。blenderを使っている人の多くは、一度はそう考えるのではないでしょうか。自分も例に漏れず、そのうちの一人です。
そんなわけで、この猫を動かしたい!と思いボーンを入れてみたのだが、なんかうまくいかない…。
なので、自分なりの情報整理、備忘も兼ねながらこちらに記録を残しておこうと思います。
おそらくもっと色々なTipsや方法があると思うのですが、この手順通りに操作すれば、初心者でもとりあえずキャラクターを動かせるようになる記事を目指します。(私自身初心者のため、間違っているところがあったら教えてもらえると嬉しいです)
参考にしたページは適宜URLを貼って進めていきます。
作業環境
PCはMacを使用しています。
blenderのバージョンは4.3.2を使用しています。
作業工程
以下の手順で進めていきます。
ボーンを入れる
名前をつける
対称化する
アーマチュアとオブジェクトのペアレント
補助ボーンを入れる
再度アーマチュアとオブジェクトのペアレント
ウェイトの調整
スムーズモディファイア適用
IK設定
めっっっっちゃやることある!
がんばってやっていきます。
なお、このページでは『8.スムーズモディファイア適用』まで記載しています。(長くなりすぎたので分けました)
『9.IK設定』については次の記事に記載していきます。
1.ボーンを入れる
そもそもボーンとは?この段階で入れるボーンは、名前の通りキャラクターの『骨』のようなものだと認識しています。
キャラクターを動かそうと考えた場合、編集モードから頂点全てを移動するのはとっても大変です。しかし、ボーンの設定をしておけば、ボーンに紐づいた部分が一気に動かせるので、操作が大幅に簡略化できます。
では早速、ボーンを入れていきます。
ボーンは通常オブジェクト同様、オブジェクトモード画面でShift+Aを押すことで追加ができます。
(Shift+A>アーマチュア>単一ボーン)
ボーンは追加したままの状態だとオブジェクトに隠れて見づらいので、オブジェクトデータプロパティ>ビューポート表示>最前面のチェックを押して操作を続けていきます。
ボーンは編集モードでEキーを押せば押し出しが可能です。関節ごとにボーンが区切れるように配置していきます。あとで対象化できるので、左右対称のキャラクターの場合は半身だけ作っていけばOK。
2.名前をつける
ボーンを入れたらボーンに名前をつけていきます。自分がわかる名前で良いです。(Head、Neck、Chest…等が一般的なようです)
名前をつけたボーンのうち、対称化したいボーンには名前の末尾に「.R(右)」もしくは「.L(左)」を入力する必要があります。ただし、この作業は自動入力可能です。
ボーンを全て選択し、アーマチュア>名前>自動ネーム(左右)名前を押すだけで完了です!
ちなみに、名前を変更するときなど、アウトライナー内で対象を見つけられない時には、モデリング画面で対象を選択>マウスポイントをアウトライナーへ>「.(ドット)」を入力すれば対象ボーンを自動選択してくれます。便利!
3.対称化する
対称化は簡単です。
ボーンを全て選択した状態で、アーマチュア>対象化を選択します。
4.アーマチュアとオブジェクトのペアレント
ボーンの設定が完了したら、オブジェクトモードでオブジェクト、アーマチュアの順に選択>Ctrl+P>自動のウェイトでをクリックします。
これでボーンを動かすだけでオブジェクトも連動して動くようになります!
設定後、適当なポーズをとらせてみました
5.補助ボーンを入れる
ざっくり猫を動かせるようになりましたが、色々動かしてみると変に変形してしまう部分が出てきてしまいました。
首のあたりの変形が特にひどいです。脇も肩の動きに引っ張られて変形しています。
こんな時は、ウェイトの変形をするよりも「補助ボーン」を入れた方が楽なようです。
ボーンは、各頂点へ与える影響力の大きさ(ウェイト)を定義することで、オブジェクトを変形させています。
補助ボーンも(ボーンなので)、ボーン同様に各頂点への影響力を持ちます。
そのため、変形させたくない場所に補助ボーンを設置しすると、補助ボーンの支配下になった箇所は補助ボーンを動かさない限り変形しないということになるようです。(たぶん)
今回は、首と脇に補助ボーンを追加します。
すでに入れてあるボーンを選択し、編集モード>Ctrl+Aで新しいボーンを追加、配置を行います。
配置ができたら、補助ボーン(子)、ペアレントしたいボーン(親)の順に選択し、Ctrl+Pでペアレントを行います。(オフセットを保持)
今回は、首の補助ボーンは首のボーンに、脇の補助ボーンは真ん中の胸あたりのボーンとペアレントしています。
先ほどと同様に、補助ボーンにも名前をつけてから対称化をします。名前をつける際には「.L」もしくは「.R」を忘れないこと!
