最近は、英会話の独習ツールがかなり増え、学習環境が非常に充実しています。あまりにも数が多くて、どれがいいのか迷ってしまうほど。
せっかく学習するなら、自分に合った使いやすいツールで、効率よくスキルアップしたいものです。
そこで今回は、カナダで語学学校を10年経営した経験を持つ中林くみこさんに、ビジネスパーソンが英語を学ぶのにおすすめのツールを教えていただきました。
ゲーム感覚で基礎力が身につく「Duolingo」
──ご著書の『スマホで倍速! 英語独学ハック: 英語が話せるようになる黄金ルール』では、「基礎スキル」の重要性を説かれていますが、基礎というのは具体的に言うと?
これは、中学レベルの英語力を指します。
私のところに来る生徒さんには、「中学の英語もわかりません」という方がとても多いのです。ですが、それは自己評価が低いだけで、実際はそのレベルはクリアしている人がほとんどです。
ただ、そこから最低限の英会話ができるようになるには、もうワンステップ上がる必要はあります。
もし、中学で学んだ英語をだいぶ忘れているのなら、Duolingoという無料でも使えるアプリでの学習をおすすめします。
Duolingoでは、たとえばバラバラに並んだ日本語の単語を組み合わせて正しい訳文を作るといった、パズル感覚の問題を解きながら学習を進めます。ゲーム感覚で、続けやすいのが特徴です。中学レベルの英単語・文法の学び直しには、まさにぴったりと言えますね。
ほかに、Dropsというアプリもおすすめです。単語力の強化に特化したもので、これもゲーム感覚で楽しく学べます。
💡基礎をもう一度、学び直すなら「Duolingo」
「Netflix」で英語を多聴
──こうしたアプリを活用して基礎レベルに到達したら、次にすべきことは何でしょうか?
英語の会話をたくさん聴いて、英文をたくさん読むことです。
多聴多読と言いますが、これを同時並行的に行います。目安としては、1日30~60分。これを習慣化しましょう。
多聴については、録音された音声だけを聴くより、英語圏のドラマや映画の視聴がベストです。日本のアニメやドラマも、多くがNetflixで英語吹き替えや英語字幕で観られるようになって、選択肢は増えています。英語吹き替えでも、英語の字幕はオンにしたほうが効果的です。
英語についていけなくて、半分以上理解できない場合は、まず日本語字幕+英語音声で見たあとに、同じエピソードを英語字幕+英語音声で観るといいでしょう。
注意したいのは、ただの聞き流しになってしまうことです。英語が耳を素通りするだけでは、ほぼ学習効果がなくなります。
字幕をオンにするのは、聞き流しを防ぐという目的もあります。耳から聞こえる情報と、目で見る情報を一致させる努力が英語力をアップさせます。
台詞のなかの各英単語は知っていても、会話で音がつながってしまうと聞き取れないというパターンは多いので、これを一致させていくのも非常に効果的なトレーニングになります。
『英語独学ハック』では、TVドラマの「フレンズ」を推奨しましたが、ご自身が好きな作品でかまいません。好きなものでないと、1日30分でも続けることが苦痛になりますし、続きませんので。
💡英語に耳から親しむなら「Netflix」
「Kindle」で好きなジャンルの本を多読
──多読のほうは、どのようにすれば?
これも好きなジャンルで、楽しめる内容であれば、こだわらなくて大丈夫です。
書籍ですと、自身のビジネスに関連した専門書が好きであれば、それを読むといいでしょう。読みたい小説や興味のある雑誌があれば、それでもいいですし、英文のブログでもニュースサイトでもOKです。
紙の本よりKindleをおすすめしていますが、理由の1つが、外へ何冊も持ち運べるという利点があること。単語をワンタップすると、語義を表示してくれる辞書機能も便利です。
💡英文の多読におすすめのツールは「Kindle」