仕事が減ったフルリモート翻訳者の心の記録
私は台湾の会社で翻訳業務を担当しています。
数年前まではオフィス勤務をしており、翻訳や通訳の案件も多く、毎日忙しく働いていました。今ほどAIが発達していなかったので、日本語や日本のことで分からないことがあれば台湾人の同僚が相談に来てくれて、一緒に話し合ったりすることもよくありました。そんなやりとりを通して、主体的に働いている感覚があったように思います。
でも、数年前の出産を機に働き方がフルリモートに変わったこと、そしてここ数年の生成AIの台頭によって、状況は大きく変わりました。職場の人との距離感がぐっと遠くなり、仕事の量も内容も、かなり縮小してしまったのです。
今はパソコンに向かって一人で仕事をこなしています。私がこなす翻訳業務自体も、AIが生成したほぼ正確な翻訳を確認し、多少手直しすると言う単純作業になっています。淡々と作業をしながら、「このままでいいのだろうか」と不安になることもしばしばです。
職場には月に一度の定例会議があって、そこでは同僚が最近の成果や新しく取った資格などを発表し合う時間があります。
私はオンラインで参加させてもらっているのですが、他の人たちは会議室に集まって話していて、私は一人パソコン越しに音声だけで聞いています。そうすると、別の世界でみんなが頑張って成長して、どんどんすごくなっているのに、自分だけが取り残されているような、そんな焦りを強く感じてしまうのです。
仕事量の減少や仕事の内容や縮小については、これまでも上司に相談してきましたし、他の人もある程度は把握していると思います。けれど、リモートワークの環境では上司の期待や方向性が見えにくく、しかも上司も非常に多忙な中で、どう取り組んでいけばいいのか分からないままでいました。
自分の進め方が本当に正しいのかどうかもはっきりせず、むしろ多忙な上司の負担になるのではないかと考えてしまい、そこでずっと迷っていました。
仕事量が減っても給料や待遇等は変わらないので、なかなかお尻に火がつかなかったと言うのもあるかもしれません…笑
しかし来週、ついに上司との会議があります。そこで新しい方向性について話し合えるのかもしれません。
翻訳業務という性質上、私はこれまで「割り当てられた業務をきちんとこなす」スタイルで働いてきました。
主体的にアイディアを出していくことにはまだ慣れていませんが、会議までの期間を使って、できることを考えてみようと思っています。


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