6.再度オブジェクトとアーマチュアのペアレント
アーマチュアに変更をかけたので、もう一度ペアレントをしていきます。
オブジェクトモード>オブジェクト、アーマチュアを選択>Ctrl+P>自動のウェイトでを選択すれば完了です。
形が崩れなくなってる!
再度ペアレントする意味があまりわからなかったのですが(ペアレントやり直さなくてもボーン動かしたらいい感じに動くような…?)、ウェイトの再計算をしてくれるからではと自分を納得させています。
大した操作でもないし何回やってもいいですからね。あとで大変になるよりは。
7.ウェイトの調整
ここでボーンの影響力(ウェイト)の調整をしていきます。
ボーンは面ではなく頂点に対し影響力を持っています。各頂点に対し、どのくらい影響力を持つかを決めるのがウェイトの設定で、ウェイトの数値が大きい頂点ほどボーンと同じように動きます。
ウェイトが正しく設定されていない場合、オブジェクトをポーズモードで動かした時の挙動がおかしくなります。その場合、対応方法は①補助ボーンの大きさもしくは位置の修正、②ウェイトペイントで手修正だと思います。
まずは、どこの挙動がおかしいか探すためにポーズモードでボーンをたくさん動かしてみます。
以下、挙動がおかしくなっていた箇所と、その対策方法を示しています。
これでだいたい良さそうですが、目の挙動が怪しいのでウェイトペイント画面でも確かめてみます。
オブジェクトモードにてアーマチュアを選択、Shiftを押しながらオブジェクトを選択しウェイトペイント画面へ移動します。
今回見てみたいのは頭のボーンなので、クリックして状態を見てみます。
目の色が周りの色と同じでない=ウェイトの大きさが違う=動き方が周りと変わってしまうというのが原因のような気がするので、修正をしていきます。
修正をするときは、左側の赤枠部分でブラシを選択します。
私は一番上の「ブラシ」、もしくは上から5番目の「グラデーション」で色を塗って、二番目の「ぼかし」でいい感じに調整する感じでやってます。
なお、上側に書いてあるのはブラシの設定で、
ウェイト:ボーンの影響力の大きさです。0が最小(影響力なし)、1が最大(影響力あり)
半径:選んだブラシの大きさ
強さ:ペイント時のブラシの強さ ちょっとずつ調整したい時は弱めた方が良さそうです。
ウェイトペイントを行ったら、ポーズモードで動作確認をして問題なければ調整は完了です!今回は目の周りまで真っ赤にしてみました。動作確認も概ねOK!疲れてきた〜
8.スムーズモディファイア適用
ここまできたら、また色々とポーズをとってみます。すると、ポーズをとった時に体に変なシワが入ってしまうことがわかりました。
ちょっと気になる
これはモディファイアで対応します。
オブジェクトを選択し、モディファイア>新規>変形>スムーズ(補正)変形を追加します。
スムーズ(補正)変形は、アーマチュアで変形を行った際に生じる歪みの軽減を行ってくれるモディファイアだそうです。
シワがなくなり、全体的に滑らかになりました。
なお、スムーズ(補正)はサブディビジョンサーフェスがかかっている状態で適用使用とするとエラーになります(頂点数の関係のようです)。
対応方法として、モディファイアタブの中でサブディビジョンサーフェスより上にスムーズ(補正)変形を持ってくる必要があるようです。
これでだいたいいい感じにボーンを入れることができました!
正直、一枚絵の3Dイラストを作りたい方はここまででも十分な気がしています。
次の『IK設定』は、ここから一歩踏み込んで、アニメーションを作りたい方や、ポージングを楽にしたい方向け…だそうです。
私はせっかくなので設定してみました。
*IK(インバースキネマティクス)は、めっちゃ簡単にいうと足先のボーンの位置を変更したら膝の位置も自動でいい感じにしてくれる、みたいな制御方法のことです。(たぶん)
設定すれば便利ですが設定するまでが面倒です。
がんばれそうな人は次も一緒に頑張っていきましょう〜!


コメント