ガザ出身の九州大学教授、人質解放「戦争終結へ重要な一歩」…50人以上の親族失い「真の平和が願い」
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イスラム主義組織ハマスに拘束されていた全人質が解放された13日、イスラエルでは、同胞の帰還を歓迎する声が上がった。一方、日本で暮らすパレスチナ人からは「停戦は本当に続くのか」と不安も漏れた。 【写真】パレスチナ出身の九州大院生、国際歯科研究学会で最優秀賞…「故郷の子どもたちの希望になれば」
「戦争終結に向けた重要な一歩だ。ただ、合意が完全に守られるか見通せず、戦闘再開の不安もある」。ガザ出身で妻と5人の子どもたちと福岡市東区に住む九州大教授、オサマ・エルジャマルさん(51)は13日、人質解放のニュースに複雑な心境を語った。
この2年間で50人以上の親族を失った。約1年半前には北部に暮らす祖母宅が攻撃を受け、祖母ら4人が犠牲になった。実家も攻撃を受け、母や弟妹は毎月のように避難を強いられた。
60歳代の母親は健康状態が悪化し、歩行が難しくなった。「母の体調が心配だ。幼い子どもたちも栄養不足で病気に苦しんでいる。医薬品や食料を早急に届けてほしい」と求める。
妻のカリマンさん(42)の姉宅も爆撃を受け、その夫が犠牲に。20歳代の姪は首の後ろに爆弾の破片が残った。一刻も早い手術が必要で、カリマンさんは「高度な治療が必要な人がたくさんいる」と訴える。
水を浄化して利用する水環境工学が専門で、水質汚染が進む故郷の復興に研究が役立つ日を夢見てきたエルジャマルさん。11日にも福岡市でパレスチナの平和を訴える集会に加わった。「故郷は完全に破壊されたが、一日も早く子どもたちと訪問し、母に会わせたい」
ただ、和平交渉ではイスラエル軍がガザ中心部から撤退しても、ガザの半分以上を掌握すると伝えられている。「ガザに真の平和が訪れることが願いだ。もう誰も犠牲になってほしくない」。エルジャマルさんは力を込めた。
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