フィリピン南部のミンダナオ地方東ダバオ州沖で10日にマグニチュード(M)7.4と同6.8の地震が発生し、12日午前6時までに8人の死者を含む49万人以上の被災が確認された。約2週間前に中部セブ州で発生した地震に次ぎ、各省庁は支援やインフラ復旧に当たっている。全国各地で地震が頻発する中、マニラ首都圏での発生を不安視する声も上がっているが、関係機関は直接的な影響は「考えにくい」との見方を示している。
東ダバオ州沖を震源地とする地震は2回発生した。10日午前9時43分にはM7.4、午後7時12分にはM6.8が観測された。震源の深さはそれぞれ23キロメートルと37キロだった。
フィリピン火山地質学研究所(Phivolcs)は2回とも津波警報を発令。南スリガオ州の沿岸部では10日午前10時20分ごろに約30センチメートルの津波が観測された。12日時点で警報は解除されている。
フィリピン国家災害リスク軽減・管理協議会(NDRRMC)の12日午前6時時点の報告によると、2回の地震による死者は8人、負傷者は395人。被災者はダバオ地域が28万868人、カラガ地域が21万390人となっている。
インフラでは道路32カ所、橋7カ所が被災し、ダバオ地域を中心に一部で通行止めが続いている。一方、公共事業道路省は11日午後9時時点ですべての国道、州道、市道が通行可能となり、構造的な損傷はないと発表している。
停電は27の自治体で発生し、すべて復旧している。エネルギー省は12日午前11時時点で影響を受けたすべての発電所が運転を再開しており、電力供給に問題はないと説明した。
国防省で災害対応を管轄する民間防衛局(OCD)は12日、被災地を視察し、医療部門の被害が最も深刻だと発表した。震源地の東ダバオ州マナイ市の州立病院は構造的な損傷により閉鎖が続いている。
地元紙インクワイラーなどによると、教育省は教育機関の被害額が22億3,000万ペソ(約58億円)に上ると試算している。575カ所の学校で被害が報告されているという。
震源地の周辺では余震が750回以上観測されており、火山地質学研究所は今後数週間続くとの見通しを示している。
セブ地震とは「関係なし」
国内では9月30日夜に中部セブ州でM6.9の地震が発生している。火山地質学研究所は東ダバオ地震との「関係性はない」と説明しており、大統領府も同研究所の見解を引用している。
一方、ルソン島では10月9日に北部のラウニオン州で、11日に中部のサンバレス州でそれぞれM4.4、M5.0の地震が観測された。国民の間では首都圏でも地震が発生するとの懸念が広がっており、政府機関などは不安をあおる誤情報への注意を呼びかけている。
火山地質学研究所のテレシト・バコルコル所長は10日、地元のテレビ局のニュース番組に出演し、首都圏を横断する断層による将来的な大地震のリスクに言及した上で、「いつ起きるか予測はできない」と説明した。