政宗「毒殺未遂」の実母義姫、晩年は幸せだったか 元仙台市博物館長が山形で講演
仙台藩祖伊達政宗の実母義姫(よしひめ)の晩年に迫る講演会が11日、山形市であった。元仙台市博物館館長の佐藤憲一さん(76)が、死の間際に仙台で政宗と再会した義姫の心情をひもといた。 伊達家の記録によると、政宗は1590年、家督相続を巡って毒殺未遂事件を起こされ、義姫が伊達家を継がせようとした実弟小次郎を自らの手で殺害した。義姫は兄である山形藩主最上義光を頼りに実家へ帰ったが、1622年に仙台に戻って政宗と28年ぶりに再会している。 講演では、義姫が仙台に来て亡くなるまでの10カ月間の手紙を紹介。政宗の手紙に「身にしみてうれしく、思わず涙を流してしまいました」とあったことや、江戸にいる政宗の正室愛姫(めごひめ)に手製の提げ袋を送ったこと、政宗の次女牟宇姫(むうひめ)と交流があったことなどを取り上げた。 佐藤さんは「義姫は政宗の母として誇りを持ち、晩年は孫らとも交流ができた。幸せな時間を過ごせたのではないか」と結んだ。
河北新報