報道の公正さを疑われても仕方がない。自民党の高市早苗総裁への取材を巡り、報道陣から「支持率下げてやる」との発言があった問題だ。時事通信社は9日、自社カメラマンの発言だったとして謝罪した。われわれ報道機関が肝に銘じなくてはいけないことを考えた。(福岡範行)
◆2日後「厳重注意」と発表も、対応の甘さでまた炎上
問題の発言があったのは7日午後。自民党本部で高市氏の取材対応を待っていたカメラマンらが談笑する音声がインターネットの生中継で流れた。「支持率下げてやる」「支持率下げるような写真しか出さねえぞ」といった音声は交流サイト(SNS)で拡散。「報道にあるまじきひどい言葉」「マスコミのおごり」などと酷評された。
時事通信社は9日、映像センター写真部所属の男性カメラマンの発言と確認し、本人を厳重注意したと発表。藤野清光取締役編集局長は「雑談での発言とはいえ、報道の公正性、中立性に疑念を抱かせる結果を招いた」とコメントした。
この発表に対しても、SNS上では「厳重注意で済ませてよいのか」と批判が集まった。政治家の失言を糾弾した報道などと比べて対応が甘いことや、報道が信頼されるための土台である公正性を傷つけたことへの危機感の不足を指摘する意見が噴き出した。
東京新聞は一連の会話には加わっていなかったが、メディア全体として深刻に受け止めなくてはならない。
◆オールドメディア批判を助長する言動
「目の前の生身の相手に向き合う覚悟と真摯(しんし)な姿勢がない」。国会議員を取材しメールマガジンで発信する慶応大2年白坂リサさん(21)は緊張感の欠如を問題視する。
白坂さんは、記者会見に出られる立場を「特権的で貴重」と指摘。自身が高市氏を取材したときに「目頭の赤がくっきり見えるほど強い視線」を向けられたと振り返...
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クレヨン伯 10月11日17時31分
軽率なことで、報道関係者はもっと脇を締めろという叱咤には同感ですが、たかがいちカメラマンによる陰口、しかも恐らく政治的意図はなく「会談が長引き出待ちを待たされて『まだ~?』とぼやいた際の、たわいない冗談」らしいですからねえ。
2009年の民主党政権成立前夜、社会部公式ツイッターが
「産経新聞が初めて下野なう」
「でも、民主党さんの思うとおりにはさせないぜ。これからが、産経新聞の真価を発揮するところ」
と「自公政権への同一化」「偏向報道」を嬉々として宣言した某新聞さんのケースほどでもないと思いますので、大目に見てあげてください。
ちなみに、記者の方一人一人は素人が考えるほど新聞社のカラー・思想に統一されているものではないらしく、上記某紙に企業カラーと反対の記事が載ることもありますし。
同紙と、一見対極にある「『商売左翼』で読者を獲得」している某ブロック紙との間でも、多くの記者が転職しているなど相当の人的流通がある、と週刊金曜日編の検証本で読みました。そんなものだろうと思います。 -
ジャック・リーチャー 10月11日8時24分
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