経営再建中の日産自動車が保有するサッカーJ1の横浜F・マリノスの運営会社について、家電量販店大手のノジマ(横浜市西区)が買収を検討していることがわかった。野島廣司社長は1日、神奈川新聞の取材に応じ、日産からの間接的な身売りの打診を認めた上で「正式にオファーがあったら検討する」と答えた。
関係者によると、日産はマリノスを運営する子会社の横浜マリノス(同市港北区)の株式について、ノジマを含む複数の企業に取引先金融機関の仲介で売却を持ちかけている。
ノジマは2012年、社会人女子サッカーに参入。子会社がプロ「WEリーグ」で県央部に本拠地を構えるノジマステラ神奈川相模原を運営している。関係者によると、ノジマはJリーグを1993年の開幕からけん引するマリノスを取り込めば、入場者数がリーグ平均の半分ほどにとどまり、下位に低迷する女子クラブの集客力とチーム力を高められると見込んでいる。
マリノスのチームカラーは青白赤のトリコロールでノジマのコーポレートカラーと一致し、「親和性が高い」(幹部)と経営戦略上も有益と受け止めているようだ。マリノスはアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)出場の常連で、海外で認知度向上につながる好機とみている。
マリノスの本拠地で日産が「日産スタジアム」として保有する横浜国際総合競技場(同区)のネーミングライツ(命名権)についても、ノジマは取得を検討。国際的に認知されている施設に社名を冠せば企業価値を高められ、「命名権の取得が本命」(幹部)と前向きだ。日産は区内の2施設と合わせて足元の契約額の半額以下(年5千万円)で2026年3月の更新を希望しているが、市側は応じていない。
ノジマはM&A(合併・買収)で急成長し、25年度の連結売上高は1兆円に迫る見通しだ。一方の日産は24年度決算で過去3番目に大きい6708億円の純損失を計上し、26年度までに24年度比で5千億円のコスト削減を目指している。
日産のイバン・エスピノーサ社長は5月の神奈川新聞のインタビューで、マリノスの運営について「ずっとやるとは言えないが、現状でストップをかける計画はない。チームスピリットとモチベーションを維持する上で重要だ」と述べ、継続する意向を示していた。日産はマリノス株の約75%を保有している。
ノジマは10年、プロ野球・横浜ベイスターズ(現・横浜DeNAベイスターズ)の買収にも名乗りを上げた。
外部リンクカナロコ by 神奈川新聞
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